親失格? テレビ出演後に炎上しても、私が家庭でAIを使い続ける理由「AIを使うことと丸投げは違う」
親失格? テレビ出演後に炎上しても、私が家庭でAIを使い続ける理由「AIを使うことと丸投げは違う」

テレビで「生成AIを家庭で使う家族」として紹介された翌日、SNSには「AIに子育てを丸投げ」「親失格」という言葉が溢れた。男子3兄弟(小6・小4・3歳)を育てる宮崎さんは心が折れかけそうになりながらも、AIを手放さなかったという。

炎上を経て見えた、道具の是非ではなく“使い方”と“責任”をしっかり見極める線引きとは。

新刊『AI×家事 毎日バタバタな3児ママがAIを使ってみたら、一人で悩む時間が消えた』より一部抜粋・再構成してお届けする。

「AIに丸投げ」という批判もー炎上を経て私が使い続ける理由

先日、私たち家族がテレビ番組で「家庭で生成AIを活用している家族」として取り上げられた。

制作チームはとても丁寧で、誠実に取材してくださった。番組では、子どもと一緒にAIでぬり絵を作ったり、献立を相談したりといった日常が紹介された。

特別なことをしているつもりはなく、ただ新しい道具を使って、子どもたちとの時間をもっと豊かにしようとしているだけだった。でも、放送後に起きたことは、想像を超えていた。

番組が流れたその夜から、SNS上にさまざまな反応が寄せられた。賛否が分かれるテーマだろうなという覚悟はしていた。私が想像していたのは「価値観の違い」から来る意見や、「こういう視点もあるのでは?」という問いかけ。

でも、目に入ってきた言葉の多くは、そういう類のものではなかった。

「AIに子育てを丸投げしている」「親失格」——私たちの人格そのものを否定するような言葉。実際にどれだけの人がそう思っていたのかはわからない。

声の大きな少数だったのかもしれない。

けれども、一度読んでしまった言葉は、頭の中で何度も再生される。「子どもたちに取り返しのつかないことをしてしまったのかもしれない」——自分の中にあった小さな信念が、揺らいでいくのを感じた。

正直に言うと、しばらくの間、何もかも投げ出したくなった。SNSを見るのが怖くて、発信を続ける意味がわからなくなった。「もうこれ以上、誰にも何も言われたくない」という気持ちが、ずっと頭の中をぐるぐる回っていた。

「AIを使うこと」と「丸投げ」は違う

少し時間が経ってから、冷静に考えてみた。批判の中には、耳を傾けるべきものもあったと思う。たとえば「子どもが自分で考える機会を奪っているのでは」という指摘があった。

これは正直、私自身も気をつけていることだ。AIが答えを出してくれるからといって、子ども自身が試行錯誤するプロセスを省略してしまったら、それは確かに問題だと思う。

ただ、「AIを使っている」というだけで「丸投げ」と受けとられてしまうことには、少し立ち止まって考えたい。

AIを使って献立を考えることは、料理本やレシピサイトを見ることと、何が同じで、何が違うのだろう。



AIと一緒に調べ学習をすることは、図書館で本を探すことと、どこが決定的に異なるのだろう。

もちろん、AIには「答えがすぐ出る」という特性があって、そこに依存しすぎるリスクはある。調べるプロセス自体に学びがあるのに、それを飛ばしてしまう危険性。その懸念は、私も理解できる。

でも、道具の存在そのものが問題なのではなく、使い方の問題なのではないかと思う。「AIを使う=思考停止」ではなく、どう組み込むかによって学びは奪われることも、深まることもある。

AIをきっかけに、会話が広がっていく

AIと一緒に料理しているときの子どもの様子を見ていると、「これ、AIに聞いてみよう」と自分から提案してくるし、返ってきた答えを見て「え、こんなのもあるんだ!」と目を輝かせる。

そのあと「でも本当にこれでいいかな」と一緒に考える時間が生まれる。AIが出した答えをそのまま受け入れるのではなく、それをきっかけに会話が広がっていく。我が家にとってのAIは答えを与えるというより、会話が始まるきっかけになることが多い。

批判の声に圧倒されそうになっていたけれど、温かい声も届いていた。「参考になりました」「視野が広がりました」「うちでも試してみます」—まったく知らない誰かが、私たちの取り組みに何かを感じてくれていた。

もちろん、温かい声だから正しいとか、批判だから間違いだとか、そういう単純な話ではない。

ただ、いろいろな意見があるなかで、参考になったと言ってくれる人は「AIを使って何をしているか」を見てくれていたように感じた。

私がAIを使うのは、「AIに任せて終わり」にするためではない。AIに任せられる部分を任せることで生まれた時間と余裕を使って、子どもともっと話したり、一緒に考えたりする。それが、私にとっての「AI活用」だ。

子育てにAIを使うことは、悪いことなのか。今の私なりの答えは——親としての判断や関わりを手放さないかぎり、AIは「丸投げ」ではなく「分担」になりうる、ということ。

