「子どものために下ネタをやめることはない」紺野ぶるまが明かす育児と芸人活動の両立語る
「子どものために下ネタをやめることはない」紺野ぶるまが明かす育児と芸人活動の両立語る

女性芸人としては異例の“下ネタ”を武器に人気を集める、紺野ぶるま。彼女は、今年9月の誕生日で、40歳という節目の歳を迎える。

また、プライベートでは2019年に結婚し、2022年には第一子を出産した母でもある。ライフステージが大きく変化するなか、女性芸人として、そして母としてどのように芸に取り組んでいるのか、話を聞いた。(前後編の後編)

驚異的!ショート動画で62万いいね

紺野ぶるまは、21歳で芸人デビューを果たし、26歳頃から下ネタを取り入れたお笑いに本格的に向き合うようになった。2017年~2018年と2年連続で『R-1ぐらんぷり』(現・R-1グランプリ)決勝に進出し、評価と人気が高まるなか、2019年には一般男性と結婚した。さらに2022年には第一子が誕生し、芸人として、そして母としての歩みを重ねている。

――出産されてから4年近く経ちます。今はもうペースをつかめてきていますか?

紺野ぶるま(以下、紺野) そうですね。子どもも今年で4歳になるので。1~2歳ときは、保育園に行っても熱を出したりといったことがありましたけど、今はだいぶ楽になりました。これからどんどん大きくなるので、より動きやすくなるかなと思っていますね。

夫と一緒に子育てをしているので、それも本当にありがたくて。私は夜型人間なので朝が苦手なんですけど、夫が朝早くに起きて、子どもに朝ごはんを食べさせてから出勤してくれるんです。

子どもがご飯を食べ終わった頃に夫が私を起こしてくれるんで、めっちゃ助かってます(笑)。

――ご主人は、紺野さんのお仕事をどう捉え、どのようにサポートしてくれていますか。

紺野 夫はもう全力でぐらいやってくれます(笑)。基本的にはご飯を作ったり、部屋や水回りなどの掃除などは私がやります。ワイシャツなどのアイロンがけなどは夫が自分でやってます。

――子育ての合間にネタを考えているのですか。

紺野 考えることが多いですね。うちの子は、寝かしつけようとしても平気で2時間くらい寝てくれないときもあったんです。その間は、部屋を暗くしないといけないし、携帯も見れないし、私も眠くなっちゃうし…(笑)。

なので、ネタをずっとリピートして言っていたり、何か思いついたら布団の中に隠してある携帯を取り出してメモしたりしていました。

――お子さんが幼い頃はお仕事はお休みされていたんですか?

紺野 少しお休みしていたのですが、産後3か月くらいだったかな。芸人のラップ選手権ではなくて、ガチのラップ選手権になぜか出ますって言っちゃったんです。

今でも、なぜ出るって言ったのか記憶がないんですけど(笑)。

出るからにはちゃんとラップができないとサムいなと思って、寝かしつけの時にビートを流しながら「今日も一日ひぃひぃふ~、狙うぜお前と金一封~」とかやってたんですけど、私がラップやると退屈なのか、子どもはすぐ寝ましたね(笑)。

――紺野さんのお笑いスタイルに関して、ご主人から何か言われたことありますか。

紺野 それがないんですよね。でも、それも作戦が成功したというか。

――作戦?

紺野 付き合う時に、「私は歯科助手です」って言っていたんです。ちょっとだけですけどバイトしてたので嘘はついてない。お笑い芸人と言っていないだけで(笑)。

ただ、LINEのアイコンを『ぶるま、夜の新宿でかけまくり』という単独ライブのフライヤー画像にしていたのですが、それがAVのパッケージみたいなデザインで(笑)。

彼はなぜかそれをおかしいとは思っていなかったんですけど、「彼女なんだよね」と会社の同僚に見せたら、「え、ちょっと待って、この人!!」と気づかれ、YouTubeで検索したら私が4分間下ネタを言いまくる動画を見つけてしまったんですよね。

 ――そ、それは危機的状況ですね。

紺野 彼と食事に行った時に、「あれって紺野さんですか? 動画で『芽吹きました』とか言ってたよね~」と言われた瞬間、やばっ!ってなって、私、夫の喉仏をギュンってつかんで「その感じでバカにしたら、お前許さないぞ」って脅したんです。

そうしたら、「分かったよ」となり、そこから何も言われなくなりました。やりたいことがあるなら、好きな人にも強く出る。本当におすすめです(笑)。

妻であり母でもある彼女は、下ネタという難しいジャンルを武器にしている。家族の前で下ネタは憚られるという人も多いと思うが、どのように向き合っているのだろうか。

――お子さんが成長すると、紺野さんのネタも理解するようになるのではないかと思います。お子さんのことを思って芸風を変えようと思ったことはありますか。

紺野 結婚するときや産む前は悩んだのですが、今はそんなに考えてないです。子どものために下ネタをやめることはないかな。例えば、それが原因でいじめとか、子どもが悲しい思いをすることになったらやめるかもしれないですけど。

下ネタでのお笑いを真面目に取り組んで、ちゃんと形やお金になって、周りの人たちから「いやいや、あれは芸だよ」って言われるように頑張りたい。子どもの世代にも笑ってもらいたいし、やりたいことを貫いて、家族に還元できたらいいなと思います。

――お子さんも笑える下ネタみたいなものが、今後の目標の1つになりそうですね。

紺野 そうかもしれないですね。好感度を狙うわけじゃなくて(笑)、子どもがすごく好きで、昔の夢は保育士さんか芸人かなと悩んで、結局芸人になったんです。

でも今になって保育士の資格も挑戦してみようと考えて、いま勉強をしているんです。私は高校中退なんですけど、まずいまは大学に通っています。子どもと関わる仕事がしたいので、乳幼児の心理学や障害児心理学などもやっていて、とても実になってます。

――今後、紺野さんはどのような展望をお持ちですか。

紺野 子どもができたことで私の考え方や視野が広がったかなと思っているので、子どもも大人もみんなが笑えるようなネタづくり。それができるようになれたらいいですね。

いろんな世代から笑ってもらえるようになれば、みんな幸せ。……そこに“成功”があると思います。

――いまの“成功”の言い方は、何か意味を含んでいるような…。

紺野 (ニヤリと笑って)もちろんかかってますよ~。いろんな“成功(性交)”があることが必要かなと思います(笑)。

いつか子どもが誰かに私のネタは品がないと言われたとしたら、「品がないってどういうことなんだろう?」、「下ネタを言うことが品がないんじゃなくて、人が一生懸命やってるものを雑に下品って言うほうが品がなくない?」みたいな感じで諭しながら言ってみよっかなー(笑)」

――さすが紺野さん、ご主人だけでなくお子さんへの切り返しも上手く乗り越えそうですね。最後に、紺野さんの考える下ネタについて何か一言もらってもいいですか。

紺野 たぶん世間では「下ネタは下世話、くだらない、汚れ」っていう認識だと思うんですが…。下ネタは“精巧”なものだという認識に変えたいですね!

気さくに受け答えながら笑いを誘う。彼女のトークは軽やかでまるでスキップしているような、そんな明るさを持っていた。支えてくれる家族のことも考えながら、信念を持って女芸人の道を進む紺野ぶるま。彼女の新しいお笑いスタイルが芽吹くのも、もうすぐかもしれない。(#1はこちら)

取材・文/羽田健治

(撮影/矢島泰輔)

編集部おすすめ