〈中道改革連合〉「立憲は我々の理念に賛同いただいた」早くも創価学会員から“前のめり”な電話が…立憲議員は「公明にひれ伏しすぎ」「学会色を嫌って逃げていく票も」と嘆き
〈中道改革連合〉「立憲は我々の理念に賛同いただいた」早くも創価学会員から“前のめり”な電話が…立憲議員は「公明にひれ伏しすぎ」「学会色を嫌って逃げていく票も」と嘆き

立憲民主党と公明党が合流した新党「中道改革連合」。「中道政治」はそもそも、創価学会の故池田大作名誉会長が著書のなかで「仏法の中道主義を根底にし、その生命哲学にもとづく、人間性尊重、慈悲の政治」と解説するなど、創価学会や公明党が大切にしてきた言葉。

学会員はさっそく、中道政治の意味を説きながら新党を宣伝する電話を周囲にかけ始めているが、「学会色」が強まることに、立憲議員からは困惑の声も……。

立憲が大幅譲歩で、創価学会員も新党の「F票」獲得に前のめり

「私たちの掲げる中道の理念に賛同してくれた立憲議員が集ってきているので、彼らはもう仲間なんです。これからは中道という世間には馴染みのない名称をしっかりあなたにも理解してもらいたく…」

東京都内に住む男性は新党名が発表された翌日の17日、創価学会員の親戚からこう電話がかかってきて驚いた。話を聞くと「斉藤代表が掲げている中道の意味とは…」と約30分にわたり新党のPRが始まったという。

選挙前のこうした知人への電話掛けは、「F(フレンド)票」獲得に向けた動きだ。選挙前になると創価学会員が非学会員に公明党への支援を呼び掛ける光景はおなじみだったが、今回もさっそく新党のPRが始まっているといえそうだ。

創価学会員が新党の宣伝に前のめりになっている理由として、斉藤氏が「新党は公明の理念を大切にしている」というニュアンスを打ち出していることが挙げられそうだ。

斉藤氏は新党に合流する立憲議員について、「公明党が掲げた5つの旗の下に集ってきた人。立憲の人ではありません」と強調。永田町関係者によると、新党の綱領も公明側が主導する形で作られているという。

これまで、公明は安保法制について「合憲」、立憲は「違憲部分を廃止」としてきたし、原発再稼働については公明が「建て替えや再稼働を条件付きで認める」立場をとってきた一方、立憲は綱領に「原発ゼロ社会を一日も早く実現する」と書いてきた。しかし、発表された新党の綱領では、立憲側がより大きく譲歩する形となった。

「選挙に弱い立憲議員が創価学会にすり寄るようになるのでは…」

ただ、こうした立憲の大幅譲歩に立憲議員からは不満や困惑の声が出ている。

「公明にひれ伏しすぎではないか。

新党が結成されたという事実は変わらないので、新しい綱領や政策への支持を訴えるしかないが、野合と批判され、安保や原発に関するこれまでの主張との整合性が問われるだろう」(立憲議員)

両党の選挙運動の違いも、混乱を招きそうだ。

「立憲は支持団体の連合やリベラル層の支持も固めつつ、無党派層からも自民批判票を取り込むという選挙戦を展開してきました。一方で、公明は幹部が街頭演説をすれば、創価学会女性部を中心に熱烈な応援が繰り広げられるという、独特の光景がおなじみでした。創価学会員の熱心な『F票』集めの呼びかけもあります。こうした雰囲気に、これまで立憲に入れていたような無党派層が引いてしまわないか、懸念の声があがっています」(全国紙政治部記者)

そして中道改革連合では比例名簿の上位に公明出身者が並ぶ以上、立憲出身者にとって比例復活は厳しい戦いになる。

立憲議員は「今回の方針は、野田氏ら選挙に強い人たちの発想。小選挙区で勝てる人にとっては、比例ブロックの上位を公明にとられても関係ないから、『小選挙区で公明票がのって有利だ』くらいにしか考えていないのでは」と嘆く。

「これまで以上に小選挙区で勝つことが至上命題になる以上、各選挙区に1~2万票あるとされる公明票の行方は重要。選挙に弱い自民党議員が旧統一教会を持ち上げていったように、選挙に弱い立憲議員が創価学会員にすり寄るようになるのでは」(全国紙政治部記者)

「一度逃げた票は戻って来るのか」次回衆院選まで心配の声

今後、衆院選が終わっても立憲・公明の関係性には課題が残る。公明は日頃から創価学会に根回しをしたり、創価学会の意向で政策の方向性を決めたりしてきた。例えば、コロナ禍での国民への現金給付をめぐって公明は当初、安倍官邸の打ち出した減収世帯向けの30万円給付案を受け入れていたものの、創価学会からの突き上げをくらい、一律10万円給付を主張するようになったという経緯がある。

このように創価学会によって方針が二転三転することもある、公明独特の党運営。

立憲側が公明側と折り合いをつけていけるのかどうか、早くも不安の声があがっている。

「次回の衆院選まで、中道改革連合が続くのだろうか。今回は公明票を上乗せしてもらえたとしても、『学会色』を嫌って逃げる票もある。中道改革連合がうまくいかず次回、公明と分かれて選挙を戦うことになったら、公明票はなくなるうえ、一度逃げた票に戻ってきてもらうのは大変。今から次回衆院選のことも心配だ」(立憲議員)

本格的な選挙戦が始まる前からすでに、心配の声がやまない中道改革連合。党勢が低迷する局面を打開するため、大きな賭けに出た立憲・公明双方の戦略は実を結ぶのだろうか。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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