坂本一生「僕、基本的に脳みそ筋肉だから(笑)」裏切り、負債、誹謗中傷、15回の転職、モテ伝説…すべて聞いた
坂本一生「僕、基本的に脳みそ筋肉だから(笑)」裏切り、負債、誹謗中傷、15回の転職、モテ伝説…すべて聞いた

“新加勢大周”騒動の渦中にいた俳優・坂本一生は、その後も幾度となく人生の岐路に立たされてきた。便利屋、鳶職、ラーメン店経営…転職を重ねるたびにトラブルに巻き込まれ、ときには自死を考えるほど追い詰められたことも。

それでも彼は立ち止まらず、鍛え上げたムキムキの身体とともに、ようやく“天職”と呼べる場所にたどり着いた。なぜ彼の心は折れなかったのか。(前後編の後編)

牛骨ラーメンでだまされ数千万円の負債

1993年、“新加勢大周”としてデビューした坂本一生。だが、本人の意思とは無関係に与えられた名前に連日の大バッシング。その後、突然の改名。芸能界の光と影を一身に浴びた末、彼は表舞台から姿を消し、やがて路上生活にまで追い込まれていたという。

――便利屋を辞めた後は、どのようなお仕事をされていましたか?

坂本一生(以下、同) その他にもいろんな仕事をしたんだけど、これまたトラブル続きで…。鳶職で一人親方になった時には、足場を組んでいる途中、家と足場の隙間にスポッと落っこちちゃって。まるでアニメで頭をぶつけたときみたいに、目の前に星がピカピカ出ている感覚だった。

その日は普通に仕事したんだけど、次の日の朝にファストフード店でハンバーガーを食べようとしたら、ものすごい激痛が走ってね。仕事終わりに病院でレントゲンを撮ってもらったら、「顎の骨が折れてます!」と、全身麻酔で緊急手術になって。

だけど、体がでかいからか、なかなか麻酔がきかなくてね。2カ月入院したんだけど、1カ月は流動食で過ごしたからちょっと痩せちゃったね。

今でも頬にその傷が残ってるよ。

――その後の2017年に経営されていた牛骨ラーメンの店では、坂本さん自らが腕をふるっていたとの記事もありましたが…。

アレもね、結局だまされちゃって。僕が抜けた後にラーメン屋に負債ができたらしいんだけど、もう関係ないのに数千万円の負債がこっちに来ちゃったりね。会社の登記簿からも名前が抜けていたのに、「坂本一生が経営するラーメン屋が従業員に給与を未払いしている!」なんてありもしないことを記事をされたり。

それとは別の話だけど、お世話になってる社長に呼ばれてイベントに行ったら、それがネズミ講、いわゆるネットワークビジネスで。「あの坂本一生も来る!」って、勝手にその会社の広告塔にされそうになったこともあったり。有名人とか、利用できるものは骨の髄までしゃぶろう!という輩が多かったんだよね。

――坂本さんは人に騙されたり裏切られたりした経験が多いようですが、そうしたとき、どのように気持ちを立て直してきたのでしょうか。

僕、基本的に脳みそも筋肉だから(笑)。いや、メンタルが強いんじゃないかな。若い時はイエスマンで自分の意見がなかったし。

今のような感覚でいたら、もう少しうまく立ち回れたんじゃないかなと思ってます。

――やはり、芸能界でのバッシングや仕事上のトラブルで、メンタルが鍛えられたのでしょうか。

それでも、辛くなって自死を考えたこともあったね。20代の頃かな、全てが嫌になって、もう富士の樹海で死のう、と思って。心がズタズタのまま車を走らせたんだけど、山で道に迷っちゃった。もうアホらしくなって、朝方通りかかった車に乗ってたカップルに、「おーい!助けてくれー!」って呼びかけて救ってもらったことがあった。

そんなことを乗り越えたから、今は何を言われても動じなくなったのかもしれない。人間だから、ファンもいればアンチもいる。悪口を言われても、逆に注目されてる、まだ覚えててくれているんだ、って。「誰この人?」と言われるよりは、悪口でもコメントしてくれる方がありがたいよね。

大御所芸人の彼女をお持ち帰り

――そうは言っても、誹謗中傷はひどかったですよね。

僕、身に覚えのないことでバッシングされることが多いんだよね。

2009年に離婚していたことをブログで報告したんだけど、それを意図的に切り抜かれて、坂本一生は好きな人ができたから妻子を捨てた、みたいにニュアンスを変えてネット記事にされた時は、コメント欄に「この悪魔!」とたくさん悪口を書かれたり。

それに便乗して、「私、昔この人に遊ばれました!」って、僕とのツーショットの写真をSNSに晒す女性も現れたりして。昔は僕も遊んでたから、「こんな奴いたっけ?覚えてねーよ!」って思ったけどね(笑)。

