「暴落しても満足できる」元フジ西岡孝洋アナが語るタワマン愛…世にあふれる批判にも反論「エレベーターの待ち時間は長くない」
「暴落しても満足できる」元フジ西岡孝洋アナが語るタワマン愛…世にあふれる批判にも反論「エレベーターの待ち時間は長くない」

今まで5部屋のタワーマンションを購入した経験があり、現在も湾岸と白金高輪という人気エリアに2部屋を所有している元フジテレビアナウンサー西岡孝洋さん(49)。 

タワマンは華やかなイメージがあるが、よく批判にもさらされる。

こよなくタワマンを愛する西岡さんに、「暴落論」と「デメリット」いう、ふたつの〈不都合な真実〉について、あえて意地悪な質問をしてみた。 

タワマンの本当のデメリット

――タワマンは世間の注目を集める反面、「あんなところに住むなんて」と批判を受けることも多いです。例えば、デメリットとしてよく「エレベーターの待ち時間が長い」と言われますが、実感としてはいかがですか。

西岡(以下略) よく言われますよね(笑)。これまで17年ほどタワマンに住んでいますが、5分待ったことは一度もありません。どんなに混雑する朝の時間帯でも、最長で3分くらいですね。もちろん、物件を選ぶ際にはエレベーターの設置台数を気にするようにはしています。

――震災時のリスクを指摘する声もあります。高層階ですと、かなり揺れるのではないですか。

実はそうでもないんです。東日本大震災のときは出張中で不在でしたが、帰宅したら引き戸が少し動いていたくらいで、物が倒れるようなことはありませんでした。もちろん、最新のタワマンは免震・制震構造がしっかりしていますし、3.11の教訓から非常用電源の確保など対策も進化していますね。震災時は自宅避難を想定していますので、備蓄はしっかりとしています。

――多くの人が同じ屋根の下で暮らすというのも問題が起こりそうな気がします。

マナーが気になる方を見かけることはあります。エレベーターのボタンを鍵で押しちゃうとか……。ただ、高輪のマンションでは、エレベーターで会った高齢のご婦人に「ごきげんよう」と挨拶をされました。その台詞をリアルで聞いたのは初めてで驚きました(笑)。治安はマンションやエリアによるのではないのかなと思います。

――逆にご近所さん同士のつながりがなく、無機質という声も。

それがそうでもないんですよ。先日も隣の部屋の方が「余ったので」と果物を持ってきてくださったりして。あと、デベロッパーからマンション住民同士の交流イベントについてのアンケートが来たんです。そういうことにこれから力を入れていこうとしているのかなと。

――ではタワマンにデメリットはないのですか? しつこくて申し訳ありません。

リアルな悩みで言うと、ピンポンを押されてから宅配便が玄関に届くまで少し時間がかかることですね(笑)。あとは機械式の駐車場だと、出庫に最大10分ほど待つことがあります。でも、そういったのは些細なことだと感じるくらい、他のメリットが大きいです。

「マンション価格がゼロになっても満足」

――ではお金の部分はどうでしょうか。昨今のインフレで将来の修繕のために積み立てているお金が不足するのではという声もあります。タワマンの修繕には普通のマンションよりお金がかかりますので、将来が不安ではないですか?

その時にはインフレによって給料も増えているはずなので、問題ないのではないかと思います。また、貯めている積立金は運用をすればいいのです。現金で持っていると価値が目減りしてしまいますが、運用することでそれはカバーできます。ですので、優秀な管理組合を持っているマンションがこれからは強いと思います。そして、追加で修繕のお金が払えないという方は、売却すれば良いんです。タワマンは流動性が高い(売却しやすい)のも魅力のひとつですから。

――でも、「今はタワマンバブルで、いまに暴落する」という声もかなりあります。怖くないですか?

