安倍晋三元首相を殺害したとの殺人罪などに問われ「無期懲役」を求刑された山上徹也被告(45)の判決が21日言い渡される。母が入信し、家庭が崩壊したと憎んだ旧統一教会(世界平和統一家庭連合)のトップの代わりに安倍氏を狙ったと山上被告は供述してきた。
教団内部資料「TM特別報告」には、教団が銃撃直後に被告の母の多額の献金が、事件を引き起こしたことを把握したことが記されている。さらに高市早苗首相の側近に絡む疑惑も報告の記述から浮かび上がった。
判決前に浮上した新事実…TM特別報告が示す安倍氏銃撃事件当日の教団の動き
山上被告は2022年7月8日午前11時半ごろ、奈良市内で参院選に出馬した佐藤啓候補の応援演説をしていた安倍氏を手製の銃で殺害したとして起訴された。公判では起訴事実を認め、教団への憎しみがなぜ安倍氏襲撃に至ったのかを語った。
「被告が小学生の時に母親が入信し多額の献金を始めました。反対していた祖父が亡くなると母親は自宅を売って、その金も献金に充て総額は1億円になったともみられています。
2015年には自分と同じく教団を恨んでいた兄が自殺したことで、教団トップの韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁の殺害を思い立ったといいます。しかし計画がうまくいかないうちにコロナ禍に入り、韓総裁が来日できなくなりました。
そうした中で2021年9月に教団側が開いたオンラインイベントで安倍氏が演説しました。この動画をSNSで見た山上被告は、教団が社会から認められてしまうとの絶望感を抱き安倍氏殺害を決意した、と説明しました」(社会部記者)
奈良地裁の判決の量刑は被告の家庭環境を情状として酌むかどうかにかかっている。公判は昨年12月に結審したが、その後、公判中に証拠として発見されていれば量刑の参考にされた可能性もある重大な情報が韓国から飛び出した。
贈賄罪などで起訴勾留中の韓総裁らへの捜査で韓国当局も確保した「TM特別報告」がそれだ。
韓総裁への重要報告が整理されたこの3200ページ強の資料を集英社オンラインが翻訳すると、事件を巡る教団の動きも記されていた。
事件直後、山上の会員記録削除の指示も書かれていた
銃撃当日の奈良教区長の報告にはこう記されている。
〈本日、全食口(信者)総動員祈祷出発式が終わり自民党奈良県公認候補、佐藤啓候補者の応援集会を10時から行ないました。
候補者本人は11時からの大和西大寺駅前の安倍前総理の応援演説があり来ることができず、夫人が代わりに来て奈良教会で応援集会をしました。
応援集会の後、一部の食口が安倍前首相の応援演説に参加するため駅へ行き、残りの食口たちは(勝利のため)電話掛け大会をしていました。
電話掛け大会のさなか11時40分ごろ、食口たちが全身を震わせながら泣いて戻ってきて安倍前首相が2発の銃(弾)を受け血を流しながら倒れたのを見たといい、前首相のため皆が祈りました〉
現場で取り押さえられた銃撃犯が山上被告だと報じられると教区長には信者であるA子さん(仮名)の息子ではないのかと確認する連絡が入る。
〈山上徹也が大和郡山教会の所属になっており、本部田中会長様(田中富広会長)の指示で会員記録を削除しました。(中略)A子さんと長男が清平40日修練に参席したことがあり、次男徹也さんも1泊2日清平修練会に一回行ったことがあると聞きました〉(教区長)
A子さんの入信が山上家を解体させた経緯を教団が把握していたことも書かれている。
〈(A子さんは)家まで売って数億の献金をしたということです。その後献金した事実を知り長男が教会にひどく反対し刃物を持ち教会にきたこともあったといいます。そのように母子関係が最悪の状況で(中略)長男は自殺しました。
そうした家庭環境なので犯人も教会に恨みを持ったようです。(中略)生活の困難を訴えていたA子さんに(教団は)5000万を返したといいます〉(教区長)
地元組織幹部は「対策」を立てるためA子さん宅へ急ぐが「すでに警察が家の前を守っており」何もできなかったという。
普段連絡を取っていた信者がA子さんにLINEを送ったが既読が付かず電話も取らなかったとし、本部から幹部が訪れて対策会議が行なわれ、教会の当分の間の閉鎖を決めたと報告には書かれている。
そして教区長は銃撃事件が献金を背景に起きたとの見方をもとに、
〈(山上被告が)母A子さんが教会にした献金を強要されていたとか、教会のために自分の家族がこのように悲惨なことになったと陳述する場合、われわれに大きな打撃となることが予想されます〉
と後に訪れる事態を正確に見通していた。
高市氏の側近「妻が集会に参加した」
報告にはさらに重要な記述がある。
信者らが、安倍氏が演説し撃たれた時間帯に佐藤候補のための選挙集会を開いたり、投票を呼びかける「電話掛け大会」をしたりしていたという部分だ。
現在、内閣官房副長官を務める高市早苗首相の側近の佐藤氏は、銃撃事件後に教団との関係が問われた自民党が、所属国会議員に行なった調査(2022年9月に結果発表)、「統一教会関連団体の会合に本人が出席しあいさつした」との項目に「該当する」と党に答えている。
しかし、「選挙におけるボランティア支援」があったと答えた議員の中には入っていない。
「TM特別報告の内容は事実なのか」について佐藤氏に尋ねると書面で回答があり、教団や関係団体との関係に関する自民党の調査に虚偽回答をしたことはなく現在教団や関連団体とは一切関係をもっていない、と説明した。そして銃撃当日については、
〈私の代理として妻がお尋ねの「応援集会」に参加したことは事実ですが、同集会が開催された経緯は承知しておりません(党の調査においては、本人または秘書が会合に出席したかが調査されているところ、妻が代理で出席したものについては、本人の出席として回答しております)。
当方から、「選挙におけるボランティア支援」を依頼したことはなく、ご質問の「電話掛け大会」が行なわれたか否かも承知しておりません〉
と主張した。
佐藤氏に絡む記述は週刊文春が最初に指摘した後、情報番組でも「(事件の直後にわかっていたら)大変な問題だってことで高市さん自身の進退も問われるくらい。それを隠す必要があったからこんなに早く解散を打ったんじゃないかって見えちゃう」とも指摘されていた。今回の衆院解散が“統一教会隠し”の側面があるとの見方も浮上している。
銃撃の約2週間後、教団関連団体「天宙平和連合(UPF)」ジャパン議長だった梶栗正義氏は韓総裁宛の書信で、山上被告がもともと韓総裁を狙っていたと知った時の心情について、
〈安倍首相がお母様(韓総裁)に代わって亡くなったのかもしれないなという思いが浮かび、今回の事件を通じて天が私たちに何を教えようとしているのか考えさせられました。
お母様が生きておられる。ようやく私は光を再び見出し、天の前で希望と感謝の気持ちを取り戻すことができました〉
と伝えている。
安倍元首相と山上被告の人生を変えてなお指導者にこのような報告がなされる教団。献金がなければ事件は起きなかった。判決はそのことをどう審判するだろうか。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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