熊本県警公式キャラ「ワルモン」が「くまモン」に酷似していると話題!「兄弟ですか?」「なぜ(自称)詐欺師をキャラクターに?」県警に聞いてみた
熊本県警公式キャラ「ワルモン」が「くまモン」に酷似していると話題!「兄弟ですか?」「なぜ(自称)詐欺師をキャラクターに?」県警に聞いてみた

9月15日、熊本県警が特殊詐欺対策の一環として誕生させた新マスコットキャラの「ワルモン」が注目を集めている。ずんぐりとした黒い体と赤らめた頬が熊本県のPRキャラクター「くまモン」とそっくりで「兄弟か?」「親戚か?」と話題になっているのだ。

熊本県警生活安全企画課に、その真相と誕生の経緯について聞いてみた。

「くまモンと似ていますかね?」

ワルモンは熊本県出身で9月15日に生まれたばかりの0歳のオスグマ。相撲観戦が趣味で自称詐欺師、最新の詐欺の手口を自慢げに話すのが特徴だ。手口を話すことで県民が詐欺被害に遭わないように㏚することが目的だという。

ワルモン誕生の経緯について熊本県警生活安全企画課の担当者はこう話す。

「熊本では特殊詐欺のことを誰にでもわかりやすく『電話でお金詐欺』という言い方をするのですが、去年の『電話でお金詐欺』の被害は113件で、今年は現時点で160件にのぼります。すでに去年の件数を上回っていますし、被害額は7億円を超えています。

全国的に特殊詐欺被害はずっと右肩上がりに増加傾向にはあるのですが、今年4月、5月にはいわゆる息子や娘を騙るオレオレ詐欺が急増し、6月に入ってからは警察官を騙る手口が増加していました。それとSNS型投資・ロマンス詐欺についても被害が甚大で、11億円もの被害が出ています。

こうした詐欺の被害抑止のためにワルモンを誕生させました。主に広報啓発活動に取り組まれている事業者さん数社から提案があって、そのなかの一社と契約した形になっています」

ワルモンは目つきも悪く、頬にはバツ印があり、一見して悪者とわかる人相をしているが、ずんぐりむっくりした黒い体や赤い頬など県のPRキャラクター「くまモン」と似ている。

ワルモンを見たときにくまモンを連想しなかったか尋ねてみる。

「似ていますかね。

私は組織の一員なので個人の感想は話せないです。くまモンとはまったく関係ありません」

警察が悪者キャラクターを起用する意図 

すでに「くまモン」と一緒にイベントに登場もしている「ワルモン」だが、周囲の反応はどうなのだろうか。

「熊本県の阿蘇で行なわれた全国地域安全運動出発式やお祭りなどで、くまモンと一緒に登場させてもらいました。実はくまモンに間違えられて後ろから『くまモン』って話しかけられ、『あっ違う』と言われたこともあったみたいです。

警察を支援してくれる方たちからは『可愛い』と言っていただけてますし、当県警のXのフォロワーはワルモンが登場してから600人ほど増加しました。ワルモンが注目を集めて1人でも詐欺の被害が減ってくれるのが私たちの願いではありますので、効果は出ていると思っています」

熊本県警のシンボルマスコットには、心優しい小ぐまの警察官のゆっぴーがいるが、ワルモンはゆっぴーとは敵対関係にあるのだろうか。また、警察が悪者キャラクターを起用するのは珍しいが、どういった意図があるのか。

「ゆっぴーは、ワルモンが悪事をしないように厳しく見守りますし、ときにはゆっぴーに捕まりもします。最初にゆっぴーとステージイベントに出演した際には、ワルモンは捕まりました。

今回、悪者であるワルモンを起用した一番の決め手は特殊詐欺の手口を知らしめるという点でした。それと同時にキャラクターを使用するというところで人の目を引くなど総合的に判断してワルモンになりました。もちろん警察ですから悪者の犯罪者をキャラクター化するのはどうだろうかという議論もありました。

でも、警察が『悪者をキャラクターに!』と意外性で踏み切った部分もありますし、逆に悪者の方がかえって詐欺の手口が伝わりやすいんじゃないかという想いもありました。

特殊詐欺被害者の方にアンケートをとると、被害にあってしまった理由で一番多いのが『手口を知らなかった』というものです。なので、とにかく人目を引き、手口を知ってもらうことに重点をおきました」

じわじわ知名度をあげていっているワルモン。今後の活躍に期待が高まる。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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