幻のアイドル解散、700万円持ち逃げ、仮面うつ病…ゆしんが明かす波瀾万丈の芸能人生「大好きなはるな愛さんの作品に関われて光栄」
幻のアイドル解散、700万円持ち逃げ、仮面うつ病…ゆしんが明かす波瀾万丈の芸能人生「大好きなはるな愛さんの作品に関われて光栄」

タレント・はるな愛の半生を実話を元に描く、Netflix映画『This is I』(ディス イズ アイ)が話題だ。個性豊かのキャスティング陣の中に、かつてオネエキャラとして一世を風靡した、ゆしんの名前もあった。

今作品の配信とともに改めてセクシャリティの問題が問われそうだが、ゆしんが歩んだタレント人生もまた、険しい道のりの連続だった。(前後編の後編)

仕事仲間に700万円を持ち逃げされ…

ゆしんの芸能界入りのきっかけは、17歳のときの家出だったという。

「『歌手になるから東京行く!』って言って家を飛び出して、夜のお店で働きながらオーディション受けてたんです。でも全部落ちちゃって…。そんな時、とあるきっかけでアイドルグループにスカウトされたんです。ゴブンノサンってグループ名で、“オネエってバレたら即解散!”ってコンセプト(笑)」(ゆしん。以下同)

しかし、まさかのアクシデントが起き、結果的にデビューはできなかったそうだ。

「お披露目会で歌わせてもらった時、お客様に誰がオネエだと思う?って聞いたら、その時は男性の格好をしていたのにその場にいた全員に私だって即バレたんです。いやいや!私よりオネエが横におるやん!て。

私のせいで結成からお披露目までの1ケ月ほどで即解散したので、撮影していた動画もお蔵入り。幻のグループですね」

同時期に、歌舞伎町でバーをオープンした。しかし、そこで待っていたのは信頼していた仲間の裏切りだった。

「一緒に事業をしようって話していたビジネスパートナーに、700万円を持ち逃げされたんです。

当時私はハタチで世間知らずだったから、騙しやすかったんだと思います。

だけど、芸能界に入ってテレビに出た後にその人から、『すごいじゃない!テレビ見たわよ』って電話がかかってきたんです。最後に、『バーをやってた仲間の中であなただけよ、勝ち組は。他はみんな不幸になっているからね』って嫌味を言われて電話を切られました。

お金ですか?その人が全額ホストに使ってなくなっちゃったそうで、いまだに返してもらっていません」

そんな辛い経験も乗り越えたゆしんはその後、オネエキャラを生かして芸能界で大ブレイク。数々のバラエティ番組に出演を果たしたが、悩むことも多かった。

「仮面うつ病かも…」と診断され

「もしかしたら、明日仕事がなくなるんじゃないか?という不安が常にありました。はるな愛さんやIKKOさんなど、尊敬するオネエの先輩方がいて、『言うよね~』とか『どんだけ~』ってフレーズがあるけど、自分には何一つ武器がなかった。

本来の自分は人見知りなのに、仕事中はとにかくトークに入っていこう、と無理して自分を偽っていました」

テレビ出演が落ち着いた2022年にはMiss International Queenに日本代表として出場し、The Best National Costumeで世界一を獲得した。

「これは初めてお話しするんですけど…。大会が終わった後、日本に帰って来てから精神的に辛くなってしまって。燃え尽き症候群なのかな。とにかく人と会えない、しゃべれない。

1週間以上家に引きこもって、誰の連絡も返せなかった。

その後身体の半分が動かなくなり、ベッドから起き上がれなくなってしまったんです。最初は寝違えを起こしたかな?と思って針治療やマッサージに行きましたが原因はわからず。

そんな時、友人からメンタルクリニックをすすめられ受診したところ、仮面うつ病(身体の不調が前面に出て、気分の落ち込みといううつ症状が隠れてしまううつ病の一種です。)かもしれない、と診断されました。

最初はとまどいましたが病気を受け入れた結果、楽になって前に進めましたが、2年くらいは苦しんでいました。今は完全に治っているのかと聞かれればそうじゃないかもしれない。けれど、向き合うことで精神的にも回復して、今は元の私に戻り誰かこの口、黙らしてくれへん?てくらいしゃべっています」

得意のトークを生かし、現在は講演会に招かれることも多くなった。

「自分では、私の人生って語れるほどのものではないと思っていたんですが、聞いてくれた方から波瀾万丈で面白いと言ってもらえるのことが多くなって。前回の講演会はトークは2時間、ゆしんワールド全開でもう、このまんま。ほぼ映画一本分の時間なのに、誰一人帰らず真剣に話を聞いてくれてあっという間でしたね。

私は特に頑張ってきたわけでもないし、運とタイミングに恵まれていただけなのに、今の若い人たちにこんなに話を聞いてもらえるというのは自分にとっても新たな発見でしたね」

生きづらい人にかけたい言葉

さまざまな道を経たゆしんは、昨年7月25日には自身初となる作詞を担当した『永遠』をリリース。

「もともとは、歌手になりたいからって家出して芸能界入りしたので、自分の作品を出せたことがとても嬉しかったですね。もし、生きづらいと感じている方がいるとしたら、遠回りしてもいい、逃げ道を作ってもいい、でも自分を常に持っていて欲しい。

どんな自分でもいいから自分に誇りを持っていてほしい今を生きる尊さや、小さいけど確かにある希望を持ち、シンプルだけど自分を大切にしてほしい。そんな思いを歌に込めました」

ゆしんは2月10日世界独占配信がスタートした、はるな愛の人生を描いたNetflix映画「This is I.」に出演している。

「タレントとしても、これからどうしていこうかと悩んでいた時に、『映画のオーディション受けてみたら?』とはるな愛さんからお話しがあって。はるな愛さん役はもちろん落ちましたが(笑)もう一度お話をいただいて全力で挑んだらピーチクパーチクとアドリブでもしゃべっていて、演技未経験なのにまさかの合格で!

大好きなはるな愛さんの作品に関われるなんて、めちゃくちゃ嬉しかったですね。私は、はるな愛さんの先輩のチーママ・ジェニファー役を演じさせてもらってます」

YouTubeでも、自分らしさを発信している。

「オネエはテレビでいじりづらいから、少しでもそういう人たちのなやみを解決できたら、というはるな愛さんの一声で、YouTube「なできゅん」がスタートしました。
YouTuberのように作り込んだ企画ではなくて、話の途中でいきなりメイクをし始めたりとかみんなやりたい放題で、ほぼ編集なしでトーク垂れ流しですが、素の私たちをみていただけたら嬉しいです。別で大池津三姉妹ってYouTubeも始めました!そちらもみていただけると嬉しいな」

そんなゆしんの今後の展開は。

「タレントとは違う新しいジャンルに挑戦したい。海外での活動も視野に入れて、お芝居にも挑戦して、“ゆしん、まだ頑張ってるんやな”って思ってもらえたら嬉しい。

私は体も小さいし男性だけど、そんな人でも世界で活躍できるんやって姿を見せたいですね。まずは3月10日に行われるパリファッションウィークでランウェイさせていただきます。」

テレビでもYouTubeでも、ありのままの自分を発信していくゆしん。その波瀾万丈の人生は、これからも多くの人に「生きる勇気」を届けていくはずだ。

取材・文/佐藤ちひろ

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