〈赤坂・超高級サウナ2人死亡〉「非常ボタンを押した形跡もあった」外れたドアノブ…タレントが広告塔、月額39万コースも「シェフがつくる食事も飲み物も全て無料でした」
〈赤坂・超高級サウナ2人死亡〉「非常ボタンを押した形跡もあった」外れたドアノブ…タレントが広告塔、月額39万コースも「シェフがつくる食事も飲み物も全て無料でした」

東京・赤坂の個室サウナ店で15日、客の男女2人が死亡する火災が発生した。亡くなった男女2人は夫婦で、意図せずサウナ室に閉じ込められた可能性があると、その後の調べで判明した。

119番通報を受け、消防が駆けつけるとドアの取手が内側と外側のいずれも取れており、ドアの開閉が自由にできない状況だったという。事故が起きたサウナ店は、月額39万円コースもある超高級サウナだった。

緊急ボタンを押した跡があり反応しなかった

警視庁などによると、火災が起きたサウナ店はプライベートサウナを提供する「サウナタイガー」で、5階建てのうち3階の個室サウナで火事があった。15日午後0時25分ごろ、「非常ベルが鳴っている」と119番通報があった。

駆けつけた消防が個室サウナの入り口付近で男女2人が倒れているのを発見した。二人は夫婦で女性が下になり、男性が覆い被さるように重なっていたという。

「サウナ室は2畳半の広さ。サウナ室には鍵がついていないものの、消防が駆けつけたときには、ドアは閉まっていました。ドアを開けるための木製の取手が内側と外側のいずれも外れていたのです。

外側の取手が外れており、内側からは絶対に取手が回転しない状態だったので、亡くなった男女2人はサウナ室に閉じ込められた可能性が高いです。また、緊急ボタンを押した形跡がありましたが、反応しなかったとされています」(社会部記者)

 火災が起きたサウナタイガーは「大人の隠れ家」「完全個室プライベートサウナ」と謳っており、料金は月に最大で39万円のプランがある高級店となる。2022年8月にオープンし、当時のPR記事によれば、“ちょいわるオヤジ”でお馴染みの有名タレントが監修したとされている。

同店を利用したことがあるという30代の経営者は、その高級店ぶりをこう解説する。

「サウナ室の温度は100℃前後と高く、水風呂も17℃前後で氷を入れて温度調整ができました。熱されたサウナストーンの上にアロマ水をかけるロウリュの種類も5種類と豊富で、満足できる施設でした。ヘアケアやスキンケアはオーガニック製品にこだわっていた印象です。

利用料金のなかには飲食代も含まれており、1階のラウンジで国産ウイスキーや有機栽培のバナナスムージーなどがすべて飲み放題。ハンバーガーや生姜焼き定食などの料理も食べ放題でした。店側のイチオシはカルボナーラで、名古屋の有名なシェフがソースの監修をしているそうです」

サウナタイガーはイケイケの印象

サウナタイガーはSNSでの宣伝に力を入れていたという。

「サウナタイガーのInstagramには、スタイル抜群の水着美女がタグづけされており、宣伝に力を入れていたといわれています。また、男女で入れることから、一部の利用者は個室サウナをデートなどの“別目的”で利用することもあると聞いています」(同前・男性経営者)

SNSのフォロワーが20万人を超える女性タレントは火災事故の驚きを隠せない様子だ。

「2022年にオープンしてすぐ、港区住民の間で話題になった頃に行きました。女友達の彼氏が会員だったのもあって、私と彼氏、計4人のダブルデートでした。

それにしてもドアノブが開かないとか怖すぎます。どんなドアだったかもう覚えていないけど…。

個室スペースは縦長で、奥に椅子などでゆっくり休憩できるスペースがあって、手前に小さめのサウナがある感じ。4人で入るにはギリギリだから、2人ずつ入れ替わりで入りました。

高級感とはあまり感じなかったけど、ここの特徴はご飯が全部美味しかったこと。サウナ飯といえば丼ものとか韓国料理系が多いけど、ここはオシャレでモダンな感じだった。やけに凝っていましたね。とはいえ、サウナ自体が怖くなるような事故だけに、まじで気をつけてほしいです」

サウナ業に携わる30代男性は、個室サウナ開業の苦悩をこう話す。

「個室サウナを開業するにあたり、ほかのサウナと異なりスタッフの見回りがないから、問題が起きたときにどう対処するかが大きな懸念となる。そこで挫折する経営者も多く、私自身、個室サウナには乗り気ではないのが正直なところ。

2010年代後半に第三次サウナブームが訪れ、各社が多くのサウナ室を作り上げているなかで、サウナタイガーはイケイケの印象で、店舗をオープンさせていました。一緒に店を手がける人もいたそうですが、数人は有事のリスクを鑑みて断っていたと聞いています」

警視庁は担当を捜査1課に変更、店側の安全管理に問題がなかったかなど、詳しく調べている。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

 

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