衆議院選挙のさなか、「高市政権が食品の消費税を2年間ゼロにした後、全体の税率を現行の10%から12%に引き上げる検討をしているのではないか」という一部ネット情報について、自民党候補者が肯定するかのような反応を示し、波紋が広がっている。
当人や自民党が火消しに追われる中、自民党税制調査会メンバーも昨年これに近い構想を口にしていたことが注目され、余波が続いている。
自民・新人候補の発言が呼んだ“選挙後増税”疑惑
衆院選では中道改革連合が食料品の消費税率8%をゼロにすると打ち出すと、連立与党の自民党・日本維新の会は⾷料品だけ2年間の期間限定で消費税の対象から外すことの検討を加速するとの公約を発表した。
国⺠⺠主党は条件付きの消費税率5%への減税を掲げ、参政党と共産党、れいわ新選組、減税⽇本・ゆうこく連合はいずれも最終的な消費税廃止を、日本保守党は⾷料品の税率ゼロをそれぞれ主張。手を触れないとしているのはチームみらいだけだ。
そんななか2月1日、経済系のネットメディアが、食料品の消費税を2年間ゼロにした場合は、その後に全体の消費税率を現⾏の10%から12%に引き上げる案が政権の一部で浮上していると伝えた。
同日夜にはYouTube番組「ReHacQ−リハック−」が開いた東京27区(中野区など)の立候補者討論会で自民党の新人・黒崎祐一候補の発言が注目を集めた。
討論では国民民主党の新人・須山卓知氏が、消費税率を12%に上げる話が候補者に来ていないのか黒崎氏に質問。
これに対して黒崎氏はこう答えた。
「来てないわけではありません。ただ私たちは今現場で、それこそ全体の議論ではなくて、やっぱりこの中野、杉並の皆さんとは何をすべきか、どういう税率ですべきかっていうところを当然この総選挙の後に高市政権の中でしっかり揉んでいきます」
この返答には不明確な部分があるが「選挙後に政権内で揉む」との表現があった。これに対して須山氏は、税率を12%にする考えがあるなら選挙で有権者に示すべきだと指摘。
これに黒崎氏は、
「公式的にはそういう発言はないはずで、あくまでもマスコミの報道レベルなのか、それとも噂レベルなのか、そこは私たちは認識はしてません」
と応じた。
だが、その前の言葉のインパクトは強く、SNSでは「自民党に入れたら2年後に消費税12%だそうです」といった投稿が飛び交っている。
一連の影響を懸念した自民党は検討の事実はないと否定に追われ、黒崎氏も2日夜にXにお詫びを投稿し、沈静化を図った。
〈自民党内でも政府でも、消費税12%への議論をしている事実は全く無いことを確認しました。(中略)昨日のリハック討論会での私の発言について、誤解を招く表現があったことをお詫びします。〉
いったい何が本当なのか。そこで3日早朝、中野区内で駅立ちをする黒崎氏に発言の真意をたずねた。
「私レベルの立場にそんな重大な話が来ているというのではない」
――(2年後の増税の)話が「来てないわけではない」とおっしゃいました。
黒崎祐一氏(以下同) 私、地方議員やってたんで、増税とか減税がそんな簡単な話じゃないのは重々わかってますし、私レベルの立場にそんな重大な話が来ているというのではないです。
ただ今後、国民会議を含めて議論していくことが決まっているじゃないですか。それと(2月1日に)記事が出たことも含めて、(話が)届いてるっていう言い方で、あたかも党から連絡が来てるみたいな言い回しになり誤解を招いてしまったってことです。
――「選挙の後に揉む」とは?
国民会議で財源の議論をしていかなければいけないと。当然それがなければダメですし。で、もし増税をするんであれば私は反対します。
2年間の暫定(食料品税率ゼロ)が終わった時に私が国会議員になっているんであれば、中野の皆さんの考えをちゃんと伝えていかなきゃいけないので。
黒崎氏は元東京都港区議だが、国会議員のバッジをつけたことはない。ゆえに大手メディアが党幹部から増税策を聞き出せていない状況において、「私レベルの立場にそんな重要な情報が…」という説明には一定の説得力がありそうだ。
党税調幹事の動画が示す「消費税12%構想」
いっぽう、黒崎氏に連絡がいったかどうかは別にして、この騒ぎをきっかけに自民党内で「12%」が語られていた可能性があったことに注目が集まっている。
党税調の幹事を務める前職の衆議院議員・井林辰憲氏(静岡2区で立候補)が、自身のYouTubeチャンネルで昨年6月4日に公開した動画で具体的にこう話していたのだ。
〈食料品、今8%でお願いしてるのはゼロにする。その代わり財源っていう話になりますんで、私は今10%でお願いしてるとこを12%にすると大体合うらしいんですよね〉
この動画は公開より3週間以上前の昨年5月12日に収録していると動画の中で話す井林氏は、所得の再分配機能や低所得者の負担軽減を考えると食料品の消費税をゼロにすることが有効だと解説した上で、
〈目指すべき社会の方向性として、消費税、食料品はゼロで、その他を12とかにですね、お願いするってことはやっていくべきじゃないかなという風に思っております。
こうしたことをですね、今週、税制調査会の消費税で議論があるという風に言われてますのでお話をしたいと思います〉
とも述べている。
3日朝の取材では、黒崎氏は井林氏のこの発言について「事実関係として私は認識してない。そもそもそれが税調として話をされているかどうかもわからない」と答えた。
また、井林氏が動画の中で言う食料品の税率ゼロ構想は恒久的措置とのニュアンスで、現在自民党が公約に掲げている2年間の時限措置とは違いがある。
そこで3日午後、地元で選挙活動中の井林氏に直接、こうした構想を税調で実際に提案したり、税調が議論したりしたことがあるか、またこの構想と自民党の公約には関連があるのかどうかを尋ねようとした。
井林氏は「質問は事務所を通じてください」と話し、その場での取材には応じられないとしたため、井林氏の地元事務所に質問を送ったが期日内に回答はなかった。回答があれば追記する。
実現可能性がどれほどあるのかは別にしても、消費税低減策を各党が競っている今回の総選挙。物価高の主因である円安を招く悪材料にもなりうる「減税」ばかりが語られているため、日本の円安基調は変わらないだろう。増税も含めた税制変更論議を選挙でタブー視するなら、責任ある政策提示とは言えないのではないか。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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