「お金は大事ですよ!」不倫、モラハラ、DV…バツ3元プロスキーボーダーの50歳女性が明かす“再婚よりも大切なもの”
「お金は大事ですよ!」不倫、モラハラ、DV…バツ3元プロスキーボーダーの50歳女性が明かす“再婚よりも大切なもの”

流産、不倫、DV―。27歳から45歳までの間に3度の結婚と離婚を経験し、数々の“結婚の修羅場”を乗り越えてきた内田智子さん。

元プロスキーボーダーで、のちにアナウンサーとしても活躍した彼女は、現在50歳。

 

その波乱の人生を糧に、夫婦・親子関係に悩む人たちのカウンセラーとして新たな道を歩み始めている。中学生の息子と暮らす今、どんな気持ちで日々を過ごし、これから何を目指しているのか、話を聞いた。(前後編の後編)

前編はこちら

バッドでテレビをバキバキに…夫が“荒れ狂う”日々

43歳で3回目の結婚を果たした内田さんだったが、結婚生活をスタートさせてまもなく、優しいはずの夫に“裏の顔”が見え始めた。

「彼、妙なこだわりがあって…。ある日、彼の本を紐で束ねたのが気に食わなかったらしく、バットを振り回して45インチのテレビをバキバキに割られたんです」

その後も、帰宅すると家じゅうに割れたガラスが散乱していたり、壁やトイレのドアに穴があけられていたりと、年に数回は“荒れ狂う日”があった。あるときは口論の末、刃物を持ち出されるなど、警察沙汰になったことも。

「まともに話し合えないし、物にあたるのが怖すぎて…」

結婚生活は1年経たずに破綻。別居と調停を経て、45歳で3回目の離婚となった。

3度の結婚・離婚を経て「結婚願望はない!」

1回目は流産をきっかけとした心のダメージ、2回目は夫の不倫、3回目はモラハラとDV―。27歳から45歳までに3度の結婚と離婚を経験した内田智子さん(50)。現在は中学生の息子とともに、落ち着いた日々を過ごしている。

本連載『多婚さんいらっしゃい!』では、バツ3以上の取材対象者は“次の恋へ一直線”というケースが多いのだが、内田さんにその気はあるのか尋ねてみると、

「今は特に結婚願望はないです!」

と即答。理由を聞けば、さらに潔い。

「楽!とにかく今が一番、楽なんです!」

洗濯物は減り、ご飯は自分と息子のタイミングに合わせればOK。自由度が増えたことでストレスが軽減し、「これ以上の快適さがある?」というほど今の暮らしを満喫しているという。

「ずっと望んでいた『子どもを育てる』という願いは叶いましたし、もう一度ゼロからパートナーと関係性を積み上げるほどの原動力は、今の私にはないですね。今は息子と仕事を最優先に、楽しく過ごしていきたいです」(内田さん、以下同)

3回目の結婚をした43歳のときにアナウンサーとして独立した内田さんだったが、直後のコロナ禍で仕事は激減。新聞配達のアルバイトをしながら生活をつないだこともあった。3回目の離婚を経て、「この波乱万丈な結婚経験を“肥やし”に変えよう」と民間資格を取得し、現在はJoy Creators Managementに所属し、夫婦・親子関係のカウンセラーとしても活動中だ。

「3回離婚しても、こんなに前向きに楽しく生きられるんですよ!」

と、明るく笑い飛ばしていた姿が印象的だった。

もし“4回目”があるとしたら、大事にしたい価値観は…

もし4回目があるとしたら、どんなお相手がいいか。率直に聞いてみると、

「下世話な話だけど…お金は大事ですよ!」

とこれまた歯切れよく答えてくれた。

「結果的に、私の元夫たちは全員ちゃんと稼いでいたので、離婚後の養育費もしっかり払ってくれています。私は離婚時、きっちり外堀を埋めて、公正証書も作ったし、もしものときに息子にお金が入るように生命保険まで押さえましたから」

結婚生活で学んだ“リアルな知恵”も隠さず教えてくれた内田さん。一方、多くの女性が迷う“子どものために離婚しないほうがいいのか?”という問題についても、はっきりと断言する。

「両親が不仲のまま一緒にいることが、果たして本当に子どものためになるのか。私はそこを本気で考えたほうがいいと思います。“結婚したから別れない”はマストではない。経済面は、覚悟さえあれば、意外となんとかなります」

最後に結婚や離婚、また夫婦関係に悩む読者にこんなメッセージをいただいた。

「経験にマイナスなんてないと思うんです。プラスにするのもマイナスにするのも自分次第。この出来事があったから今の私がいる―そう思えたら、離婚は“バツ”じゃありません。もし結婚したくなったら、そのときがあなたのベストな適齢期。

もっと肩の力を抜いて、“経験値ひとつ増やすか~”くらいの感覚でいいと思います。正直、結婚してみないとわからないことってたくさんあります。だから、怖がる必要もないんですよ」

失敗も後悔も、すべては次の自分をつくる材料にすぎない―内田さんの生き方がそう教えてくれる。

取材・文/木下未希 集英社オンライン編集部特集班

※「集英社オンライン」では、本連載『多婚さんいらっしゃい!』の取材対象者を募集しています。

取材に応じていただけるバツ3以上の離婚歴のある方やお知り合いがいる場合、下記のメールアドレスかX(旧Twitter)までご連絡ください。(※お送りいただいた個人情報は本企画遂行のために使用し、プライバシー保護を厳守します)

メールアドレス:shueisha.online@gmail.com
X(旧Twitter):@shueisha_online

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