寝つきが悪い、眠ったのに疲れが取れない——そんな不調は“心の問題”ではなく、体が使い切れていないことが原因だ。深い睡眠を呼ぶのは、ストレス解消でもサプリでもなく「心地よい疲労感」。
堀江貴文『体力が9割 結局、動いた者が勝つ』より一部を抜粋、編集してお届けする。
「心地よい疲労感」こそ最高の睡眠薬だ
ベッドに入ってもなかなか眠れない──。日本人の成人の5人に1人が慢性的な不眠に悩んでいるという(厚生労働省「国民健康・栄養調査」より)。その原因の多くはストレスの蓄積、あるいは不適切な生活習慣らしい。
でも断言する。深刻な睡眠障害はともかく、寝つきが悪い程度の不眠なら一発で解消できる。なかなか眠れないのは体力があり余っているからだ。言い換えれば、不完全燃焼で1日を終えたからだ。簡単に眠りに落ちないのは当然だろう。
だから燃焼すればいいのだ。1日を通してエネルギーをとことん使い切る。それが安眠の鍵である。
旅行先でいつもよりぐっすり眠れた経験はないだろうか。それはどうしてだろう。ホテルのベッドの寝心地が良かった?それだけではない。もっと大きな理由がある。日中に五感をフル稼働させたからだ。
慣れない土地を歩き回って、知らない場所、知らない人、知らない料理に神経を昂らせる。そうして心身のエネルギーをひたすら消費していく。すると、宿に戻ったころには体力ゲージはほとんどゼロだ。体も脳もシャットダウンをせがんでくる。だから熟睡できるのである。
普段の日常生活でも同じだ。プレッシャーのかかる重要な仕事をやり遂げた日。
力を振り絞ったそんな1日の終わりには心地よい疲労感が訪れる。完全燃焼したのだ。その充実感はどんな睡眠薬よりも強力な作用をもたらす。
寝つきの悪い夜が続くようなら、1日の過ごし方を見直そう。野心を持って仕事に打ち込めただろうか。つねにおもしろいアイデアを模索していただろうか。動きまわってひたすら楽しめただろうか。「今日はやりきった」と大きく息をつけるなら、快眠という最高のご褒美が舞い降りるだろう。
僕は毎日、朝から晩まで仕事と遊びに駆け回っている。だからベッドに入るころにはいつもクタクタだ。
最近、ネット上で「リベンジ夜ふかし」という言葉が流行っているらしい。日中に満足感や達成感を得られなかった人が、夜更けまでショート動画やネットフリックスをだらだら眺める。そんなある種の埋め合わせ行為のことなのだという。
睡眠時間を犠牲にして憂さ晴らしをするわけだ。そんな人生は御免だ。生きながらにして死んでいるようなものだ。
毎日を惜しみなく生き切ろう。エネルギーを放電してフルチャージしよう。
最高の疲労が最高の回復をもたらす。良い眠りが良い人生を形づくるのである。
「短時間仮眠」で脳にレバレッジをかけろ
残念ながら、私たち人間の集中力は持続性に乏しい。前日たっぷり睡眠を取っていようが、体力があり余っていようが、高い集中力をキープできるのはせいぜい3時間程度だ。集中状態はそれだけ消耗が激しいのである。
だから朝のうち快調だった仕事も午後にはどうしても失速する。いくらパソコンを睨んだところで空回りだ。指が止まる。思考が鈍る。捗らない。疲労感ばかり募っていく。
あなたもそんな歯がゆい思いは何度も経験済みだろう。
脳が疲弊した状態で砂糖やカフェインを摂ってもパフォーマンスの改善は期待できない。科学的にそう立証されている。コーヒー片手に無理やりパソコンにかじりついてもろくな成果は出ないのだ。
では、集中力が尽きたらお手上げなのか。打つ手なしか。そんなことはない。とっておきの方法がひとつある。「パワーナップ」だ。
パワーナップとは20分程度の短時間仮眠のことである。ようするに昼寝だ。たかが昼寝と侮ってはいけない。たかが昼寝で脳のパフォーマンスは劇的な回復を遂げるのだ。
パワーナップの効果はさまざまな研究で証明されている。たとえばNASA(アメリカ航空宇宙局)の実証実験によれば、平均約15分の昼寝を取った被験者グループは、そうでない被験者グループに比べて認知能力が34%、注意力が54%も向上したという。
パワーナップにより作業効率は大きく改善される。集中力が尽きて悪あがきする暇があるなら、さっさと仮眠を取ろう。
