「子どもの顔が見たい」との母の願いを独身偽装男に踏みにじられた40代女性「妻の写真は妹と偽り、寝室にも招かれ…」“女性の健康管理”を仕事にする男の酷すぎる実態
「子どもの顔が見たい」との母の願いを独身偽装男に踏みにじられた40代女性「妻の写真は妹と偽り、寝室にも招かれ…」“女性の健康管理”を仕事にする男の酷すぎる実態

「結婚・出産する最後のタイミングの相手だと信じて疑わなかったのに、その思いを踏みにじられた」と、女性は悔しさに顔を歪めた。都内在住の40代・今野さん(仮名)は2023年3月頃に本格的に婚活をしようとマッチングアプリを開始。

同年5月に出会った男性は独身を偽装した結婚歴20年以上の既婚者だった。男性は妻と住む自宅に今野さんを招き入れ、避妊せずに性交渉を行なうなど卑劣な行為を繰り返していた。

母の願いに背中を押され、婚活アプリへ

二人姉妹で長女の今野さんは、30代の時に5年間交際した男性と別れた後は、結婚や出産に対してそこまで本気で考えていなかった。

妹はすでに結婚して子どもがいたため、「妹に子どもがいるし、親は孫の顔は見ているから私は独身でもいい」と思っていた。しかし、母親から「ソロウェディングドレス姿でもいいから見たい」「子どもの顔が見たい」という言葉を度々聞かされ、その願いに応えたいと思うようになったという。

最初はオンラインの結婚相談所に登録をするも良縁に恵まれず、「男女ともに有料で真剣交際を目的としたユーザーが多い」とされる婚活向けマッチングアプリに登録。2023年5月に会社員男性の佐藤(仮名、45歳)と出会う。

佐藤は女性向けヘルスケアサービスを展開する会社の社員で、見るからに誠実そうな容姿だった。今野さんは言う。

「佐藤が勤めていた会社のサービスは私自身も利用したことがありますし、女性なら誰もが知る会社です。いま思えば、その会社名も信用材料のひとつでした。

マッチ後に『仕事の忙しさと長い間の片思いで結婚のチャンスがなかった』という言葉も信じて疑わなかったし、なにより既婚者なのに真剣交際目的の男女のための有料アプリを使うとは思わなかったです」

今野さんはマッチングしてから1か月後の6月に佐藤と初めて直接会い、3回目のデートで佐藤から「交際しよう」と告白された。佐藤は今野さんの「自宅に行きたい」という要望にも応じ、「妹と同居しているんだ」などとウソをついて今野さんを自宅に招き入れる。

「港区の共同住宅の2LDKで、金曜の夜に行きました。その時は知る由もないですが、私より一回り上で佐藤より7歳上の奥さんと一緒に暮らす部屋だったんです。彼は奥さんと一緒に寝ているであろうベッドで避妊なしで性交渉を求めてきました……」

今野さんは翌日に用事があったため午前中に帰ったというが、佐藤は「予定がないなら夕方までいてよ」と言っていたという。また、書斎に飾られた家族写真を堂々と見せて「これが妹でこれが親戚の女性で…」と説明をしたというのだ。

「奥さんの顔なんて知るわけがないので、聞いたままを信じこんでしまいました。彼がシャワーを浴びている間も『家の中とかどこでも見てもいいよ』とか『靴とか服とか気に入ったのあったら持って帰っていいよ』とまで言っていました。そこまで言われて、まさか既婚者だとは私も思いもしなかったのです」

ポルシェで岩盤浴デートなどの日々に訪れた異変

その後も二人はドライブや今野さんの家などデートを重ねた。ドライブの際には佐藤の愛車のポルシェに乗ってお台場の岩盤浴まで出かけたという。

「デート以外でも毎日のやりとりで『将来一緒に住むならこんな家がいいな』などと話してきました。佐藤には私がこれまで経験したことのない“少し変わった性癖”もありましたが、それ以上に私を気にかけるやさしい言動などがあったのであまり気にしていませんでした」

だがその後、異変が起こる。8月に会って性行為をした際に今野さんが普段感じたことのない“腟の痛み”を感じた。

「いまにして思えば、それは佐藤から移されたクラミジアによる症状でした。その後、8月末には佐藤が忙しいことを理由に会う時間が極端に減りました。

『冷めたなら言って』とLINEしても『冷めない、ずっと好き』と言ってきたんです。でも結果的にはその後、翌年6月頃まで疎遠な状態が続きました」

「クラミジア陽性」の診断結果にショックを受けた今野さんだったが、その数週間前に卵巣に腫瘍が見つかったこともあり、医者から「性感染症の罹患は腫瘍にも悪影響がある」と言われ、絶望的な気持ちになったという。

今野さんは「性感染症は佐藤以外に身に覚えがない。彼しかいない」と。しかし会えない日々が続き、佐藤にその事実を伝えられない日々が続いた。

「性病罹患の事実を佐藤に伝えたら、『ごめん、すぐに治療代を振り込む』と言われましたが、そのお金が振り込まれることはなく、その後、請求しても『肺炎で入院中で酸素吸入器を使ってるから会えない』などの言い訳をされました。私はそれを信じましたが、病院に問い合わせても入院記録はなかったのです」

「もう出産なんて考えられないし、母が亡くなったので結婚もいいかな」

相手の言動に不信を感じた今野さんは弁護士に相談。性感染症の罹患も含め話すと「既婚者ではないか」と言われて愕然とする。“持ち家”だと招かれた自宅の登記簿を見れば所有者の名前が見られるかもしれないと思い、法務局に行き登記簿を見たという。

「佐藤の名前と連名で女性の名前がありました。彼が話していた妹の名前とは違う名前だったし、おそらく奥さんだろうと考え、弁護士に任意交渉依頼して戸籍謄本を取ると、案の定、既婚者であることが判明しました。その後、佐藤は謝罪もなく弁護士からの連絡を無視し続けるので民事訴訟を起こしたのです」

「子どもの顔が見たい」と言っていた今野さんの母親は2024年8月に他界。

結局、今野さんが独身偽装に遭ったことは母には伝えられなかった。

「余命宣告された母にはとてもじゃないけど言えませんでした。母が他界してから昨年2月に訴状を出して、7月に佐藤に対し330万円を請求する判決がくだりました。裁判が始まってからも佐藤からの謝罪はありませんでしたし、判決後も『体調悪くてお金がないから払えない』とか『ポルシェも自損事故を起こして修理にお金がかかる』などと言い訳をしてなかなか払いませんでした」

今野さんが昨年10月末に地裁に強制執行の申し立てをすると、その数日後に全額振り込まれたという。

「お金は振り込まれましたけど、もう出産なんて考えられないし、母が亡くなったので結婚もいいかなと。男性不信ですね。佐藤が勤務する女性向けのヘルスケアサービスを展開する会社のコンプライアンス窓口に佐藤の判決文を添付して送りましたけど、納得のいく回答は得られませんでした」

独身偽装は人の純粋な心と信頼を深く裏切り、甚大な精神的苦痛を与えるものだ。その罪は重い。

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取材・文/河合桃子 集英社オンライン編集部ニュース班

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