〈新幹線トラブル〉「外国人が勝手に荷物置いてる…」帰省ラッシュ&訪日観光客かぶりでSNS阿鼻叫喚…JR東海に聞いた「荷物持ち込みルール」とトラブル回避の方法
〈新幹線トラブル〉「外国人が勝手に荷物置いてる…」帰省ラッシュ&訪日観光客かぶりでSNS阿鼻叫喚…JR東海に聞いた「荷物持ち込みルール」とトラブル回避の方法

日本政府観光局の発表によれば、今年1~11月の訪日外国人客数が前年同期比17%増の3906万5600人となり、過去最多を記録した2024年1年間の3687万148人を11カ月で更新した。中国の日本への渡航自粛要請は若干の影響はあるものの、それでも大勢のインバウンド客が日本を訪れ、マナーやルールの認識をめぐるトラブルが多く発生している。

特に新幹線における「荷物トラブル」については、SNSにも多くの声があがっている。

SNSで多数報告される「新幹線の荷物トラブル」

年末年始に合わせた帰省ラッシュや旅行、さらには外国人観光客も重なり12月26日から来年1月4日までの東海道・山陽新幹線の指定席の予約数は、約252万席を超えた。前年と比べ約4%増えて過去最高を記録している。

SNSには早くも、新幹線の荷物をめぐる外国人観光客とのトラブルが多数報告されている。

「新幹線で外国人が荷物棚にキャリーケース積んでて荷物置けない」

「新幹線で最後列の席を予約したのに外国人が躊躇なく私の後ろの席のスペースに荷物置いてく」

「自分が指定した座席の後ろに外国人が勝手に荷物置いてる。けんかになりそうだから本人には言わずに車掌さんに伝えた」

日本人から困惑する声が多くあがる一方、アメリカの掲示板型ソーシャルサイト「Reddit(レディット)」でも、「Japan Travel Tips」というコミュニティ内で日本での旅行に関するさまざまなやりとりが行なわれている。

「特大荷物置き場ってどういう意味?」

「大きい荷物用のスペースを予約して使っている日本人に、外国人の観光客が文句を言っているのを見たことがある。その無作法な観光客に怖気づいて、日本人がスペースを譲っちゃうんだよね」

「もし僕みたいに28キロのデカい荷物があるなら、特大荷物スペース付きの席を予約しとけ。席の最後列の後ろとか、車両の一番後ろにある。昔、新幹線と特急で大阪から高知まで、デカい荷物をずっと足の間に挟んで乗ったけど、マジで『あーもう無理』って感じだったわ」

「もし大きな荷物持って新幹線乗るなら、絶対荷物置くスペースは予約したほうがいい!マジで助かるから。でも無理やりバッグ詰め込むのはやめてね 」

外国人観光客側も、慣れない土地での荷物の扱いについて試行錯誤しているようだ。

3辺の合計が160センチを超える「特大荷物」は予約が必要

ここで改めて、新幹線の荷物持ち込みルールについて確認したい。JR東海では、「東海道・山陽・九州・西九州新幹線への特大荷物のお持ち込みについて」と題してサイト内で次のように説明している。

まず、3辺の合計が160センチを超える荷物を「特大荷物」と定義し、持ち込む場合には「特大荷物スペースつき座席」または「特大荷物コーナーつき座席」の予約が必要となる(事前予約をしないと1000円の持ち込み手数料が生じる)。

3辺の合計が160センチ以下の場合は予約不要、250センチを超えるものは持ち込み自体が不可となっている。

また、スポーツ用品(折り畳み式自転車等)・楽器・車いす・ベビーカー等は、そのサイズにかかわらず事前の予約なしで持ち込めるが、これらを「特大荷物スペース」に置きたい場合は、事前予約が必要だという。

これらの荷物は必ずしも1人分の荷物が1席分のスペースで収まるとは限らない。過去に記者が新幹線に乗車した際に、「特大荷物スペース」をめぐり、ロードバイクを持ち込んだ乗客と、スーツケースを持ち込んだ乗客同士(いずれも日本人)でもめているのを目撃したことがある。

JR東海のサイトには「『特大荷物スペースつき座席』(最後部座席)をご予約の方で共用いただくこととなります。ゆずり合っての荷物収納をお願いいたします」とあるが、日本人同士であってもトラブルに発展するケースが少なくない。

「お近くの乗務員やパーサー、警備員までお知らせください」

では実際に新幹線で荷物トラブルが起きた場合にはどうすればいいのか。JR東海の担当者は次のように話した。

「『特大荷物スペース』または『特大荷物コーナー』に持ち主不明の荷物が置いてあった場合は、荷物にお手を触れることなく、お近くの乗務員やパーサー、警備員までお知らせいただくようお願いしております。

また、列車が駅を出発した後とはなりますが、乗務員が車内を巡回し、置き場の整理や持ち主の確認等を実施しております。車内にてお気付きの点やお困りのことがございましたら、大変お手数をおかけいたしますが乗務員やパーサー、警備員へお申し出いただきますと幸いでございます」

同社では新幹線への荷物の持ち込みルールについて、さまざまな方法で周知を図っているという。

「駅の切符売り場の床面ステッカーや駅構内のポスターにて特大荷物のルールを周知し、荷物サイズ測定台を改札口等に設置し、荷物の大きさの確認をお願いしております。

車内においても『特大荷物スペース』についてお客様にわかりやすくお示しするとともに、その場所が特大荷物の持ち込みを希望されるお客様のための、予約が必要なスペースであることを明確にするため、車内床面に案内を標記しております。

QRコードで5言語対応の案内サイトへ誘導し、特大荷物スペースが予約者専用であることを放送(2か国語)でもご案内しております」

さらにこれ以外でも、公式サイトやインバウンド客向けのサイト、成田空港やJR東日本主要駅、旅行会社カウンターで案内を実施しているという。

今後さらに周知が徹底され、多くの人が新幹線を快適に利用できるようになることを祈るばかりだ。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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