リーマンショックの時も、実はそこまで大きくは下がってはいないんです。

「半分になる」といった暴落論は大げさではないかと思います。私はいま、暴落は来ないのではと考えていますが、もちろんその可能性がないとは言えません。

ただ、私はもともと建築物が好きで、素晴らしい建築の中に住むこと自体が特別な経験だと考えています。だから、もしこのマンションの価値がゼロになっても、この家に住めたという経験に満足できる、と思って買っています。

――なぜ、暴落を願う声がこんなに強いと思われますか?

実は気持ちはすごく分かります。私も一度だけ飲み会でお会いした人が、暗号資産ですごく儲かったと自慢してきたのです。その時に内心「うらやましい」と思いましたし、心のどこかで下がることを願う気持ちがありました……。今はタワマンの値上がりばかりが注目されて、分断が強まってしまっているのかなと。ですので、マンションの「含み益」を自慢するのはあまり良くないのではないかと思っています。

――タワマンの売買自体にはリスクはありませんか。かなり高額な取引になるかと思いますが。

実は3部屋目の豊洲のマンションを売る時に、ひどい目にあったんです。

お客様が20人も部屋の内見に来たのに、全く売れない。そんなに高い売価をつけているわけではないのに、おかしいなと思っていました。次のマンションの引き渡しが迫っていたので、かなり焦りました。そこで別の不動産仲介業者に代えたところ、すぐ売れたんです。

――それは不思議ですね。

最初の仲介業者は割安な価格での「自社買い取り」を狙っていたのではないかと思います。担当者は、「うちならもし万一売れなくてもこの部屋を買取します。そちらの方が西岡さんも安心じゃないですか?」と言っていたんです。あえて人に売らないことで、自社で割安な価格で買い取りができて、大きな利益が出ますから。

――なるほど……それならなぜ20件も内見を入れたのでしょうか?

私は担当者に鍵だけ預けて、内見には立ち会わなかったんですよね。ですので、本当にその検討者たちは実在していたのか……。検討者がゼロなら、「専属専任媒介契約」という専属契約を私に解除される可能性があったので、それはまずい。

だから仲介業者は検討者を「偽装」したのではないかと。

――そんなことが……恐ろしいです。

あくまで推測ではありますが、別の不動産業者と話してもその可能性は高そうだと言われました。売れたときには本当にホッとしましたよ。不動産業者の方には、こういったことをせず、お客さんに寄り添ってほしいなと思います。でも、それ以降の売買では特に大きな問題は起こっていません。タワマン固有の問題でもないのかなと思います。

みんなで「割り勘」して、豪華な空間を作っている

――西岡さんのお話を伺っていると、タワマンのデメリットはあまりないような気がしてきました。

もちろん魅力を感じるかは人によると思います。タワマンから一戸建てに引っ越した友人がいるんですが、彼は『駅を降りてからみんなが同じタワマンに吸い込まれていく絵が怖かった』と言っていました。何かの象徴みたいに建物に吸い込まれていく人生は嫌だ、と。その感覚は、なんとなくわかるような気がします。

――感覚的に合わない方はいるのかもしれませんね。では最後に、西岡さんが考えるタワマンの真の魅力とは何でしょうか。

スケールメリット、これに尽きると思います。豪華なエントランスや充実した共用施設は、何百、何千という世帯が少しずつお金を出し合っているからこそ実現できるものです。いわば、みんなで「割り勘」して、個人では到底手に入れられないような豪華な空間を作っている。その空間を共有できることが、タワマンの最大の魅力です。

ホテルライクとよく言われますが、あの豪華な空間をみんなで共有しているという事実、そして、その街に住む権利をもらえること。それがタワマンの一番の魅力じゃないでしょうか。

――さらに「住める金融資産」ともおっしゃっていましたね。

タワマンは流動性が高く、インフレに強くて、資産価値も分かりやすい。なので「金融資産」という側面もあります。でも、それだけではありません。金(ゴールド)をいくら買っても住むことはできませんが、タワマンは住むという実用価値があります。そして、仮に価格がゼロになったとしても、帰る家は残る。一つの街ができていくプロセスに参加し、そのコミュニティの一員になれる。そうした価値こそが、私がタワマンを愛してやまない理由なのかもしれません。

取材・文/集英社オンライン編集部

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