「虐待だ!」「微笑ましい…」園児317人が真冬にランニングシャツで走るマラソンに賛否…実施する北九州の幼稚園は「50年間一度も休むことなく続けています」
「虐待だ!」「微笑ましい…」園児317人が真冬にランニングシャツで走るマラソンに賛否…実施する北九州の幼稚園は「50年間一度も休むことなく続けています」

全国的に厳しい寒さが続く中、Xである投稿が話題を呼んだ。一年でもっとも寒さが厳しいころといわれる「大寒」の日に、ある幼稚園でマラソン大会が行なわれたというのだ。

とりわけ目を引いたのが園児たちの出で立ち――ランニングシャツに短パンでマラソンに挑むその姿に、Xでは驚きの声があがった。

「創立以来50年間一度も休むことなく開催しています」

「子供は風の子だから大丈夫」
「自分が幼稚時代は天気が良ければ男女関係なく上半身裸で乾布摩擦やってた時代なので 微笑ましく見えます」
「児童虐待にしか見えないし普通に風邪引く」
「泣いてる子もいるのに可哀想」

真冬にもかかわらず、ランニングシャツに短パンという薄着でマラソンをする幼稚園児たちの様子に、X民からは賛否両論が巻き起こった。

二十四節気の「大寒」の日にマラソン大会を実施したのは、北九州市小倉南区の「学校法人育徳学園 フレンズ幼稚園」だ。

なぜこうした取り組みを行なうのか。マラソン大会実施の背景について同園に話を聞いた。

「当園は1976年に開園し、今年で創立50周年を迎えました。開園以来ずっと『体と心を鍛えて何事にもくじけない子どもに成長してほしい』という願いを込めて、二十四節気の一つである大寒の日にこだわってマラソン大会を開催しています。

2歳児から受け入れており、現在353名の園児が在籍しています。マラソン大会に参加したのは年少・年中・年長の317名です」

同園の担当者によれば、大寒の日が土日に重なった場合でも実施しており、コロナ禍でも中止することはなかったという。

「賛否両論ありましたし、さまざまなご意見もいただきました。でも、『最後まで頑張る力』をつけるという目的のもと、保護者の方の応援が全くない状態で実施した年もありましたが、曲げずに続けてきました。開園以来50年間一度も休むことなく開催してきています」

「以前は上半身裸で走っていました」

驚くべきは子どもたちの走る距離だ。

「近隣にある公園を借りて走っているのですが、走る距離は年長時が1.4キロ、年中と年少が1キロで、毎年全員完走しています。

最初からいきなり急に走るのではなくて、園庭を走るなど日ごろから積み重ねをしています。

そしてコースを見に行く日も、最初から『よーいどん』で走るわけではなく、子どもたちが完走できるように少しずつ慣らす工夫をしています。当園は園庭も広いですし、相撲場もあり、健康教育全般に力を入れています」

開園以来50年間続けているという「大寒マラソン」。ではなぜ「ランニングシャツに短パン」という薄着で実施しているのか。

「開園当初は『裸保育』というのをしており、マラソンも上半身は裸の短パン姿で行なっていました。私もここに入って30年になりますが、30年前もまだ上半身は裸で走っていました。

ですが時代の流れもあり、今は幼児期からの性教育が推奨されるようになりましたし、裸になることに関しても紫外線の問題がすいぶん言われるようになってきました。

その頃から裸ではなく、制服のような形で園独自のランニングシャツを作りました。今は運動会もランニングシャツと短パンに裸足で行なっています」

「感動した」保護者からは好意的な声

保護者からはどのような声があるのかと問うと、「好意的なご意見をいただいています」という。

「保護者の方が毎年すごく温かい応援をしてくださるので、ありがたいなと思っています。マラソン大会は急に始まったことではなくて、50年の歴史があります。入園する保護者の方はこの行事があるということを分かった上で入園されています。

ですので、保護者の方から反対意見であったり、やめてほしいといったご意見は今のところありません。

どちらかというと、『子どもたちが一生懸命走っている姿を見て感動した』とか『心も一緒に鍛えてもらった』といった好意的なご意見をいただいています」

子どもの体力や運動能力が低下しているといわれるなか、文部科学省では「幼児期運動指針」を策定し、幼児期に運動を行なうことの意義を示している。また、大人に比べて体温調節機能が未発達とされる子どもが、外気に触れることの大切さについても指摘されている。

賛否の声が上がるフレンズ幼稚園の「健康教育」は、スマートフォンやテレビに囲まれた環境で子育てをする現代において、さまざまなことを考えさせる取り組みといえそうだ。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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