SNSでも危険性を指摘する声多数…「編み物ハンドルカバー」は法律違反?「ズレる可能性が気になります」カーインテリアメーカーが気にする懸念点
SNSでも危険性を指摘する声多数…「編み物ハンドルカバー」は法律違反?「ズレる可能性が気になります」カーインテリアメーカーが気にする懸念点

空前の編み物ブームが続いている。元HKT48で、今は韓国のガールズグループ「LE SSERAFIM」のメンバー、SAKURA(宮脇咲良)が火付け役とも言われるこのブーム。

Z世代を中心となっていることが特徴で、手芸専門店や100円ショップの毛糸売り場を多くの人が訪れている。そうしたなか、ネットでちょっとした物議を醸しているのが「編み物のハンドルカバー」だ。

「普通に考えて滑って危ないよね」 SNSで危険を指摘する声

編み物ブームが続く中、多くの編み物愛好家が自分で編んだ作品をSNSなどにアップしている。作品の種類は多岐にわたるが、中にはカラフルに編み上げた「車のハンドルカバー」などもみられる。

そうした編み物のハンドルカバーをめぐり、Xには危険性を指摘する声が相次いでいる。

「これ今流行ってるらしいけど編み物で車のハンドルカバーはガチで危ないからやめたほうがいい」

「編み物で作った車のハンドルカバー、普通に考えて滑って危ないよね」

「車のハンドルカバーにするのだけはほんとやめた方がいい 急なハンドル操作のとき滑ったら危ない」

「編み物ブームはいいのだけれど、何でも編み地でカバーするはやめた方がいい」

大手通販サイトでも「編み物ハンドルカバー」が数多く出回っている。色味の少ない車内に華やかさを添えるカラフルなハンドルカバーに対しては、好意的なカスタマーレビューが寄せられ、その多くは英語で書かれている。

いっぽう、「So cute(とてもかわいい)」といったコメントの中には「Slippery(すべりやすい)」といったものも見られ、その安全性には疑問符がつくと言えそうだ。

そもそも自動車のハンドルにカバーをつけることは必須ではないものの、操作性の向上や劣化防止などのメリットがある。

では、市販されているハンドルカバーはどのようにして作られているのだろうか?

ハンドルカバーを含むさまざまなカー用品の企画・製造卸販売を行なうカーインテリアの総合メーカー「ボンフォーム」の担当者に話を聞いた。

「ハンドルカバーもいろいろな形状(仕様)のものがありますが、企画の際に最も注意する部分は『運転に支障がない』ということになります。

ハンドルは運転に関する最も重要な装置のひとつになりますので、『ズレる(滑る)』『引っかかる』などの可能性のあるものは製品化できません。特に『ズレる』ということには、場合によっては滑り止めシートを付属するなど細心の注意を払っています」

「伸びてズレる可能性や、カバーが回転してしまうなどの可能性が気になります」

「ズレる」「滑る」可能性のあるものは製品化できないと話す担当者に、編み物のハンドルカバーについて問うと、次のように懸念を示した。

「編み物のハンドルカバーは、編み物ですので伸びてズレる可能性や、カバーが回転してしまう(滑る)などの可能性が気になります。指輪などのアクセサリーが編み目に引っかかる可能性も否めません」

加えて、ハンドルカバーを購入する際の注意点として次のように話した。

「ハンドルカバーをユーザーの方にお求めいただく際には、

・ご自身のハンドルの寸法を確認いただき、適合するサイズをお求めいただくこと
・取付け後にはハンドル操作の際にカバーが絶対にずれない(動かない)ことを確認すること
をご注意いただいております」

こうした指摘を踏まえると、無視できないのが法的な観点だ。

道路交通法の第70条では「安全運転の義務」として「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。」と定めている。

万が一、「確実に操作する」ことが妨げられてしまうようならば法律に違反する行為になりかねない。

自由度の高い編み物という創作行為は、思い思いの作品を生み出せる深い喜びを伴う。だが、日常生活の安全を脅かすことにつながっては本末転倒だ。

使う場所と用途を見極める冷静さも必要なのではないだろうか。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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