〈高市政権に気の緩み?〉片山さつき大臣の政治資金パーティ報道はお咎めなし、麻生副総裁の落選した“おともだち”が側近に…定数削減も「できるわけがない」
〈高市政権に気の緩み?〉片山さつき大臣の政治資金パーティ報道はお咎めなし、麻生副総裁の落選した“おともだち”が側近に…定数削減も「できるわけがない」

報道各社の11月の世論調査で、高市早苗内閣の支持率は60~70%と高水準を維持している。だが、その足許は盤石とはいえない。

連立パートナーの日本維新の会とともに臨時国会中の成立を目指す「衆院定数削減法案」を巡り、自民党内からは「会期末までにできるわけがない」との声が出ている。さらには、政治資金パーティの開催が発覚した片山さつき財務・金融相(66)や、“おともだち”を重用する麻生太郎副総裁(85)をはじめ、気の緩みが目立つ面々も――。

“お騒がせ”な片山大臣に文春&赤旗砲

「大臣に就任する前から予定していたもので、大臣規範には抵触しないものと考えている」

12月4日の財政・金融委員会でこう釈明したのは、片山さつき財務・金融担当相(66)である。12月1日に東京港区のホテルで開催された片山氏の政治資金パーティについて、「しんぶん赤旗」と「週刊文春」が相次いで報道。この日の国会でも追及されたのだった。

「大臣規範は、閣僚在任中に、国民の疑念を招きかねない大規模パーティを開催することを自粛するように求めています。ただ、あくまでも“規範”であることや、“大規模”の定義が曖昧な面もあり、歴代政権において形骸化してしまっている面もあります」(全国紙政治部記者)

大蔵官僚出身で、「財務省を知り尽くす」とも言われる片山氏。財務相就任以前から「私に任せてもらえれば、ガソリンの暫定税率廃止や、年収103万円の壁問題を解決するために、必要な財源を財務省に作らせる」と周囲に語っていた。

「高市内閣で、閣議決定された2025年度補正予算案での一般会計の歳出はコロナ禍以降で最大となる18兆3034億円に。ガソリンと軽油の暫定税率廃止のための財源や、お米券や電子マネーなどの物価高対策に使われる重点支援交付金の大幅な積み増しを含んだ内容でした。

“責任ある積極財政”を掲げる高市総理のこだわりが出た内容でしたが、片山氏の“豪腕ぶり”も貢献したのではないか。そんな片山氏には、参院外交防衛委員会の委員長時代に2度遅刻するなど、何かと“お騒がせ”な面もある。今回の政治資金パーティの件をはじめ、危機管理は徹底する必要があるでしょう」(同前)

副総裁特別補佐に麻生氏の“おともだち”が…

とはいえ、そんな政権の“気の緩み”を感じさせるのは、片山氏だけではない。とある“おともだち人事”が、党内のひんしゅくを買っている。

「高市総裁の発足後、自民党副総裁特別補佐に就任した松本純元衆院議員(75)の件です。松本氏といえば、コロナ禍で緊急事態宣言が出されていた2021年に、東京・銀座のクラブを同僚議員2人と訪れていたことが発覚し、“銀座三兄弟”と揶揄されました」(自民党関係者)

コロナ禍中の銀座のクラブ通いにより、自民党を離党した松本氏は2021年の衆院選で落選。その後、自民党に復党して臨んだ24年の衆院選でも落選した。

「松本氏はその後、25年の春の叙勲で、旭日大綬章を受けています。少なくとも最近の永田町の常識では、叙勲は政界を引退してから受けるもの。実際、内閣府賞勲局が叙勲の授与に際して、政界引退していることを確認するケースもあると聞きます」(自民党関係者)

そんな政界を退いたはずの松本氏が、なぜ副総裁特別補佐なる要職に就任するに至ったのか。

「総裁選で高市総理を支援し、政権の立役者となった麻生太郎副総裁(85)の意向です。松本氏は、かつて麻生派で事務局長を務めるなど、麻生氏の側近中の側近。過去に不祥事を起こした上、叙勲までもらった人がその後、党の役職に改めて就くなんて異例中の異例です。さすがに“おともだち人事”が過ぎると、党内でもひんしゅくを買っています」(同前)

「衆院定数削減などできるわけがない」

さらに、高市政権の不安材料になっているのが、自民・維新の両党が成立を目指す衆院定数削減法案だ。衆院議員定数の1割を目標とした上で、削減の具体的な内容については、与野党参加の協議会で検討するという内容だ。ただし、1年以内に結論が出なければ、「小選挙区25、比例20」を自動的に削減する規定も盛り込む方針だ。

 

ただ、野党からはその妥当性に、異論が相次いでいる。野党が多数を握る参院で審議が長引く可能性もあり、臨時国会の会期末が12月17日に迫る中、先行きは極めて不透明だ。

自民党のベテラン議員も、筆者の取材にこう語る。

「できるわけがない。総理側近の木原稔官房長官(56)も周囲に、『維新とやると約束した以上、法案は出す。でも、一生懸命やって、通らなかったら仕方ない』と言っています。参院側も『できるわけがない』とのスタンスです。維新はどうにか通そうと、参政党を巻き込もうとしている。ただ、参政党側はその代わり公設秘書の数を増やすことを要求しているそうです。これを維新が呑めるわけがない」

その上で、「衆院定数削減法案のなり行き次第では、維新との連立見直しも一案になってくる」と続ける。

「公費還流疑惑をはじめ、維新は不祥事が続いている。衆院定数削減法案で無理を言ってくるようなら、連立を解消するという選択肢も出てくる。

その上で、高市総理が『維新さんもいろいろ言っている。やはり自民党で絶対安定多数がなければ、政権運営は困難だ。高市政権を継続するべきかどうか信を問いたい』と、衆院解散に打って出れば今の高支持率なら勝てる。支持率は今後、下がっても上がることはない。過半数に届かなければ、衆院選後に国民民主党と連立を組み直すやり方もある」(同前)

閣僚のさらなる“気の緩み”が露呈する前に、高市総理は手を打つのか。それとも――。

取材・文/河野嘉誠 集英社オンライン編集部ニュース班

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