2児の母・竹内由恵が初期費用1000万円で起業 午前2時起きで挑むコーヒー事業と家庭の両立「家族に負担をかけてしまうことはなるべく避けたい」
2児の母・竹内由恵が初期費用1000万円で起業 午前2時起きで挑むコーヒー事業と家庭の両立「家族に負担をかけてしまうことはなるべく避けたい」

テレビ朝日アナウンサーで、現在はフリーアナウンサーとして活動しながら、ネット販売専門のコーヒー店「renag coffee」を運営する竹内由恵。子育てにフリーアナウンサーとしてのメディア仕事と、忙しい毎日を過ごす中で、2025年9月、コーヒービジネスへの参入を宣言した。

 

ゼロからの起業を志した彼女が、どんな日々を過ごし、どんな未来を描いているのか、話を聞いた。(前後編の前編)

今は会社としてマニュアルを構築している段階

現在はタレント・フリーアナウンサーとして活動する竹内由恵は、2019年に同学年の一般男性と結婚したことを機に、静岡・浜松市に移住。

その後、2021年2月に第1子男児、2023年8月に第2子女児を出産した。浜松で家族と暮らす中で、ぼんやりと“コーヒーに関する仕事がしたい”という思いが頭の中に浮かび始めたと言う。

「結婚して浜松に移住したタイミングで、フリーアナウンサーとして働きつつも、どこかいったん自分がリセットされたような感覚がありました。“次は何をしようかな?”とぼんやりと考えている中で、自分が好きなコーヒーを勉強したいという思いが強くなりました。

元々は、紅茶の方が好きだったんですけど、ある日、丸山珈琲さんで飲んだスペシャリティコーヒーに衝撃を受けて、以降、コーヒーを毎日飲むようになりました。

まずはフライパンで焙煎してみるところから始まり、その後、手回し焙煎機を買うなど、ちょっとずつステップアップしていきました。焙煎とは、生豆を焼いてコーヒー独特の香りや味わいを引き出し、深い茶色のコーヒー豆に仕上げる作業のことなんですけど、焙煎の方法によって香りや味わいは大きく変わるんです。

そんな中で、2021年1月に小型焙煎機を購入し、その頃から“コーヒーを仕事に”という気持ちがより強くなりました」(竹内、以下同)

2025年9月、初期費用約1000万円を自腹で投入し、5年間練習してきたコーヒー焙煎事業を本格的にスタートさせた。法人名は株式会社レナグ。代表取締役は竹内本人が務めるが、経営者として未熟さを痛感する毎日だという。

「去年12月頭にECサイトを立ち上げて販売をスタートしてみたものの、しばらくの間、在庫切れの状態が続きました。

私自身、子育てをしながら、アナウンサーとしてのお仕事もさせてもらっているので、毎日焙煎ができるスケジュールではありません。

ただそんなことばかり言っていられないので、現在はできる限りコーヒー事業に向き合えるように、スケジュールを整えています。手順をつかむために、最初は一から配送作業も自分自身で行なっていました。

私が手順を把握していないと、手伝ってくださる方にも業務内容を伝えることができないので。今は会社としてマニュアルを構築している段階です」

最近は2時起きがパターン化している状態

ママとして2人の小さな子どもを育てる竹内だが、コーヒービジネスをスタートさせてからスケジュールは極めて多忙になり、日々の起床時間はなんと午前2時だと言う。

「事業を始める前の準備期間から忙しくなり、それまでは朝4時に起きていたんですけど、最近は2時起きがパターン化している状態です。

子どもたちが6時くらいに起きて、そのくらいから朝ご飯の準備を始め、9時に登園させてから、浜松にあるコーヒー焙煎所に向かっています。アナウンサーの仕事がある場合は9時よりももっと早い時間に新幹線に乗って、東京に向かうこともあります。

子どもたちの気持ちを考えると、16時にお迎えに行きたいけれど、その理想が叶わない日もあります。18時に迎えに行ったり、どうしても難しい日はベビーシッターさんにお願いすることも。周囲に力を借りることもあるんですけど、基本は子どもと接することができるように、仕事の調整はしています」

ビジネスに没頭してコーヒー事業を加速させていきたいところだが、なかなか時間が取れないのが現在の悩みだという。しかしどんなに忙しくても竹内の中には、“絶対に守りたい大切なもの”がある。

「事業を優先して、家族に負担をかけてしまうことはなるべく避けたいです。

子どもファーストなのは今後も変わりません。現在は“限られた時間だけど、その全てを注ぐ”と割り切って、コーヒー事業に没頭しています。

珈琲の焙煎をすることは好きなので継続しつつ、人に頼ることも増やしていくつもりです。いろんな人の力を借りて事業を拡大させていくことが、子育て中だからこそ必要だと思っています。

仕事についてや子育ての相談を人にしている時間もなかなか取れなくなってきたので、今はChatGPTなどのAIツールによく相談しています。

『お客様からこういう連絡が来ているんだけどどうしたらいいかな?』と聞くこともありますね。ただChatGPTも完璧ではないので、時に話が堂々巡りしてしまうこともあります(笑)」

焙煎した豆そのものを忘れたことも

学生時代は家庭教師のアルバイトをしていた竹内。飲食経験はなく、コーヒービジネスはアナウンサーの仕事とも縁遠い世界なので、まさにゼロからの起業だ。そんな中で、すでに失敗も数多く経験している。

「フェスに出店した時は『そのサイズのヤカンは小さくない?』と指摘されて、車に乗って買い出しに行ったこともありました。実は焙煎した豆そのものを忘れたこともあります。

この年齢でこんなに失敗したくないんですけど、めちゃくちゃ失敗していて、テレビ朝日に入社したばかりの新人アナウンサー時代を思い出しています(笑)。

ひさしぶりにミスばかりな時間を過ごしているんです。

今はコーヒーに関する現場に行く時、“何かミスしてないかな”と考えるようになってしまって、ちょっと怖いんです。基本、私は猪突猛進型で、勢いで何でもやっちゃうタイプ。経営者には向いていないかもしれません(笑)。

ただ、良いなと思える焙煎機、焙煎所と出合うことができて、その後、頼りになるスタッフさんにも出会うことができました。そういった好循環の輪が不思議と広がっていて、事業を進めやすい状況になっていると思っています。

これからはアナウンサー業務のように、誰かの依頼に応えるだけでなく、会社をマネージメントしていく立場なので、頑張っていかなくちゃですね。夫には『まだ慣れてないから仕方ないよね』と慰めてもらっています(笑)」

インタビュー後編では、竹内がフリーアナウンサーとして仕事を行なう上での葛藤など本音を語ってくれた。

取材・文/中山洋平 撮影/藤木裕之

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