「金持ちになりたい」はもはやダサい? 貯金の呪縛から逃れて、欲しいものはすべて買えとホリエモンが断言する理由
「金持ちになりたい」はもはやダサい? 貯金の呪縛から逃れて、欲しいものはすべて買えとホリエモンが断言する理由

「お金持ちになりたい」という人ほど「お金持ちになってどうするの?」「お金をたくさん持って、何をしたいの?」かが明確でない場合が多い、と堀江貴文氏は言う。お金持ちを目指すよりも、お金の不安から解消される思考があるともいうが……。

著書『あり金は全部使え』(マガジンハウス新書)より一部抜粋・再構成してお届けする。

欲しいモノはすぐに買え

僕は世間にどう思われようと、まったく気にしない。いまだにカネの亡者のイメージを持っている人も少なくないが、誤解を解くために丁寧に説明するのも、もう面倒臭い。誤解したい人は、どうぞ勝手に誤解していてくださいと思う。

そのままのイメージを持ってインタビューに来られると、非常に不愉快だ。「世の中に金で買えないものなんてない」と、僕が述べたという前提で質問に来る。あれはホリエモン語録でもなんでもない。
過去に「金で買えないものはない」なんて、ひと言も言ってないのだ。朝日新聞が、球団買収騒動の頃に、記事のタイトルに勝手につけたフレーズだ。朝日は僕に対して批判的で、世間の側を反発させたかったのだろう。まんまとそのやり口は成功してしまったようで、本当にいい迷惑だ。
誤解されるのはしょうがないが、あんなことは言ってないぞ! というのは、しつこく主張していこうと思う。

「金で買えないものはない」は、僕の考えではない。

 しかし「金で買える、欲しいものは全部買え!」とは、思っている。多くの人が買い物を我慢しているのは、貯金の呪縛によるものだ。
消費することで財布の中身は減り、貯金が削られる。持ち金が減ることの恐怖心は、現代人には強大だ。買い物での無駄な出費は、できるだけ避けたい一般的な「損」のひとつなのだろう。もちろん貯金が10万円しかないのに、100万円の車を買おうとしたりするのは、バカげている。分不相応な買い物は、身を滅ぼすだけだ。

しかし、持ち金は足りているのに、「これから何かもっと大事なことで出費するかもしれない」「貯金はなるべく崩したくない」という気持ちから、買い物にブレーキをかけることに対しては、バカじゃないの? と僕は思う。

モノが欲しいというのは、その人にとって有益な情報が、モノに付与されていることの表れなのだ。
便利だったり、快適さを高めてくれたり、新しい出会いを引き寄せてたり、何らかポジティブな効用のある情報を手に入れるチャンスの出現である。みすみす見送ってしまうのは、賢明ではない。
貯金を丸ごと使いきれとは言わないが、些細なブレーキで、欲しいモノを我慢してはいけない。

モノを買ってしまったほうが時間を活かせる

特に最新のガジェットなどは、欲しい! と思ったら、すぐ買うべきだ。できる経営者や投資家は、みんな持ち物は少ないけれど、デジタル製品など新しいガジェットは、誰よりも早く入手している。情報感度の高い人間には、上質の情報と人脈が集まるようになるのだ。
欲しいモノは、欲しいときに買ってしまおう。優れた情報、または体験を得るチャンスを逃してはいけない。

情報は、狩りにいくものだ。
狩猟者の意識でインプットを行い、頭のなかで料理して、アウトプットにつなげる。そうしなければ情勢の変化の激しい現代を、生き抜くのは難しい。貯金の洗脳に縛られず、欲しいモノには惜しまず出費しよう。

情報を狩る手段として、講演会やセミナーに行くことを挙げる人もいる。行きたいのなら別にいいけれど、貴重なお金と時間を費やす前に、本当に意味がある場なのか? と、まずは考え直してほしい。講演会やセミナーで手に入る情報は、メインの講演者の著作やブログで語られているものと、ほとんど同じ場合が多い。わざわざ聞きに行くほどの価値があるだろうか。

情熱的な語り手と同じ場所にいるライブ感の高揚は、たしかに心地いい。だが、情報収集という観点からは、必ずしも効率の良い方法だとは言えないと思う。その講演者の著作を買って、読んだ方が早いことも考えられる。案外、モノを買ってしまった方が時間を活かせる場合もあるのだ。

