2025年9月、コーヒービジネスへの参入を宣言したフリーアナウンサーの竹内由恵。現在はネット販売専門のコーヒー店「renag coffee」を運営し、いずれはリアル店舗の展開も見据える。
そもそも竹内はアナウンサーとして知名度は抜群で、メディア露出も多い。そんな中でなぜコーヒー事業に乗り出したのか。インタビュー後編ではその理由を語ってもらった。
これから伸びる可能性があるものに挑戦したい
竹内由恵が、コーヒービジネスを起業するにあたり、投資した金額は約1000万円。静岡・浜松の焙煎所には念願だった5kgのPROBAT焙煎機を設置し、ECサイトも立ち上げた。“後には引き返せない”と覚悟をもって利益を出すことに意識を向けているという。
「今は“この日は焙煎の日だから、アナウンサーの仕事は受けられない”とお断りをさせてもらうこともあります。コーヒー事業を行なう上で、豆を卸してくださる業者さんなど、関わってくださる方も増えています。簡単におりるわけにはいかないという気持ちは日に日に強くなっています」(竹内、以下同)
竹内がコーヒー事業に挑戦した背景には、コーヒーが好きという気持ちに加え、フリーアナウンサーという仕事を行なう上での葛藤があった。
今年の1月20日に40歳の誕生日を迎える竹内は、「仕事を待っている受け身の姿勢のままでいてはいけない」と考えるようになった。
「アナウンサーとして、これ以上の伸び代が私にあるのかなと思ったんです。受け身なままの仕事をしていくのにも限界を感じていましたし、過去の自分が積み上げてきたものを消費するような生き方はしたくなかった。
だったら、コーヒー事業というこれから自分で伸ばしていける可能性があるものに挑戦したいと考えました。
なにより自らで焙煎したコーヒーを飲んでみる瞬間はこの上なく楽しいです。そして自分が作ったものを欲してくださるお客様に、その商品が届いていく過程も面白い。
まだまだ始まったばかりですが、コーヒー事業は積み重ねた経験が結果となって現れてくれるものだと手応えを感じています」
竹内が淹れるコーヒーは現在50点。その理由は?
竹内はコーヒー事業を推し進めながら、引き続きフリーアナウンサー・タレントとしても活動していくという。
「セカンドキャリアと言うと、アナウンサー業から一気に手を引くような印象を与えてしまうと思います。そうではなくて、キャリアをコネクトするというイメージです。
コーヒー事業にも私のアナウンス業で培った人脈などが活かせる部分はあると思うし、それこそコーヒー事業に投資したお金もアナウンス業で補填していくつもりです。
一方、コーヒー事業を始めてから人生の景色が変わったような気がしています。起業する上でビジネスマンとしての経験値がわずかながら上がったと思いますし、興味のあるモノ・コトに対しての変化もありました。
そして世の中で活躍されている事業主さんの“凄み”を実感しています。『一代でこんな会社を築いたんだ……』など、仕事に対しての理解が一層深まったというか。
この取材が始まる前、竹内自らコーヒーを淹れてくれた。そんな竹内に“現在の竹内由恵が淹れるコーヒー”を採点してもらうと「これは難しいところなんですけど……50点くらいですね」と答えた。
「課題はたくさんあります。これまで私は綺麗に豆を焙煎することにこだわっていたんですけど、最近はコーヒー豆を発酵させて特別な味わいを付け足したりするんです。今後はそうした発酵技術も取り入れて、わかりやすく、誰が飲んでも“コレは違う”と感じられる、特別な味わいを目指したいです。
コーヒービジネスにおいての近々の目標は現在、手伝ってくれている優秀なスタッフを社員第一号として迎えることです。私との仕事に専念してもらっても困らないくらいのお給料をお支払いできるようになりたいですね。
他にも私自身がいろんな場所に出向いて、提供するコーヒーを継続して飲んでもらえるような、ビジネスモデルを作り上げていきたいです。ECサイトでは定期的に新しい豆を提供して、コーヒー好きが覗くと楽しいサイトを目指します。リアル店舗についてはいずれ考えます」
初めての店舗では手作りのクッキーやマフィンを提供したい
コーヒー事業において最終的な目標は「猿田彦珈琲のようになること」。
「東京と浜松、どちらかで第一号店を開きたいと思っています。お菓子作りは好きなので、初めての店舗では手作りのクッキーやマフィンを提供して……まだこのあたりは妄想に過ぎません。
3年以内に年商1億円という目標を掲げましたが、もちろんその先も目指していくつもりです。家庭ファーストであることには変わりませんが、4歳の長男が小学校高学年になる頃……7年後に店舗拡大を見据えています。夫も『頑張る意義があると思うよ』と応援してくれています」
子育てにアナウンサー業……時間がない中でも“将来への投資”と一歩を踏み出して始めた「renag coffee」。上手くいく保証はどこにもないが、挑戦することを選んだ竹内の目は輝いている。
「今までは自分に自信がありませんでした。フリーアナウンサーになった時も『実力はないけど、これまでの関係値があってこの現場にいさせてもらっている』という意識がどこかにあったんです。
でも今は会社の代表として動いています。“自信のない社長では事業は広がっていかない”と自分に強く言い聞かせて、挑戦を続けます。
アナウンサー時代は常に“依頼を待つ側”でしたが、今後は“ぜひ竹内さんに!”と積極的に声を掛けてもらえるような存在になりたいと思っています。コーヒービジネスで得た経験はアナウンサー職にも活かせると思いますし、事業主としてキャリアを積む中で、人間としても強く成長していきたいと思います」
取材・文/中山洋平 撮影/藤木裕之

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