全国的なクマ被害拡大により、ついに文部科学省が全国の教育委員会に登下校時の留意点や侵入時の対応を通知する方針を固めた。松本洋平文科相は10月28日の閣議後記者会見で、「児童生徒の安全確保に向けた必要な取り組みを進めていきたい」と話し、クマの冬眠前の11月にも通知するという。
相次ぐクマの目撃情報で、外での部活や遊びを禁止にする学校も
山形県鶴岡市在住の県立校の高校教師は「鶴岡市では毎日のように『やまがた110ネットワーク』で市内にあちこちで目撃情報が出ている。正直クマ慣れしてしまった」と話しながらも、その慣れのなかにはこんな気づきがあったようだ。
「クマの存在が日常となっている私どもの実感として『クマは人間が食べるものや人間そのものを食いに来てる』と感じる。今年9月に鶴岡市内の『主婦の店』ってスーパーの店舗内にクマが数時間立てこもって、肉や野菜や果物を食い荒らしたんですよ。その後、民家の敷地内に立てこもったところを猟友会に射殺されたんですよね。それで思いました。クマは一刻も早く害獣指定されるべきだ、と」
そして自身が勤務する高校ではこんな対応をしていると言う。
「今年5月の朝に初めて市内でクマが目撃された当日は、当校だけでなく近所の高校も午後は生徒を帰して、なるべく保護者に迎えに来てもらうようにしましたが、最近は目撃情報があっても通常授業をしています。
ただし目撃情報が出た日は外部(そとぶ。野球部やサッカー部など)の練習は中止。私の子どもたちが通う小学校へも帰宅時はいつでも迎えに行けるような体制を整えています」
いっぽうで、山口県山口市では10月26日に小学校からわずか100mの学区内で少なくともこの4年間で初めてクマが目撃された。市内にある小学校校長は警戒体制をかなり高めている。
「実は同じ個体のクマかはわかりませんが、今月23日夕方に同市内でクマが目撃されたので、24日金曜朝は集団登校と下校時は見守り隊により子どもたちの安全を図りました。そんななか、26日に学区内で再び目撃情報が出たので、27日は外遊びも中止。
さらに1階の扉はすべて施錠しクマが屋内に侵入した際のことも考え、児童の教室移動は1階を通らず2階を通るよう動線を組み直すなど警戒しました。今週いっぱい見守り下校を続けます」
また、10月27日に小学校の校庭でクマが目撃された福島県福島市の小学校では、翌28日はオンライン授業を取り入れた。学校長は「今まさに対応に追われ忙しい」としながらもこう取材に応じてくれた。
「学校の敷地内にクマが出たことは私が知る限り初めてのことです。市や警察や猟友会と連携を取り、27日中に『28日はオンライン授業に切り替える』と全校児童に一斉メールし、28日はオンライン授業をしました。29日からは通常登校 ですが、目撃情報が出次第、変更する可能性もあります。とにかく目撃情報により瞬時に対応を練らなければならず、引き続き警戒しています」
「市街地のクマは人間が怖くないみたいに振る舞っています」
こうしたクマ出没に関する連日の報道を受け、SNSでは「コロナ禍並みの緊急事態」「学校閉鎖やリモート授業にすべき」「コロナ禍ならぬクマ禍」など、さまざま意見も飛び交っているなか、現在まさに臨時休校する小学校もある。
10月28日午前4時50分頃、秋田市千秋矢留町の民家敷地にクマ1頭がいるのを住民が目撃、この情報を受け学区内の小学校は28日当日に休校を決定した。教員は話す。
「全校児童155人の安全を守るため31日まで休校予定です。
山と川に挟まれた秋田市内の小学校に28日15時過ぎに電話取材を申し入れると「今まさに付近でクマが目撃されたため、全校児童を校内に待機させている」とのことだった。
さらに、マタギの文化が色濃く残る山形県の山間部にある小中学校が統合された学校の校長は「全校児童25名ですが、一番遠くに住む子は家から4、5km離れた所から自転車通学です。登下校中にクマを目撃した児童もいます」と話す。
「我々は幼い頃からクマと遭遇したときの対応を教わっています。目を合わせず後退りして逃げるようにと。そのように対応すれば、本来は人間が怖いはずのクマも山に帰るはずだった。でも市街地のクマはどうやら人間が怖くないみたいに振る舞っていますよね。
近年、目撃されるクマは同じツキノワグマでも知らないクマだなと思います。でも、それにしても山でも今年は目撃情報が多いです。なぜここまでクマがその姿を表すようになったか? まったくわかりません」
都内の中学校にも影響が出ている。
「あまりにクマの目撃情報が多く、長野県もクマの出没が多発するエリアですから、今年初めて全教師と引率にあたる大人は熊鈴を持って出ました。例年ではしないことですが、今年は持参しようと学校長の指導により購入しました。夜間の星空体験の際も懐中電灯で周囲を照らしながら警戒しました」
ただ長野県ではクマの生息域と人間の生活空間を分ける「ゾーニング」を10市町村で今年6月に導入した成果なのか、例年より目撃情報が減っているとの報道もある。長野県千曲市でクマと見られる動物を目撃したという小学校の校長に話を聞いた。
「10月27日、用務員さんが学校の外でクマらしきものを目撃したとの報告がありましたが、先ほどまさに市の農林課より『クマではなくイノシシだった』と報告がありました。もともと当校の全児童がランドセルに熊鈴をつけており、28日朝は集団で登校させていました。しかしイノシシでも獣に違いませんので、引き続き子どもたちの安全を第一に対応していきます」
29日早朝には山形県南陽市の小学校の校舎の窓ガラスに激突するクマも出現。校内にクマが入った様子はないようだが急きょ、臨時休校にしたようだ。クマが冬眠するまで、あと1か月ほど。クマはの動きは活発化している。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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