金持ちを目指すな

そう言うと、じゃあなぜホリエモンはビジネスで儲けているんだ? と聞かれたりするが、もうため息が出る……。ビジネスで利益をあげるのと、お金持ちを目指していないのとは、まったく違う次元の話だ。詳しく論じると本を1冊以上書けてしまうので、省略する。

お金持ちになりたいという人は、なればいい。お金持ちになれる方法なら、たくさんある。僕の配信しているメルマガや書籍などで、効率よく稼げる新しい事業を無数に挙げているので、好きなだけ参考にしてほしい。親切に公表しているのに、いまだに「お金持ちになりたいけど、どうしたらいいですか?」と、しょっちゅう聞かれる。心の底からうんざりしているのだが、多くの人には「健康になりたいけど、どうしたらいいですか?」ぐらいの、反射的で無思考な質問なのだろう。

そんな人たちに僕は一貫して、問い返している。


お金持ちになってどうするの? お金をたくさん持って、何をしたいの?
きちんと答えられた人は、滅多にいない。そもそも正しく答えられる人は、お金持ちになりたいなんて、思わないのだろう。

お金持ちになりたい欲は不安の裏返し

10代ぐらいの頃は、僕も人並みに「欲しいものがあるのに、いまの貯金じゃ足りないなぁ」と思っていた。だからといって、別にお金持ちになりたいとは考えなかった。欲しいものが手持ちのお金では買えない。それは制限要因の理屈であって、お金持ちになりたい! という意欲とは、切り離されているものだ。

自分は物欲が人よりも薄いと気づいたのは、大学に入ってからだ。先輩からは、「堀江は本当に人の心を持っていないな。シヴァ神みたいだ」と言われた。褒め言葉なのかどうか微妙だったけれど、僕の物欲無さは、一般的な若者としては異質だったのだろう。
 
20代の初めにはすでに、お金欲しい! の呪縛から完全に解放されていた。お金にマインドシェアを奪われず、やりたいことを全力投球でやりきる人生を他の人より早くスタートできたので、幸運ではあったと思う。

金持ちを目指すというスタンスは、いま主流になりつつある評価経済社会では、ひどく損をする。


別に金持ちを目指す生き方を全否定しようとまでは思わないけれど、そんなヤツはモテない。
どんなビジネスを手がけようと、どんな発信をしようと、モテない。稼ぎの総量は、限定的だ。
お金持ちなんて目指さず、「あいつと一緒にいたら何だか面白い!」と言われる、行動的な人生を選んでほしい。結果的に、お金にとらわれない、マネーフリーな人生を過ごせるようになるだろう。

お金持ちになりたい欲は、不安の裏返しだ。
豊富な資産が、もしものときや、働けなくなったときの不安を、解消してくれると信じている。仲間や恋人に恵まれるためには、お金持ちになるのが早道だと思いこんでいる。ある意味では間違いではない。お金は、多少のトラブルや不安を解消してくれる役割も果たしてくれる。
だがそこに、何に使うか? 何をしたいのか? という、本質的な問いが欠けていたら、いつまでも不安は消えない。何億円貯金しても、不安に怯えているはずだ。



やりたいことに、真剣にハマッていれば、お金の不安は消えるものだ。ハマりきれない自分の中途半端さを、お金持ちになるためという言い訳でごまかしてはいけない。不安を消せるのは、思考の密度だ。貯金通帳の残高の多さではない。

『あり金は全部使え』(マガジンハウス新書)

堀江貴文
「金持ちになりたい」はもはやダサい? 貯金の呪縛から逃れて、欲しいものはすべて買えとホリエモンが断言する理由
『あり金は全部使え』(マガジンハウス新書)
2025年11月27日1,210円(税込)288ページISBN: 978-4838775323お金は貯めずに使い切れ――
人生の価値を“最大化”する究極のルール
本書では堀江貴文さんの生き方を象徴している、
「あり金は全部使え」という考え方をまとめています。
「貯金があれば人生は安心」という思い込みを一変させてくれる「お金の本質」が詰まった一冊です。
【本書のトピック】
Phase1 マインドセット 安定志向はゴミ箱に捨てろ!
Phase2 投資思考 貯金に逃げるな
Phase3 未来予測 仮説を立てすぐに動け
Phase4 行動革命 欲望のままに遊び倒せ
Phase5 時間革命 金で買える時間はすべて買え
Phase6 習慣革命 チンケな節約をやめろ
Phase7 信用構築 財産を信用に変えろ
Phase8 終わりなき拡大 ゴールを設定するな
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