AIに献立を考えてもらっても、最終的に作るのは私。子どもが食べられるか判断するのも私。AIに調べ学習を手伝ってもらっても、「これって本当かな」と話し合うのは私。結局のところ、責任を持つのは親である私自身で、AIはその判断を助けてくれる存在でしかない。

もちろん、この線引きが正しいのかどうか、私自身も手探りで考え続けている。すべての家庭に当てはまる正解があるとは思っていない。

余裕があるから、穏やかに子どもと向き合える

炎上を経て、私が思ったことがある。他人が何と言おうと、私はこの「余白」を手放したくない。AIを使うことで生まれた時間と心の余裕。それがあるから、子どもの話をちゃんと聞ける。自分の思考を深められる。家族に穏やかに接することができる。

私自身、余裕がなくなると、つい子どもに厳しく当たってしまったり、話を最後まで聞けなかったりする。そうならないための一つの工夫として、私はAIを使っている。理想の親になりたいわけではない。ただ、できるだけ穏やかに、子どもたちと向き合い続けたい。そのために使える道具があるなら、使ってみたい。それだけのことだ。

批判する人もいる。

理解してくれない人もいる。その中には、私がまだ気づいていない大切な視点もあるのかもしれない。でも、参考になったと言ってくれる人もいる。すべての答えを持っているわけではないけれど、必要としてくれる人に届けばいい—そう思いながら、これからも発信を続けていきたい。

文/宮崎真理 写真/PhotoAC

『AI×家事 毎日バタバタな3児ママがAIを使ってみたら、一人で悩む時間が消えた』(扶桑社)

宮崎真理
親失格? テレビ出演後に炎上しても、私が家庭でAIを使い続ける理由「AIを使うことと丸投げは違う」
『AI×家事 毎日バタバタな3児ママがAIを使ってみたら、一人で悩む時間が消えた』(扶桑社)
2026年3月1日1,760円(税込)176ページISBN: 978-4594101909

\1000日間、使い倒して厳選した60の活用例/

\3児ママが“本当に使えたこと”だけ集めました/

「今日の夕飯どうしよう」
「明日のおでかけ、行き方調べなきゃ」
「え、洗濯機がエラー!? 説明書どこだっけ……」

家事や子育ては、小さな判断の連続。
一つひとつは些細なのに、夕方にはもう考える力が残ってないーー

この本で紹介するのは、
AIをあなたの暮らしに呼んで、日々の余白を増やす方法です。

難しい知識や操作は必要ありません。
思いついたことを、そのまま話しかけるだけ。

「あぁ、どうしよう」「めんどくさい」を
気合いで乗り切る代わりに、AIを使ってみませんか?

<こんなあなたに>
□夕方には頭が疲れ切っている
□もう少し、心に余裕のある毎日を送りたい
□家事をもっとラクに、子育ては丁寧に向き合いたい
□「今日なに作る?」で思考が止まる
□家事や暮らしのモヤモヤを、一人で抱えがち
□調べても情報が多すぎて、結局決められない
□子どもの「今すぐやりたい」に、余裕を持って向き合いたい
□正解よりも「わが家に合う答え」がほしい
□AIが気になるけど、難しそうで手を出せていない

<内容(抜粋)>

【Step1 手が止まる瞬間に、AIを呼ぶ】
・夕飯の献立が浮かばない 献立づくりの重圧を手放し「考える」から「選ぶ」へ
・エラーで止まる洗濯機の謎 取説を探さなくても、話せば次が見えてくる
・謝罪メールが書けない 感情と事実を整理すれば 冷静に誠実に伝わる文に

【Step2-1 暮らしの小さな迷いを、AIに預ける】
・比較サイト、選べず溺れる 捨てる条件あえて決めれば 私にとっての正解が浮かぶ
・30分こするも落ちない汚れ 根性ではなく化学で解く 掃除がたちまち実験に
・違いがわからない商品 スペック表を比較させれば 選ぶ基準が見えてくる

【Step2-2 AIに聞いて、子育てを前に進める】
・子連れ外出のルート検索 GoogleMapの“最適”よりも 我が家にとっての正解を
・週末のおでかけ先、兄弟の誰かがいつも我慢 みんなが楽しめる選択は?
・子どもが撮った謎写真 スマホの肥やしが 世界に一つのぬり絵に

【Step2-3 子どもの学びも、AIと一緒に】
・寝る前に明日のテスト発覚 範囲ページを撮って送れば 一瞬で模擬テスト完成
・楽しかったで終わる日記 AIが聞き手になると 思い出が言葉で溢れ出す
・説明が難しい算数の難問 動く図をその場で作れば 見た瞬間に子どもが納得

【Step3 AIに暮らしの一部を任せてみる】
・学校に習い事… 地味に疲れる予定の手入力 カレンダー連携で手放せる
・図書館の本の返却期限 調べる作業を代行させる ついに叶った、解放の日
・我が子の興味をそそる学習ポスターを貼りたい!  ニッチな図解が数分で完成
・デスクトップ散らかり放題 言葉で指示して整理したら 視界スッキリ頭も軽い

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