毎年、多くの箱根ランナーを輩出する日本随一の駅伝名門高校・佐久長聖。2023年の全国高校駅伝で日本高校最高記録を樹立した際のメンバー・永原颯磨(順大)と山口竣平(早大)は今年の箱根路に挑む。
新刊『佐久長聖はなぜ強いのか?「人」を育てチーム力を上げる指導メソッド』より一部抜粋・再構成してお届けする。
日本高校最高記録を打ち立てた主力たちのヒストリー
佐久長聖は2023年の全国高校駅伝で2時間1分00秒の日本高校最高記録を打ち立てました。その原動力となったのが永原颯磨と山口竣平です。
永原は1年時の秋に3000m障害を始めると、2年目で想像以上に記録が伸びて、インターハイで2位に入りました。その決勝前に、「来年があると思うな。チャンスがあるときに勝たなきゃダメだぞ」という話をしたんです。結果的に永原らしいレースができずに2位で終わりました。
3年時は3000m障害をやらせるつもりはありませんでしたが、「インターハイは3000m障害で狙いたいです」と本人が直訴してきました。私は、「高校記録を出すつもりじゃないとやらせない」と言うと、「出します」と返してきたんです。
それでOKしたら、インターハイで8分32秒12をマーク。三浦龍司選手が保持していた高校記録(8分39秒37)を塗り替えました。
なかなか口で言って実行できる選手はいないですけど、永原はそういうことができるタイプです。3年時の全国高校駅伝は試合から遠ざかっていたんですけど、私の不安はまったくありませんでした。そして1区を29分05秒の区間4位と好走して、日本高校記録に貢献してくれました。
3000m障害はケガのリスクがあるので、ネガティブな印象を持つ指導者が少なくありません。でも三浦選手が世界大会で活躍する姿を見て、サンショーをやりたいという選手が増えています。永原はその三浦選手の母校である順天堂大学に進学しました。
今年(25年)の日本選手権は良くありませんでしたが、日本インカレで優勝しました。どちらかというと真面目な方じゃないですけど、やるときはやるタイプ。集中力と爆発力があるので、そこに大きなエネルギーが加わると、凄いパフォーマンスを発揮します。
箱根駅伝を考えると、若干飽きっぽいところがあるので、20km以上の距離に彼自身の気持ちが持つのか。ただ、それをカバーできる能力があるので、積極的にトライしてもらいたいなと思います。
山口竣平は高校時代のエピソードが多すぎて語れないくらいぶっ飛んでいる選手です。本当にめちゃくちゃなヤツでした(笑)。高校3年間を通して彼を注意することは非常に多かったかなと思います。でも彼の凄いところは叱られて落ち込むのではなく、「やってやる!」という気持ちになることです。
「おまえは使わない」に主将と副主将が「山口を使って」と直訴
2年時の全国高校駅伝(22年)は京都に入ってから、めちゃくちゃ叱ったんです。レース2日前に「おまえは使わない」とまで言いました。でもキャプテンの吉岡大翔と副キャプテンの長屋匡起が「山口を起用してほしいです」と直訴しに来たんです。最上級生にそう言われると外すわけにはいきません。「3年生のために頑張れ」と起用しました。そして4区を区間2位と好走したんです。状況を考えるとよく走ったと思います。
ハートが強いのか、気合を入れてもめげませんし、絶対に期待に応えてくれるんです。3年時は「調子が上がらない」とぶつくさ言っていたので、「大丈夫だよ」とおだてながら、いかに山口の調子を上げるのか気を使った部分がありました。
早稲田大学に進学した山口は1年生で箱根駅伝の3区(区間3位)で6人抜きを演じました。沿道へ応援に行ったんですけど、私に気づいてガッツポーズをしてくれたんです。調子に乗りやすいですけど、調子に乗った方が走れるタイプです(笑)。
