【勝ちすぎた自民党】「落選したら事実上引退」から一転…“比例10位”冷遇の村上誠一郎が当選「政策が正しいかどうかは別問題」と圧勝にチクリ発言も
【勝ちすぎた自民党】「落選したら事実上引退」から一転…“比例10位”冷遇の村上誠一郎が当選「政策が正しいかどうかは別問題」と圧勝にチクリ発言も

2月8日の投開票で大勝した自民党。歴史的大勝の中、比例名簿で四国ブロック「10位」とされ、「現実的に当選はほぼ無理」とまで囁かれていた村上誠一郎前総務相(73)が、比例当選を果たした。

「最初から確信の下で頑張ってきた」

「正直申し上げますと、最初はいろいろありましたけど……私は最初から小選挙区のみなさんが通ってくれればいけると。その確信の下で、とにかく愛媛県は全員通ってもらうということで頑張ってきた」

当選後、笑顔でそう答えた村上氏だが、今回の当選は自民の圧勝がなければ、簡単なものではなかったことは明白だろう。

名簿発表時には、かつて安倍晋三元首相を「国賊」と表現して党内で孤立した経緯や、高市早苗政権との距離感が「冷遇」の背景にあるのでは——と見られていたが、投開票の結果は“絶体絶命”の見立てを覆すものとなった。

発端は、比例名簿をめぐる党内の空気だった。全国紙政治部記者によれば、四国ブロックの総会で議員たちが名簿順位を話し合う場面でも村上氏の話題は上がらず、本人がしびれを切らして『「比例での優遇は2回ある約束だった」』と口にしても同調は広がらなかったという。

さらに村上氏には「中道から声がかかっていた」との噂があり、本人もそれをにおわせていたとされ、「こんなことなら本当に“鞍替え”していたほうがよかったのかもしれません」との見方まで出ていた。 

そもそも村上氏は、2024年の衆院選で区割り変更により小選挙区の議席が減ったことから比例に回り、その際は四国ブロック1位として厚遇された。しかし今回は定年制の運用も絡むなかで「10位」へ後退。

党内の人望が厚いタイプではないとも言われ、石破茂前首相が「村上先生は大変ご立派な方」と評していた一方で、石破氏退任後の執行部で村上氏を支える後ろ盾は乏しい。そんな構図が強調されていた。 

ただ、村上氏の“人となり”をめぐっては別の顔もある。

地元紙記者は、初対面の記者が「お久しぶりです! 覚えてますか?」というと「覚えてる、覚えてる!」と話を合わせるようなフレンドリーさがあると証言している。

問題となった「国賊」発言の場面でも、取材に加わった飛び込みで来た記者に対し「いいよ、いいよ」と応じ、録音や発言者明示もあっさり認めた結果、発言が広く報じられ、1年間の役職停止処分に至ったという経緯もあった。

 

自民圧勝にも「政策が正しいかどうかは別問題」とチクリ

選挙期間中には、地元での受け止められ方も割れていた。

村上氏を慕う自治体議員は「10位はあんまりでかわいそうや。現実的に当選はほぼ無理やろう。…高市さんのやることは容赦ない」』と同情的に語る一方、別の自民系市議は「『国賊』発言で、政治家としては終わった人」「今回落選したら事実上引退やろう」と冷ややかだった。

そして迎えた投開票。

結果として村上氏は比例で議席を確保し、名簿発表時に指摘されていた“薄氷”の条件を乗り越えた形だ。名簿順位の数字だけでは測れない、重複候補の当落やブロック全体の議席配分が絡み合うのが比例代表の現実でもある。

自民党の定年制で去就も注目されたが、結果的に14回目の当選を果たした。「ありがたいことに総務大臣でいろいろ勉強させていただいたので、できる限りのことをさせていただく」と当選後に意気込みを語った村上氏は、今回の自民の圧勝について冷静に分析する。

「こうやって自民党が多数の議席を得たことは非常にうれしいし、ありがたいことだが、政策が正しいかどうかは別問題だと思う。ひとつひとつの政策をきちっと議論していくことが必要だと思う」

党内の力学に翻弄されながらも、村上氏は再び国会へ戻ることになった。「比例冷遇組」は、当落の明暗を分けた選挙戦の中で何を見たのか。

与党で衆院定数の3分の2(310議席)を確保し、圧倒的盤石となった高市政権の中で高市氏に物申せる与党議員の役割は少なくないはずだ。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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