「このハゲーーッ!」で消えた豊田真由子氏が参政党から“比例単独1位”の厚遇…本人に「自民党との“違い”は何ですか?」と聞いてみた
「このハゲーーッ!」で消えた豊田真由子氏が参政党から“比例単独1位”の厚遇…本人に「自民党との“違い”は何ですか?」と聞いてみた

自民党の衆議院議員時代、政策秘書を大声で罵倒するパワハラ言動が問題になって一度は政界を離れた豊田真由子氏(51)。彼女は今回の衆議院選挙に参政党の北関東ブロックの比例単独候補として出馬した。

埼玉県深谷駅前で街頭演説に立った豊田氏は、自分の言動が原因で社会的批判を浴びたことに涙を流したりもした。

秘書への暴言、最下位落選…一度消えた豊田氏

「このハゲーーッ!」「違うだろ、違うだろー!」

2017年6月、週刊新潮が公開したICレコーダーの音声が多くの人の耳について離れない。報じられた政策秘書への罵声と暴行疑惑の決定的証拠は同年5月下旬に録音された。

豊田氏は支援者へのバースデーカードの宛名記載ミスを理由に、運転手を務めていた50代の男性政策秘書に対し車内で罵詈雑言を浴びせたとされる。

報道直後、豊田氏は「心身の不調」などを理由に入院し、同年9月の釈明会見では涙ながらに謝罪しつつ、

「(秘書が)高速道路を逆走するなど、命に関わるようなミスが続いたため、パニックになってしまった」

と言い訳した。自らの暴言を秘書のせいにしたため、また世間の怒りに燃料を注ぐ結果となった。

「豊田氏は東大とハーバード大学院を出て厚生労働省に入省した元エリート官僚で、裏の顔が報じられると世間は驚きました。あの絶叫フレーズは流行語大賞にノミネートされるほどの社会現象となり、自民党離党に追い込まれました。

同年10月の衆院選にも無所属で出馬しましたが、結果は最下位での落選。政治生命はそこで絶たれたかに見えました」(政治部記者)

ところがその後、テレビコメンテーターの「毒舌キャラ」として復活。2025年9月には参政党入党を発表し、政界復帰に動き始めた。

「『国民運動』や『反グローバリズム』を掲げる参政党は、豊田氏の知名度と政策立案能力を買い、豊田氏は組織というお守りが手に入ることで利害が一致したようです」(政治部記者)

入党直後から豊田氏は党の政策スクールで講師を務める一方、全国を回ってマイクを握り、神谷宗幣代表に次ぐ党の「顔」的存在に。党では政調会長代行を務めている。

そして突然実施が決まった今回の衆院選。豊田氏は北関東ブロックの比例代表で単独1位という厚遇で出馬。当選は確実とみられ、各地の小選挙区候補を応援に回っている。

「死ぬことばっかり考えてました」街頭演説で語られた過去

1月30日夜のJR深谷駅では厳しい寒さの中、高齢者が目立つ約50人の聴衆を前にマイクを握り、埼玉11区の甲斐隆候補(54)の応援をした。

「甲斐さんは私の大好きな『くまのプーさん』にそっくり! プーさんに似ている人に悪い人はいません。

私も地獄を見てきたんで、色々学んでまして。甲斐さんはいい人、これ間違いなし」(豊田氏)

つづいて「失われた30年」と呼ばれる経済停滞について自民党政権の責任を指摘。「私もその中で5年やりました。ごめんなさい」と頭を下げる。終盤には、

「私はちょっと色々あって、人生どん底の時期が結構あって、死ぬことばっかり考えてました。体重も35kgぐらいまで減って、コソコソ隠れて生きてました。自分にはもう生きる価値がないと思っていました」

と声を詰まらせたりもする。

地獄を見たり、人生どん底だったという時期が9年前の騒ぎのことを指すのかははっきりせず、明確に暴言問題に言及することはなかった。

最後に、

「明けない夜はない。参政党の橙色の希望の太陽は必ず昇ります!」

と豊田氏が声を張り上げると、支持者が「そうだ!」「頑張れ!」と呼応した。

「新しい政治の形に私は感動しているんです」

演説後、聴衆との握手会を終えた豊田氏に質問をしてみた。

ーー自民党と参政党の「違い」は何かありますか。

自民党が嫌いなわけでもないし、良い議員さんはたくさんいらっしゃいます。人がどうこうではなくあくまで制度的な問題なんだと思うんです。

その点、参政党は党員の皆さんが主役です。普段から私利私欲ではなく、この日本を良くしたいという純粋な思い、利他の心だけでやってくださっています。

私たちの党の良いところは、国会議員がまったく偉くないことです。永田町の勉強会でも、党員さんが一番前の席に座り、議員は後ろにいる。こうした逆転した構造、新しい政治の形に私は感動しているんです。

ところがここで党員やボランティアを名乗る男性らに「質問は党を通して送ってください」と制止された。

具体的な政策などを詳しく聞こうとしたが取材は打ち切られた。

いっぽう神谷代表は1月31日、遊説先の大阪府堺市で同党の大きな武器であるSNSの反応が悪いとぼやいた。昨年の参議院選の時よりも聴衆は多いのに「SNSの発信が全然広がっていない。ちょっと違和感がある」というのだ。

「今まではXで拡散されていたが広がらず、3分の1ぐらいに減っている」と神谷氏は言う。

政治部記者は、「解散前に2議席だった参政党は比例を中心に大きく議席を増やしそうですが、小選挙区では苦戦しているとの見方があります」と選挙戦前半の情勢を解説する。

神谷氏が言うSNSの拡散力不振は事実なのか。事実なら、豊田氏のマイクパフォーマンスがそれをカバーすることができるのか。選挙は後半戦に入る。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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