睡眠には、レム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)という2つの状態がある。人間は入眠して20分ほど経つと軽度のノンレム睡眠に至る。ノンレム睡眠では脳に蓄積されたさまざまな情報の整理がなされ、余計な情報は取り除かれる。つまり疲労の元凶が消去されるわけだ。
スマホやパソコンを再起動すると、キャッシュメモリが除去され、動きが一気に軽くなる。それと一緒だ。パワーナップによって脳は本来のパフォーマンスを取り戻すのである。
20分の時間投資で、その後の生産性を爆増させる
集中力が高まるだけではない。脳がリセットされれば、メタ認知もとうぜん向上する。午前中ずっと頭を悩ませていた問題。苦戦中だった企画の練り込み。それらを解決するアイデアが仮眠から覚めたとき不意に閃ひらめくことも珍しくない。
Apple、Google、Microsoftをはじめとする世界的企業ではオフィスのいたる場所に仮眠スペースが設けられている。パワーナップの有効性を物語る光景だろう。最近は日本でも従業員にパワーナップを推奨する企業が増えている。
パワーナップには文字どおり、目覚ましい力がある。やらない手はない。
在宅勤務なら、ベッドやソファに横になり、アラームをセットして眠るだけだ。オフィス勤務で仮眠スペースがないなら、昼休み中に空いている会議室を使う。もちろん自分のデスクに突っ伏して眠るのもありだ。
周囲が気になるなら自分の車のなかでリクライニングシートを倒すのもいいだろう。カラオケボックスや、マッサージチェアが置かれたネットカフェを利用する手もある。
ただし、寝すぎはNGである。仮眠は長くても30分だ。それを超えたら本格的なノンレム睡眠に突入する。そうなると起きるのがつらくなるだけではなく、いわゆる睡眠慣性に陥ってしまう。目覚めても頭が重く、ボーッとした状態が続いてしまうのだ。それでは完全に逆効果である。
必ずタイマーをセットし、20分程度の仮眠で終わらせる。その点だけは厳守だ。「昼間に寝るなんて怠けだ」「寝ている時間がもったいない」そんなくだらない考えは捨てよう。パワーナップは午後のパフォーマンスを最大化するための戦略的な休息なのだ。所用時間はわずか20~30分。昼寝は夜の睡眠の3倍の効果があるとさえ言われる。強力なレバレッジである。
即効性があって、時間もお金もかからない。パワーナップは完璧なエナジーチャージだろう。
文/堀江貴文 写真/shutterstock
体力が9割 結局、動いた者が勝つ
堀江貴文
仕事もプライベートも、成功は「体力」で決まる!
ホリエ式・勝者のコンディショニング術!
「僕は体調管理に徹底的にこだわってきた。奮闘するすべての人にこの本を捧げたい」(堀江貴文)
体力に自信がない人には、それを補い、賢く戦うための戦略を。
体力に恵まれた人には、そのアドバンテージを最大化し、突き抜けるための手段を。
――体力は拡張できるのだ。
ホリエモンが培ってきた、最強のフィジカル&メンタルハック。
人生を変える40のレクチャー!
■行動が「人生の勝ち筋」をもたらす
■「やる気」不要。「仕組み化」必須
■体力がない人は「体力の浪費」を見直せ
■体力がある人は自分を過信するな
■体力を節約し、「可処分体力」を増やせ
■「運動=つらい」の呪いを解け
■「すきま時間運動」&「ながら運動」の威力
■「完璧主義の罠」にハマるな
■「心の不調」は体調の問題だ
■「陰謀論」は体調不良につけ込む
■多動力とは、すなわち「他動力」だ
■睡眠時間は死守しろ
■「短時間仮眠」で脳にレバレッジをかけろ
■成功者の朝が早い理由
etc.
気合いや根性は邪魔だ。必要なのは合理性である。
目次
第1章 「体力」こそ正義
――なぜ体力がすべてを決めるのか
第2章 「行動力」のつくり方
――「量」を制する者が「質」を制する
第3章 「やる気」のつくり方
――モチベーションはあとから湧いてくる
第4章 「体力回復」の大鉄則
――食事&睡眠に命をかけろ
第5章 「体力」のつくり方
――日常のひと工夫であなたは激変する
第6章 「他動力」のつくり方
――お金とテクノロジーに働かせよう
第7章 人生の賞味期限は短い
――「体力」という最強の資産を築け

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