コロナ禍を経て、働き方の多様化が起こり、在宅ワークの導入だけでなくオフィスをフリーアドレス化する会社も増えてきた。しかし今でもごく一般的な、仕切りのないデスク同士を向かい合わせるタイプの「島型デスク」で働いている人は多いだろう。
「島型オフィスは耐えられない」若者が絶叫
《こーいうオフィスきもい。どっからでも人に見られるの嫌だ!!!!!》
先日Xでは、机を向かい合わせた形で仕切りのないデスクが並んだ「島型オフィス」についてこう述べたポストが話題となった。
このポストについて、ネットでは共感の声が相次ぎ、以下のようなコメントも。
《おっさんのクソデカくしゃみとか、電話の声を聞くとクッソストレス溜まるし、目の前に好きじゃない同僚、上司がいて目が合うと殺したくなるから個室か、仕切りが欲しいですわ》
《7年続いたバイトは仕切りがあり安心して働けた。島型オフィスは耐えられない。》
昨今、オフィスの形もさまざまに変化するなか、Z世代が感じる“島型オフィス”の気持ち悪さとはいったいなんなのか。今回は、Z世代の働く女性たち3名に、こうしたオフィスで実際に体験した“キモかった”思い出を聞いてみた。
視線の先には……静かにじっとこちらを見つめる上司に仰天
マナさん(仮名・26歳)は島型のオフィスでこんな体験をしたという。
「私の所属していた部署では、だいたい午後3時くらいになると、各自“おやつの時間”が始まるのですが、その時間帯に、私の席の斜め方向から、ふと視線を感じたんです。視線を感じた先を見てみると、40代の上司がお菓子を手に持ってフリフリと振っていて……(笑)。無言でニコニコしながら『これいる?』みたいな感じで見つめられていて、ギョッとしました(苦笑)」(マナさん)
マナさんのデスクは、正面には大きなモニターがあり、横幅の広いデスクであったそうで、基本的には人との距離や視線は気にならなかったというが、斜めからはいつもその上司が見えていたそうだ。
さらに、席の配置によるこんなストレスもあったそう。
「私の席がちょうどオフィスの出入り口の目の前だったので、人が頻繁に背後を通るのがいちいちストレスでした。業務上、映像の確認をするためにイヤホンを付けていることが多く、人が背後を通るたびに『なにか話しかけられるんじゃないか』と、気を遣うのに疲れましたね」(マナさん)
卑猥な言葉が行き交うセクハラ上司たちに辟易
次に話を聞かせてくれたのは、過去に営業部で事務職を担当していたナナミさん(仮名・28歳)。彼女は出勤初日のことをこう振り返る。
「部署の構成が私以外は全員男性で、いちばん年上の営業部長が50代、課長は30代の方、先輩社員の方は20代でした。ある日、部長と課長が業務中に雑談し始めた時があって、そのこと自体は特に気にならなかったのですが、雑談途中に卑猥な言葉が行き交う瞬間があって……。
小さい声で話すわけでもなく、普通の声の大きさで話すので、デスクの距離が近い私の耳に、嫌でも会話の内容が入ってくるんです。上司たちはニヤニヤしながら、横目でチラッと私の様子を伺っていたような感じで、本当にキモかったです(笑)。これって立派なセクハラですし、『この会社あり得ないな』と思いました。
今考えると職場の雰囲気的にわざと私に聞こえるように話していた気もして、気持ち悪くて思い出すだけでも吐きそうになりますね。ちなみに20代の先輩は見て見ぬふりでした」(ナナミさん)
ナナミさんはそれまで女性の多い環境に身を置いていたそうで、この会社に入社してから男性不信気味になってしまったほどこの出来事がトラウマになったという。
そして仕切りのないデスクならではの嫌な思い出はほかにもあるという。
「次に転職した会社での出来事ですが、人前で強く注意を受けるとこが苦痛でしたね。その会社では、女上司との関係がうまくいかず、私だけ結構強く注意されるといったパワハラまがいのことが多くて疲れました。
仕切りのないデスクなので、周囲の人が私のことを『仕事ができないかわいそうな人』って思っているんじゃないかと感じてしまったり、黙ったままで見て見ぬふりをされたりすることがすごく嫌だったんです。
やっぱり人間関係が良好でないと、毎日顔を合わせなければならない島型のオフィスはきついですね」(ナナミさん)
個人情報まで監視されていた!? ありえないほど“おせっかい”な上司に怒り
最後に話を聞いたのは、現在経理職に従事しているというアキホさん(仮名・27歳)だ。
「私の隣には40代の男性上司がいたのですが、その上司はいちいち私のすることに口をはさんでくるタイプで、常に監視されているような感じだったんです。ある日、私のPCのパスワードに関して、『そろそろ変えた方がいいんじゃない?』と言われ、なんで私がパスワードを変えていないことを知っているんだろう……と、ゾッとした覚えがあります。
横目でひそかにパスワードを盗み見られていたんだと思うと、かなりキモさを感じました(笑)」(アキホさん)
アキホさんは日々隣の上司から“監視圧”を感じて疲弊していたようだ。上司はアキホさんの仕事のやり方に対して、嫌味っぽく注意することもあったそうだ。
「私がまだ入社して半年くらいの時、少々複雑なタスクを、自分のメモを見ながら行なっていたところ、隣の上司から『それ、メモ見ないとできないの?』と突然言われたんです。私の仕事のやり方なんて私の勝手だし、ミスするほうが重大なので間違えないように工夫することに、なんで嫌みを言われなきゃいけないんだって感じでした(苦笑)。
こんな感じで、いちいち隣でその上司に監視されていることがストレスでした。仕切りがあったり、個室であったりすれば、こういった人の目を気にせず、のびのび自分のやり方で仕事できて、むしろ効率よくなると思うんですが……」(アキホさん)
そして退職の決定打となったのが、斜め向かいに座っていた50代後半の“お局”女性だったそう。
「モニターがある前方や横は、基本的に誰かと視線が合うことはないのですが、斜め向かいだと遮るものがないので、斜めにいる人の視線が気になって仕方ありませんでした。特に私の嫌いな先輩の女性が斜め向かいの席だったこともあり、毎日デスクに座るたびに嫌いな人と顔を合わせなきゃいけないことがかなり苦痛でした。
私は少しずつイスを横にずらして、なるべくその先輩が見えない位置まで移動していたんですけど、ある日、その先輩が私の方向に向かって自分のモニターをグイっと移動させたんです!
おそらく私が視界に入らないように、向こうも対抗してきたんじゃないでしょうか。大人げないなと思いつつも、嫌いな人の顔が見えなくなって、こちらとしてもありがたかったです(笑)」(アキホさん)
――上司からセクハラを受けたり、誰かからの視線を感じたり、ひそかに監視されていたりなど、仕切りがなくプライベートな空間ではないからこそのストレスや気持ち悪さを感じているZ世代が多いようだった。
今回取材した3名に、働きたいと思うオフィスについて聞いたところ、出勤するたび自由に席を選べるタイプの“フリーアドレス型”がいちばん人気だった。全世代がストレスなく働けるデスク配置は、会社全体の業務効率をよくすることや、退職者を減らすことにもつながるのかもしれない。
取材・文/瑠璃光丸凪(A4studio)

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