永原と山口の1学年下になるのが濵口大和と佐々木哲です。濵口は黙々、淡々とやるタイプ。比較的早く寮生活に慣れて、1年時から活躍してくれました。インターハイは2年時に1500mで4位、5000mで8位。3年時は1500mで日本人トップの2位、5000mは7位に入っています。全国高校駅伝は1年時が2区2位、2年時が4区2位、3年時が1区4位と活躍しました。
中央大学に進学した今季あまり調子が上がっていない印象です。
佐々木は明るく楽しくやるタイプですね。寮生活を含めて、高校生活に慣れるのに時間がかかったかなと思います。ただ能力が高く、小中学時代にハードルをやっていたこともあり、3000m障害で勝負できるイメージはありました。
インターハイは2年時に3000m障害で8位入賞。3年時は1500mで濵口に次ぐ3位に入ると、3000m障害は高校歴代2位の8分37秒23で優勝しました。全国高校駅伝は2年時に5区で8分14秒の区間新記録を打ち立て、3年時は3区で区間賞を獲得して、トップに立ちました。
佐久長聖から世界を狙う早大のルーキー
早稲田大学に進学して、トラックシーズンは3000m障害で早くも結果を残しています。今季はU20日本歴代2位の8分29秒05をマークして、アジア選手権(4位)にも出場しました。世界大会を狙える位置まで来ています。何度か電話をもらっているんですが、「とにかく欲張るな」ということを言い続けています。
来年のアジア大会は彼の地元である愛知県で行われます。そこから徐々に日本代表に定着していき、世界と勝負していければいいですね。駅伝のタイムもそうですけど、意外性を発揮するところが哲の良いところかなと思います。
文/高見澤勝 写真/佐久長聖高校駅伝部
『佐久長聖はなぜ強いのか?「人」を育てチーム力を上げる指導メソッド』(竹書房)
高見澤勝
“日本一厳しい”環境で育まれた“人間力”を武器に
2023年&2024年 全国高校駅伝2連覇を成し遂げた
佐久長聖の“駅伝力”の神髄に迫る!?
「佐久長聖はなぜ強いのか?」とよく聞かれます。
全国から有望な選手が集まってくるわけでもなく、
ハイレベルな練習をしているわけでもありません。
ただ「強い」のは決して偶然ではなく、明確な理由があると思っています。
箱根駅伝に出場したOB選手が59人。全国トップクラスの実績を誇り、これまで村澤明伸、大迫傑、鈴木芽吹、關颯人、上田瑠偉、名取燎太、中谷雄飛、吉岡大翔、永原颯磨、山口竣平…多くの名ランナーを輩出してきた佐久長聖の秘密に迫る1冊。
第1章 競技人生のスタート
両角先生との出会い
佐久長聖の礎となったクロカンコース
全国高校駅伝の優勝を意識して
第2章 大学・実業団時代の苦しみ
箱根駅伝に潜んでいた魔物
高見澤、お前はマラソンだ!
4年目にしてマラソンに到達
第3章 指導者としての喜びと苦悩
母校で指導者のキャリアがスタート
全国高校駅伝で悲願の初優勝
ワースト記録からの出発
第4章 全国高校駅伝で勝てるようになった理由
9年ぶりの〝日本一〟直前に両角先生から電話
日本高校最高記録の奪回に成功
ライバル校をアンカー勝負で下して連覇を達成
第5章 高校卒業後も活躍する選手たちのエピソード
村澤明伸ら初優勝メンバーたちの素顔
「1番」のこだわりが強烈だった大迫傑
花の1区を制したエースたち
第6章 佐久長聖の強化プログラム
3年間の育成プログラム
夏の「合同合宿」がチームを強くする
全国高校駅伝の〝勝利のセオリー〟
第7章 最強チームのマネジメント術
知られざる寮生活のおきて
日々の生活が選手を強くする
高校時代は選手たちにとって「土台作り」の場。
その先の大学、社会人を見据え、
世界を舞台に活躍できる選手を育てたい。

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