1回目の夫は「人間味がない」、2回目は「社会性がない」、3回目は「人間味はあるけど…」 50歳バツ4女性弁護士、4度の離婚理由の共通点
1回目の夫は「人間味がない」、2回目は「社会性がない」、3回目は「人間味はあるけど…」 50歳バツ4女性弁護士、4度の離婚理由の共通点

“円満離婚”弁護士として、数々の泥沼離婚トラブルを解決に導いてきた原口未緒さん(50)。そんな原口さん自身もこれまで4回の結婚と離婚を経験してきた。

1回目は同級生の裁判官、2回目は弁護を担当した元被告人。では、3回目と4回目の結婚はどんなお相手だったのか。その結婚・離婚事情に迫った。(全3回の2回目)

#1から続く

3回目の結婚相手は、弁護士として不倫相談を受けていた男性

33歳のとき、弁護を担当した被告人からアクリル板越しにプロポーズされた原口さん。刑務所とシャバで300通以上の文通を交わし、彼の出所後に晴れて結婚に至ったが、わずか1年経たずに離婚し、35歳でバツ2となった。

「出所後の彼を働かせなきゃ、と札幌市に法律事務所を開業して独立したんですが、開業と同時に離婚してしまいました。借金返済に加え、縁もゆかりもない土地での開業は想像以上に大変で…人脈づくりのために異業種交流会に参加し始めました」(原口さん、以下同)

その異業種交流会で出会ったのが、3回目の結婚相手となる4歳下の建設会社経営の男性だった。彼とはどのように結婚に至ったのか。

「当時、独身だった彼は既婚者の女性と交際していました。要は不倫ですよね。それで『彼女の離婚相談に乗ってあげてほしい』って頼まれたのがきっかけだったんですが、いざ相談に乗ってみると、『彼女、全然離婚する気ないな…』っていうのが態度や口ぶりから分かったんです」

その後、既婚者の彼女と別れた彼は原口さんと急速に仲を深めていき、半年の交際を経て結婚した。

「1回目の結婚相手は、社会性はあるけど人間味がなかった。2回目は、人間味はあるけど社会性がなかった。

だから3回目の夫は、『社会性も人間味も両方兼ね備えてる!』と思って選んだんですけど…」

夫の連日の「すすきの通い」に大激怒

「絶対に『離婚する』って言わないようにしようね」

両親の離婚で傷付いているという共通点のあった2人は、そう固く誓い合って盛大な披露宴を催し、晴れて夫婦となったのだが…。

「彼ってすごく夢見がちなところがあって、『会社を早く他の人に任せて、将来は早期で引退したい』と語るようになりました。それで『新規開拓の営業のため』と言って、連日『すすきの通い』が始まったんです」

夫の帰宅は毎晩深夜3時。一度は彼の言い分を受け入れたものの、疑心暗鬼が募り、夫婦の喧嘩が絶えなくなった。「こんな結婚生活は嫌だ」と思った原口さんはついにあの言葉を口にしてしまう。

「もう、離婚したい」

その言葉を聞いた夫の表情は一瞬で凍り付いた。離婚という言葉に人一倍、ナーバスな夫は「絶対離婚するって言わないって約束したのに、自分の言ったこと分かってんのか、責任とれ!」と言い放ち、態度を一変させた。

その後、原口さんから謝罪し、別居をしながら約9カ月間、友人の手も借りて何とか関係を修復させようと試みたが、彼の意思は変わることなく、1年半の結婚生活が終わったのだった。

なぜ毎回違う相手と同じ終わり方をするのか

37歳にして3回の離婚を経験した原口さん。自身の結婚と離婚の遍歴を振り返り、あることに気付いた。

「『夫が家に帰ってこなくなる』という点が、これまでの離婚理由に共通していたんです。これは相手の問題ではなく、私自身に問題があるのかもと思いました」

そこで男性心理や恋愛心理学を学び、パートナーシップ講座を受講し始めた原口さん。その後10年間で16件の講座を受講したが、その途上で出会ったのが4回目の結婚相手となる、4歳下の不動産経営の男性だった。

40歳で4回目の結婚を果たし、待望の息子を授かった。夫とは同居しつつも未入籍の“事実婚”という形を選択した。

「彼がバツイチで結婚に積極的でなかったのもありますし、私も名字を変えるのがめんどくさかった。あとは職業柄、婚姻届を1枚出すことで、(法律上の)『夫婦』という形に縛られているカップルをたくさん見てきたので、気持ちや絆だけで夫婦の形態を維持する事実婚の形を試してみたかったんです」

しかし、そんな4番目の夫との結婚生活も、4年で終止符が打たれることに。いったい、何が原因だったのか。

「2回目の離婚理由と似ていて、夫が働かなくなっちゃったんですよ。会社経営者といっても社員に仕事を丸投げするタイプだったらしく、社員が全員辞めてしまったんです。

一人で細々とは続けていたらしいですが、会社にも行かなくなって遊びだして、家にお金も入れなくなってしまいました」

44歳で事実婚を解消し、シングルマザーの道を歩むこととなった原口さん。「なぜ私は、毎回違う相手と、同じような終わり方をしてしまうのか」。その問いに向き合うため、その後も学び続けた心理学が、やがて4回の離婚を招いた“無意識のシナリオ”に気付くきっかけとなった。

#3「心理学から学んだ、4回の離婚を招いた自身の根本原因」へつづく

取材・文/木下未希 集英社オンライン編集部特集班

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