「離婚は結婚の何倍も楽しい」バツ4の39歳女性が語る離婚観と、バツ4の末にたどり着いた「理想の結婚相手の条件」
「離婚は結婚の何倍も楽しい」バツ4の39歳女性が語る離婚観と、バツ4の末にたどり着いた「理想の結婚相手の条件」

20年間で4回の結婚と離婚を経験してきた神奈川県在住の及川さん(仮名、39歳女性)。1回目は顔、2回目は復讐のため、3回目はお金、4回目は性格で選んだ夫たちだが、それぞれの離婚を経て、ついに理想のパートナー像にたどり着いたという。

現在、5回目の結婚に向けて新たなパートナーと交際を深める及川さんの近況に迫った。(前後編の後編) 

4度の結婚と離婚の果てにたどり着いた、“理想のパートナー像” 

19歳で初めて結婚してから20年間で、4度の結婚と離婚を経験してきた及川さん(39歳)。これらの経験から得た教訓とは何だったのか、率直に聞いてみた。

「私ってもともと恋愛関係になった異性と3カ月以上仲良く一緒にいつづけることができなかったんです。でも4回目の結婚は、恋愛というより親友が家にいる感じがして、とても居心地がよかった。身体の関係がある親友のような異性がベストだなって答えにたどり着きました」(及川さん、以下同)

福岡で生まれ育った及川さん。幼少期は常に両親が怒鳴り合いの喧嘩をするような家庭環境だったといい、「これが普通なのかなって思っていた」が、4回目の穏やかな結婚生活を経験したことで、求める理想のパートナー像が明確になったという。

残念ながら4番目の夫とは、夜のレス問題が決定打となり別れに至ってしまったものの、現在は「身体の関係がある親友のような異性」という条件を全て満たしたパートナーと交際中だという。

「一つ一つステップアップしています。人生は理想の相手探しだと思うので、次は家族みんなで仲のいい家庭を築いていければ」

と前を向く及川さん。5回目の結婚を果たす日もそう遠くはないようだ。

「『離婚』のほうが『結婚』より何倍も楽しい」 

一方、巷では「離婚は結婚の10倍の労力を要する」などと言われているが、4度の離婚を経験した及川さんは実際、どうだったのか。

「私、もともと編集者なんで。

職業柄、事務作業は得意なんです。だから(結婚や離婚の手続きに必要な)事務作業が得意な人は何回でも結婚して、ダメだったら何回でも離婚すればいいじゃんって思いますけどね」

とあっけらかんとした様子で語ってくれた。さらに、

「正直、『離婚』って『結婚』の何倍も楽しいですからね。離婚した瞬間の解放感やワクワク感、逃げ切った感とか、いろんなアドレナリンがドバーって出るんです。だから絶対、結婚より離婚のほうが何倍も楽しいですよ」

すでに及川さんの周囲も離婚報告に全く驚かなくなっている。4回目の離婚を報告した際は、家族も友人も大笑いだったといい、「息子も『俺、また名字変わるの?(笑)』っていう感じで、息子の友達ももうそれに慣れっこみたいでした」と話した。

こども家庭庁の調査によると、2023年の婚姻件数は47万4741組と前年から3万件以上減少し、平均初婚年齢も妻が約30歳、夫が約31歳と晩婚化が加速。厚労省の調査では再婚に踏み切った人が2024年は夫17.9%、妻15.6%といずれも前年より減少傾向にある。

「結婚は当たり前」という前提はとうの昔に崩れ去り、日本の婚姻市場は縮小と多様化という新たな局面を迎える中、世の中にはなかなか結婚に踏み切れないカップルや、世間体などから離婚をためらう夫婦もいる。そのことについて及川さんはこう言葉をかける。

「結婚に迷っている人はダメだったら別れればいいし、離婚歴なんて誰も気にしてないし、離婚後のお金もパートナーもなんとかなりますよ」

及川さんのような「スタンプラリー」ぐらいの軽やかさが、重たい結婚制度を少しだけ楽にするのかもしれない―。

#1「及川さんの4回の離婚歴の詳細」に迫る 

取材・文/集英社オンライン編集部特集班  

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