
25年間で4回の結婚と離婚を経験した会社経営者の男性(52)が、24歳下の女性と5回目の結婚を果たした。お相手との出会いから「人生で一番緊張した」と振り返る両親への挨拶、そして現在の結婚生活についても話を伺った。
#1からつづく
24歳下の女性と5回目の結婚、妻の両親の反応は…
21歳から46歳までの25年間で、調布のキャバ嬢や南国系レゲエミュージシャン風といった女性らと4度の結婚と離婚を経験した会社経営者のともさん(仮名、52歳)。
5回目の結婚は49歳のとき。お相手はガールズバーで出会った24歳下の女性だというが、彼女のどのような点に惹かれたのか。
「たまたま入店した学芸大学駅近くのガールズバーで働いていた女の子なんですが、初めて会ったときから『笑顔がかわいくて、明るくていい子だな』と思っていました。2回目に会いに行ったときに、彼女が『今日でバーを辞めるんです』と言っていたので、思い切ってご飯に誘ったんです」(ともさん、以下同)
そこから何度か食事に行く仲に発展した2人。出会いから半年経ったタイミングで、告白と同時に、ともさんは自身の離婚歴を初めて伝えた。
「僕、実はバツ4なんだよね…」
すると、彼女の反応は意外にもあっさりしていた。
「そうなんだ。ハリウッド俳優みたいでいいんじゃない?」
そこから順調に2人は愛を育み、交際8カ月で婚約に至った。そして結婚に向けての最大の懸念は「妻の両親への挨拶」だったといい、「今まで4回も両親への挨拶を経験してますが、5回目は人生で一番緊張しました。娘が24歳上のバツ4の男を連れてくるって…、さすがにご両親にどう思われるのか、気が気ではなかったですね」。
実際に彼女のご両親の反応はどうだったのか。
「義母には、それぞれの離婚理由を一つずつ丁寧に聞かれまして、まさに取材を受けているようでした。
そんな経緯もありながら見事、5回目の結婚を果たした。今年で結婚生活4年目となる現在の様子を聞いてみたところ、
「僕って同じ相手とずっと一緒にいることが疲れてしまうタイプだったんですが、今の妻とは家でもいろんな話をするし、2人でよく家飲みもするし、外食にも行くんですが、ずっと楽しいんです。妻は僕の両親や兄弟も大事にしてくれるので、そういう彼女と一緒にいる中で、僕自身『今回はちゃんと大事にしよう』って気持ちが持てています」
と笑顔で語った。
周囲の反応で「一番しんどい」のは、バツ2
4回の結婚と離婚を経て、5回目でようやくたどり着いた幸せな結婚生活。5回目の結婚にあたり、4回の離婚経験からの学びを生かした点はあったのだろうか。
「今の妻と4回の離婚について話し合ったとき、彼女から『あなたに足りていないのは、“絶対に離婚しないぞ”っていう意地だと思う』って言われたんです。たしかに僕自身、『相手としっかり向き合う』ことをこれまで避けてきたんです。価値観の違う相手と話し合うことに『めんどくさい』と感じて、別れを選んでしまう。それができていれば、離婚しなくて済んだなと…」
彼女の言葉に胸を衝かれたともさん。5回目の結婚は初めて本気で“続ける覚悟”を持ち、毎朝1時間、家の周りをランニングするなど、体力づくりにも努力を欠かさない。
「妻が若い分、一緒に歩いていて『変なおっさん連れてる』って思われたくないんです。せめて違和感ないレベルでいれたらなと思って」
そんなともさんがこの30年間で改めて実感したことがある。それは「バツの数によって周囲の反応が大きく異なる」ということだ。
「『バツ1です』って話したときは、『まあバツ1ぐらい今の時代当たり前だよー』って励ましの声が100回以上返ってくるんです。でも『バツ2です』って話すと、『あ、2回…』みたいな感じで周囲の反応がものすごく冷たいんですよ。『あんたが悪いよね』みたいな目つきで見られる(笑)。でも『バツ3です』って話したときは、手を叩いて笑ってくれるんです。『バツ4』までいくと、逆に『すごい』みたいな尊敬のまなざしで見られて、いろんな人から相談を受けます」
という。だからこそ、ともさんは力強くこう訴える。
「バツ2が一番きつい。バツ2の人で、すごくしんどい思いをしている方々は、早く結婚・離婚して、バツ3になったほうがよっぽど楽ですよ」
「20代で恋愛マスターを名乗るユーチューバー」に物申す
バツ4であるがゆえに、さまざまな人から恋愛・結婚・離婚相談を受けるともさん。特に女性からの離婚相談が圧倒的に多いといい、
「世の中の女性って離婚したい人がこんなに多いんだなって知りました。離婚はしたいけど、収入面や子どものことで踏みとどまっている人がほんと多いですね」
と語る。そんな離婚に迷う女性に対し、4回の離婚を経験したともさんは、こう持論を語る。
「子どもがいる離婚と、いない離婚って全く別物だと思っています。僕は1回目の結婚にだけ子どもがいましたが、離婚後ずっと子どもに対しての罪悪感はありました。僕に懐いてくれていた分、離婚後に寂しがっていると人づてに聞いて、すごく辛かった。
子どもがいない離婚だったら、2人の問題だし、僕はいくらでも離婚すればいいと思うけど、子どもがいるなら決断には慎重になったほうがいいと思いますね」
一方、「結婚自体そんな重く受け止めなくていい」と語るともさんは、今の恋愛・婚活市場を席巻するマッチングアプリに対しても、こんな言い分が。
「マッチングアプリって身長や年収も、自分の好みを選べるようになっているからこそ、こだわりが強くなっていると思います。『こういう人じゃなきゃダメなんだ』って固定観念を自分自身で作って狭めてしまっている気がするんです。だからこそもっと外で出会ってほしいって思っちゃいますね」
これまでさまざまな恋愛を経験してきた、ともさん。今の若者に対して何かメッセージはあるか、そう聞いてみたところ、こんな答えが返ってきた。
「20代で恋愛マスターを名乗るユーチューバーとかいますけど、恋愛って人に教えることでもないし、教わることでもない。転んで怪我してを繰り返して学ぶものだと思うんです。まあ…僕の場合は転び過ぎましたが(笑)。20代で恋愛の何が分かるの? 僕なんて50代に入った今でも分からないのにさ(笑)」
そう軽快な口調で語るともさん。
取材・文/集英社オンライン編集部特集班