『独りで死ぬのはイヤだ 年収200万円、48歳独身漫画家の婚活記』は、漫画家・中川学が厳しい婚活の奮闘を笑いと痛みを交えながら描く実録コミックエッセイだ。
作中にも登場し、中川さんが告白した女性漫画家・敦森蘭さんと作者が改めて対談し、「結婚とは何か」「家族とは何か」について話を聞いた。
「異性のきょうだいがいない人は勘違いしがち」
――作中で二人でお出かけされていましたが、敦森さんとしては、告白される前は、中川さんからの好意は分かっていなかったんですか?
敦森蘭(以下、敦森) そうですね。好きなお笑いが結構似てて、爆笑問題さんとかタイタンの芸人さんとか……そういう点で話が合う友だちみたいな感じだったので。
中川学(以下、中川) そうだったのか……。
敦森 好意を感じていたら、遊びにとか誘ったりしないですよ。思わせぶりな感じになりますし。
――では、敦森さんから中川さんへのお誘いは、デートなどではなかった?
敦森 私の持論なんですけど、異性のきょうだいがいない人は勘違いしがちです。私は兄がいるから男友だちも多いので、別に二人きりでどっかに行ってもデートだなんていちいち思わない。私は中川さんを友だちとして誘ってただけなんです。だから告白されたときはびっくりしました。
――でも中川さん的には、やっぱり“デート”だった?
中川 僕はそう思ってます!
敦森 今この場、私以外ほぼ男性じゃないですか。編集さん、ライターさん、カメラマンさん。ちょっと意見聞きたいんですけど……女性と二人でどっか行ったらデートだと思いますか?
――僕は……この感じはデートかなって思っちゃいましたね。漫画も読んで。
中川 よし! 一票入りましたよ!
敦森 異性のきょうだい、いらっしゃいます?
――いないです(笑)。
敦森 ……はい! じゃあカメラマンさんは?
カメラマン 僕もデートだと思いました。でもこれは、世代間のギャップもあるかなって。
中川 そうですよね! 僕とカメラマンさんは同世代で就職氷河期同士として意気投合しましたもんね。
カメラマン 本当に世代ですね。
――ちなみに、二人で観た映画は『RRR』だったじゃないですか。あんな3時間超えの映画を二人で観るということは、それはもう一定以上の関係じゃないと無理じゃないでしょうか?
敦森 あれは舞台挨拶付きのチケットだったんで…。
――じゃあ4時間超えじゃないですか。もっとデートですよ。
敦森 でも、舞台挨拶がなかったら、一緒に行ってない気がします。むしろ、もっと軽いものになった感じでした。
「結婚じゃなくて、もっと広い意味での繋がりでもいいかも」
――お二人にお聞きしたいのですが、「結婚」って改めてどう思いますか?
敦森 私、「結婚願望」は昔からなくて。でも「家族願望」はすごいあります……って言うと「それ結婚願望じゃないの?」って言われるんですけど、全然違います。
――なるほど。
敦森 だから結婚願望がある人って、何を思ってそう思っているのかなってよく思います。だから以前、結婚するメリットについて調べたことがあるんですね。そしたら、パートナーが病気のとき、妻だとサインできたり、集中治療室に入れたりすると。それは、確かにメリットかなとは思いましたが、そこだけだなって。
――中川さんは「結婚」って何だと思いますか?
中川 哀川翔さんの言葉が好きで。「家族は族」っていう。
――どういう意味ですか?
中川 家族ってコミュニティというか、結束の強いグループみたいなもの。そう捉えたら「家族をつくるっていいな」って思えたんです。
敦森 でもそれって家族じゃなくてもコミュニティつくれるんじゃないですか。縄文人みたいな感じで。
中川 わかります。でも、婚活してるうちに、別に結婚して家族をつくりたいわけじゃないのかなって気持ちにも一時期なってきて。血が繋がってるとか結婚とかじゃなくて、もっと広い意味での繋がりでもいいのかなって。
敦森 『やすらぎの郷』(2017年/テレビ朝日系)みたいな?
中川 なんですかそれ?
敦森 身寄りがないお金持ち芸能人が老後、施設に入って、コミュニティをつくるドラマがあるんです。今リアルに、そういう集合住宅もあるらしいですよ。若い人からお年寄りまで住んでいて、ルールは毎朝挨拶しに行く。「元気ですか?」って安否確認すること。
――本来、昔の共同住宅にはそういうメリットがありましたよね。
中川 僕、落語が好きなんですが、落語に出てくる長屋って共同住宅の元祖みたいなものですよね。『黄金餅』に描かれているみたいな住人に死者が出たら、同じ長屋の人たちがその遺体を火葬場まで運ぶんですよね。
独りで死ぬのはイヤだ 年収200万円、48歳独身漫画家の婚活記
中川学
累計5000万PV突破!(2025年12月現在)
「集英社オンライン」の大人気コミックエッセイ連載が単行本化!
デビュー作『僕にはまだ友だちがいない』がNHKで実写ドラマ化。自身のくも膜下出血体験を描いた壮絶実録漫画『くも漫。』が実写映画化するなど、常に話題を呼ぶ漫画家・中川学。
コロナ禍のある経験がきっかけとなり、年収200万円、48歳の独身漫画家が婚活に目覚めた! 「友人や知人」「マッチングアプリ」「婚活パーティー」「お見合い」……いろんな形で本気の婚活に挑む実録コミックエッセイ! その結末は?
マンガのほか、各婚活で学んだコラムや誌上お見合いのレポートなど読み物も充実。
#3「『年収200万円なら独りで死ね』SNSで浴びた誹謗中傷」へつづく
取材・文/集英社オンライン編集部 撮影/井上たろう

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