――坂本さんのモテエピソードは、先月出演されたバラエティ番組でも明かされていましたね。

番組の中で、大御所芸人の彼女をお持ち帰りしたエピソードを話したら、それがネットニュースに拡散されちゃって。それが誰なのかはまだバレてないと思うけど、「あの人と兄弟なの⁉」っていうのは芸能界ではたくさんありましたよ(笑)。

当時は女性と関係を持ったら、「私、坂本一生とヤッたんだ!」って自慢げに言いふらされたりもしたな。そりゃ、お持ち帰りした自分も悪いけど、ペラペラしゃべる女性も、どうなのかなと思いますね。

あの頃は、芸能人をクラブに連れ回したい社長がたくさんいたから、毎晩いろんな女性との出会いがあったんだよね。

――そんなモテ期やさまざまな職業の経験を経て、現在は千葉県八千代台にある『SISパーソナルトレーニングジム』のオーナー兼トレーナーとして活動されているそうですね。

ジムを作ったきっかけは、自分で何かをやりたい!と思ったことだね。芸能界デビューして、筋肉タレントとしてやってきたのに、なぜ今までパーソナルトレーナーをやらなかったんだろう?って。

ホストや便利屋に探偵と、ずいぶん遠回りしてしまいました。

コロナ禍やらでいろいろ大変なこともあったけど、ジムをオープンして今年で8年目。これだけ長く続いた仕事はこれが初めてかな。やっぱり、好きなことを仕事にするのは楽しくていいね。

――芸能人の知り合いも多くいらっしゃる都内ではなく、千葉でジムをオープンされたのは、何か理由がおありだったのでしょうか。

本当は都内に出す話もあって、最初は銀座でと考えていたんだけど、初期費用だけで数千万円かかると言われてやめたんだよね。

だって、都内だと20坪程度で家賃は100万円以上。そうしたらその分、料金も上げなきゃいけないから、お客さんの負担も増えるしね。

儲けたいなら東京でひと勝負しないとって気持ちにはなるけど、今やパーソナルトレーニングはワンルームがあればできちゃうし、都内も値崩れもしてきているしね。ウチも最初は1時間 15000円に設定していたけど、近くに格安のジムが増えたから、今は半額の7700円でやってます。

男性人気は今も健在

――これまで経験した職業ではさまざまなトラブルに見舞われがちでしたが、ジムでは特に困ったことなどはなく、お仕事は楽しいですか。

唯一困ったことと言ったら、昔からゲイの男性ファンが多いから、そういう方がただ僕と話したいからってだけの理由で、ジムに通う気もないのにしつこく電話をかけてくることかな。

「ホームページを見たんだけど、ジムの住所を教えてください」って言われて、「いや、ホームページに住所と電話番号を載せてるんだけど、それならあなたはどうやってこの番号にかけてきたのよ?」って問いただしたら、「あ!ホームページなんてあるんですね?」なんてすっとぼけてきたりね。

――今でもそんなガチ恋ファンの男性がいるんですね!

一部、変なファンもいるから困ったものです(笑)。五万円払うから、一緒にホテルに行って写真を撮らせてください、とかはまだマシな方で、「僕のモノ、どうですか?感想を聞かせてほしいです」って、公式ホームページに自分の男性器の写真を送りつけてくる奴もいたりね。

――いわゆる、「チン凸」ですね。女性アイドルにはよくあると聞きますが、まさか坂本さんも被害に遭われていたとは…。

男性に憧れてもらえるのは嬉しいけど、節度を守ってほしいよね。よく、周りからは「こんなに鍛えてどうするの?」と言われることもあるけど、身体を鍛えていると人助けができるんだよね。例えば、道で車がドブにはまって困ってる人がいたら、タイヤを持ち上げて助けたりもしたしね。

今も、天井にシルベスタ・スタローンの写真を貼って「こんな身体になれば、もっとたくさんの人を助けられる!」と思いながら身体を鍛えています。

――人助けのために、今もお身体を鍛えていらっしゃるとは素晴らしいですね。そんな坂本さんに、今後の夢をお聞かせいただきたいです。

高齢社会だから、これからは高齢者の方に向けたトレーニングもやっていきたいかな。フィットネスに通ってるおばあちゃんに多いんだけど、ちょっとトレーニングしたら仲間とおしゃべりして、疲れたー、なんて言ってお風呂に入って満足して帰っちゃう。

それだとなんの意味もないから、それならパーソナルで短期集中で鍛えた方がいい。パーソナルの値段は高いけど、一人でトレーニングを続けることは大変だから、その分心も身体も変わるからね。身体を鍛えたい方はぜひ、ウチのジムに来てほしいですね。                 

                   ※

「写真を撮るなら、このベンチプレスを持ち上げましょうか?」

取材が終わると、坂本さんは鍛え抜かれたその肉体を惜しげもなく披露し、カメラの前でトレーニングを始めた坂本さん。15回もの転職を経験し、ようやくたどり着いた“天職”。カメラ越しに映る坂本さんの表情は、これまでの波乱を感じさせないほど晴れやかだった。

取材・文/佐藤ちひろ 

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