「次も優遇される約束だった」「こんなことなら“中道”に鞍替えしておけば…」村上誠一郎前総務相が“比例10位”で絶体絶命のピンチ!  地元からは「高市さんのやることは容赦ない」
「次も優遇される約束だった」「こんなことなら“中道”に鞍替えしておけば…」村上誠一郎前総務相が“比例10位”で絶体絶命のピンチ! 地元からは「高市さんのやることは容赦ない」

自民党の比例名簿が発表され、村上誠一郎前総務相(73)が四国ブロック10位となったことに驚きが広がっている。村上氏といえば、かつて安倍晋三元首相を「国賊」と発言し、安倍氏や安倍政権の流れを継承する高市早苗首相とは距離が遠いと言われている。

 

いっぽう石破茂前首相のもとでは重要閣僚である総務相を務めるなど、石破氏とは親しかったことで知られる。主流派にもモノ申せる数少ない大ベテランとして知られる村上氏が、比例代表で優先順位の低い結果となった背景とは。

「比例での優遇は2回ある約束だった!」ブロック総会で発言も援軍はなく…

これまで村上氏は、11期連続で小選挙区での当選を果たしてきたものの、前回2024年の衆院選では愛媛県内の区割り変更で小選挙区が4議席から3議席に減ったため、比例に転出。その際は四国ブロック1位と優遇されていた。

しかし、73歳で迎える今回の選挙では、本来自民党の「公認時に73歳未満」という定年制ルールに照らせば、比例では立候補できない立場とはいえ、区割り変更による転出という事情が考慮され、比例名簿に登載されることになったのだ。

なぜ今回は、1位で優遇された前回と打って変わって10位となってしまったのか。全国紙政治部記者が解説する。

「数日前に四国ブロックの総会で、議員たちが比例名簿について話し合っていたときも、誰も村上氏の件を話題に出さず、村上氏と仲のいいはずの中谷元前防衛相もだまっていました。しびれを切らして村上氏本人が『比例での優遇は2回ある約束だった』と言ったのですが、周りはしらけていて同調してくれる議員はいなかったそうです。

村上氏は『中道から声がかかっていた』という噂もあり、本人もそれをにおわせる発言をしていました。こんなことなら本当に“鞍替え”していたほうがよかったのかもしれません」(全国紙政治部記者)

2024年衆院選の四国ブロックで自民が獲得した議席は、1位の村上氏を含めて3議席。今回も自民の比例獲得議席が3とすると、小選挙区との重複立候補者9人のうち、3人が小選挙区で落選すれば村上氏に議席が回ってこないという、絶体絶命のピンチだ。

「国賊」発言も、フレンドリーな性格があだに

そんな村上氏は自民党内では変わり者とみられるところもあるが、元来フレンドリーな性格で知られるという。

「初対面の記者でも『お久しぶりです。

覚えてますか?』と言うと『覚えてる、覚えてる!』と話を合わせてくれるような人柄なので、記者には好かれています」(地元紙記者)

ただ、そのフレンドリーさがあだとなってしまったのが、安倍氏の国葬の是非が話題になっていたときに村上氏が起こした「国賊」発言騒動だ。

「村上氏はあのとき、記者数人の前で安倍氏を『国賊』と表現しました。当初は1、2社の取材に答える予定が、他社の記者も飛び込みで村上氏のもとに来たところ、『いいよ、いいよ』と取材に加わることを快諾しました。

さらに、党内にシンパが多い安倍氏への批判をするなら、発言者の名前を表に出さない『オフレコ』にしたがる議員が多いところ、録音や記事で発言者を明示することも『いいよ、いいよ』とあっさり許可したので、飛び込み参加した記者によって『国賊』発言が報じられてしまい、1年間の役職停止処分となってしまいました」(全国紙政治部記者)

こうした発言もあって、党内での村上氏の人望は決して厚くない。石破茂前首相は「村上先生は大変ご立派な方。総務会でも村上先生が意見をおっしゃると、その場の空気が変わる」と評していたが、その石破氏も首相でなくなった今、安倍氏を慕う高市執行部には村上氏の後ろ盾や仲間はほぼいない状態だ。

地元市議は「10位はあんまり…」「政治家として終わった人」

党内にほとんど仲間がいない中でも、村上氏を慕う地元の自治体議員は「10位」という比例順位には同情的だ。

「本人も1位と思ってたんとちゃうか。10位はあんまりでかわいそうや。現実的に当選はほぼ無理やろう。地元では人気やし、自民党に貢献してきた人なのに……。高市さんのやることは容赦ない」(村上氏の地元市議会議員)

いっぽう、ほかの自民市議は「村上さんは『国賊』発言で、政治家としては終わった人。

本来もっと早く身を引くべきやった。今回落選したら事実上引退やろう。『ちょうどよかった』って言う人のほうが多いな」と冷ややかだ。

比例名簿をめぐってはほかにも、後ろ盾がいなかったがゆえに冷遇された人がいる。阿部俊子前文科相だ。阿部氏は中国ブロックで20位となり、比例復活は難しい状況になっているが、これには麻生太郎副総裁の怒りを買ったがゆえの“報復”との見方もある。

「阿部氏は麻生派に所属していたものの、ほか3人の議員とともに2022年、麻生派を脱会しました。麻生氏が副総裁を、麻生氏の義弟である鈴木俊一氏が幹事長を務める現体制のもとで、麻生派を裏切ったことへの“報復”の意味もあるとみられています。

阿部氏も村上氏もそこまでの怒りは買っていないものの、『非主流派は下位に』の流れにあらがえなかったのでしょう」(全国紙政治部記者)

比例名簿下位になった候補者たちは、1人でも多くの小選挙区の当選と、自民党全体への追い風ムードをひたすら願って選挙を戦うことになる。村上氏は一部報道で「全員が当選するまで頑張るだけ」とコメントしているが、「比例冷遇組」は国会に舞い戻ることができるか。

選挙戦は始まったばかりだ。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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