〈赤坂・超高級サウナ2人死亡〉「夫婦には小さな子どもがいた…」電源が切れていた非常ボタン、夫は妻を覆うように倒れ火傷も…店の“関係先”には11月に業務停止命令も
〈赤坂・超高級サウナ2人死亡〉「夫婦には小さな子どもがいた…」電源が切れていた非常ボタン、夫は妻を覆うように倒れ火傷も…店の“関係先”には11月に業務停止命令も

東京・赤坂の高級個室サウナで12月15日、サウナ室内に閉じ込められた男女2人が死亡する火災事故が起きた。警視庁は店の管理に問題がなかったか、詳しく調べを進めている。

出火原因はタオルがサウナストーンに触れたことで発火したとしてみられており、亡くなった夫婦には幼い子どもがいたという。サウナ店の経営者たちの横顔にも迫った。

タオルがサウナストーンに触れたことで発火

「サウナ歴が25年ということもあり、長い間プライベートサウナを作りたいという思いがありました」(サウナタイガー・運営会社前社長のA氏)

15日午後0時25分ごろ、プライベートサウナを提供する「サウナタイガー」の3階にある個室サウナで、「非常ベルが鳴っている」と119番通報があった。

駆けつけた消防隊員が個室サウナの入り口付近で、男女2人が倒れているのを発見した。女性が下になり、男性が覆いかぶさるように重なっていたという。死亡が確認されたのは、松田政也さん(36)と、妻でネイリストの陽子さん(37)の2人だった。

「亡くなった2人はサウナ室に閉じ込められた可能性が高く、ドアを開けるための木製の取手が内側と外側のいずれも外れていました。火元のサウナ室に設置された非常ボタンには押された形跡がありました。長時間閉じ込められたことからか、直接の死因とは関係ないのですが、二人の背中や肩などには火傷の痕もあったようです。

警視庁が16日、現場検証を行なうと、事務室に設置された非常ボタンの受信機の電源が入っていなかったことも判明しました。火災当時も電源ボタンが機能していなかったとみて捜査を進めています。また出火原因ですが、タオルがサウナストーンに触れたことで発火したとみられています」(社会部記者)

ずさんな管理状況がみえてきた「サウナタイガー」だが、経営者はどのような人物なのか。

「サウナタイガーは2022年8月にオープンし、月額で最大39万円のプランを用意し、食べ飲み放題のオールインクルーシブの店舗でした。

開店当時はA社長のもとで、タレントを監修役に起用して運営されていました。ただ、2024年12月にAさんは代表を辞任。新たな社長としてBさんが就任しています」(サウナ業界関係者)

関係者によると、このA氏とB氏は現在もビジネスパートナーだという。

A氏が代表取締役社長を務め、B氏が社長室長を務める別会社のC社も存在している。C社は宝石などの訪問買い取り業者であるが、今年11月、強引な買い取りをしたとして消費者庁から9カ月の業務停止命令を受けていた。

クーリング・オフ期間などの告知をしなかったことも…

発表資料によると、消費者庁は11月27日、特定商取引法違反(訪問購入)の疑いで、C社に対し、9カ月間の業務停止命令を出している。

特定商取引法は、消費者が契約締結の意思がないことを示した後の再勧誘を禁じている。しかし、同社の従業員は、消費者宅を訪問した際に、消費者から「売るものはない」「売却するつもりはない」と明確に拒絶の意思表示を受けたにもかかわらず、勧誘を継続したという。

資料によれば、従業員は消費者に対し、

「イミテーションのアクセサリーとか、切れているネックレスとか、片方だけのピアスとかないですか」

「ネクタイピン1個でも、カフスボタン1個でもいいです」

などとしつこく勧誘し、売却を迫ったという事実が認定されていた。

そのほか、クーリング・オフ期間などの告知をしなかったことや、別の事例では同社の社員が「これだけお願いします。お願いします。お願いします」としつこく勧誘していたことも明らかになっている。

C社は集英社オンラインの取材に対して、B氏が社長室長であることを認めたものの、A氏については「Aは不在でいつもここにいるわけではございませんので。

いつこちらにくるかは分かりませんし、取材はお断りしています」と回答を控えた。

地元も高校も専門学校も一緒で、生まれた病院も一緒だった夫婦

被害者の2人を知る関係者は突然の事故に肩を落とす。

「亡くなった2人とも優しく、夫婦の間には小さなお子さんもいらっしゃいます。旦那さんの松田政也さんは九州から東京に上京してきました。最初は渋谷で美容師をしており、そのときに奥さんと出会ったそうです。地元も高校も専門学校も一緒で、生まれた病院も一緒だったとか。

 その後、フリーランスとして独立し、2022年に会社を設立した。白髪染めに定評のあるお店で、国内で数店舗を持つまで成長させました。サウナー(サウナ愛好家)でもあり、全国各地のサウナに行って“ととのって”いたと聞いています。実際に本人もサウナは仕事をするうえで欠かせない場所と話していました。知り合いの店が開業したら祝花は必ず送るなど、優しい人でした」

松田さんのSNSには夫婦の仲むつまじい様子や小さな我が子を抱く写真などが多数投稿されていた。警視庁は施設の従業員体制など詳しく調べを進めている。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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