〈過熱するシールブーム〉「生活費を圧迫」「家庭崩壊しそう」子どものために始めたはずのシル活で沼る親が続出…これって依存症? 専門家の見解は
〈過熱するシールブーム〉「生活費を圧迫」「家庭崩壊しそう」子どものために始めたはずのシル活で沼る親が続出…これって依存症? 専門家の見解は

大手生活雑貨チェーン・ロフトや衣料品チェーン・しまむらなどが相次いで販売中止を発表するなど、シールブームの過熱による弊害が出ている。11日には、沖縄で転売目的でシールを万引きしたとして逮捕者が出る事態にも発展した。

買い占めや転売、店頭での混乱が相次ぎ、店員の疲弊も深刻化している。さらに、「家族がシールにハマりすぎて困っている」「知人から遠征費を貸してほしいと頼まれた」など、シールブームによる“被害者”の声も数多く上がっている。混乱する“シールの現場”を詳報する。

「シール代が生活費を圧迫」「子どものこともなおざり」

シールブームの過熱が止まらない。SNSには「シール交換」用のアカウントが次々と現れ、LINEのオープンチャットにも地域ごとのチャットが数多く出現。出荷情報など、さまざまな情報が行き交っている。

いっぽうで、その熱狂ぶりが日常生活に影響を及ぼしていると訴える声も出始めている。

「専業主婦の奥さんが毎日シールを探しに行く。ガソリン代もかかり、シール購入が生活費を圧迫。子どものこともなおざりになってる」

「シールは終わりのない沼状態なのが怖い。苦労して手に入れても次から次に新しい物がでてきて終わりがない」

「依存症みたいになってる自分が怖い。子どものためと始めたのに、子どもを追い越してしまい、わかっているのに止まれない」

「シールやめたい。もうほんとに中毒」

「シールのための遠征費を生活費から出してそれを旦那に内緒にしたいからお金を貸してと言われた」

「シールに1か月半で5万円超えてた」

「シル活破産しそうな同志いますか?」

「シール代はもちろん、夕方までパトってしまってご飯作りが面倒くさくなり外食」

SNSには、生活や人間関係への深刻な影響を訴える投稿が相次いでいる。

そしてそれらの投稿に対して「それはもう依存症なのではないか?」という指摘もある。

「依存症全般に言えますが、『やめなさい』と言ってもあまり効果はありません」

もちろん、「推し活」など、夢中になっていることに多少のお金を遣うこと自体は珍しくないし、それによって生活に張り合いが出るという人も少なくないだろう。しかし、一日中シールのことが頭から離れず、日常生活や子どもの世話、家族との時間、家計にまで影響が及び始めた場合、その状態をどう捉えるべきなのか。どの時点でシール集めは「依存」と判断されるのだろうか?

「ゆうメンタルクリニック」総院長で精神科医のゆうきゆう氏に話を聞いた。

「依存症とは、端的に言いますと何かを反復的に繰り返してしまい、それによって社会生活に困難が生じている状態です。

今回のシール集めで言いますと、シールを何度も集めてしまうことで、まず反復的な行動になっています。さらにそれで、たとえば、

・シールのことに夢中で他のことが手につかない(家族との会話や仕事や勉強など)
・お金をかけすぎてしまって生活が厳しくなる

などがあれば、『依存症』と表現して良いかと思います。逆に言えば、余暇もお金も有りあまったお金持ちがシールをいくら買っても、それで『困らない』なら、依存症ではない、ということになります」

では、家族としてどのように対応することが望ましいのだろうか。

「依存症全般に言えますが、『やめなさい』と言ってもあまり効果はありません。反発するだけです。また『シールなんて意味がない!』など否定的になるのも良くないです。『分かってくれない』と心を閉ざし、結果的にシールしか逃げ場がなくなります」

このように説明したうえで、適切な対応方法についてゆうき氏は次のようにアドバイスした。

「よく『アディクション(依存)にはコネクション(つながり)』で対応せよ、と言われます。すなわちとにかく話を聞き、一緒の時間を過ごすことです。シールについては、否定をせず、興味がある、くらいの雰囲気で会話をしてみましょう。

その上で『買いすぎていることが心配なんだ』などソフトに心配を伝えることです。家族ができることはそれくらいまでで、あまり抱え込みすぎない方がいいでしょう。それでもダメならメンタルクリニックなど精神科の受診も有効かと思います」

依存症の代表的なものには「アルコール」「薬物」「ギャンブル」があり、近年ではWHOが「ゲーム障害」を正式に国際疾病分類において依存症の一種として認定したが、依存症の種類はさまざまだ。

過熱するシールブームだが、依存症にならないように注意したい。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

編集部おすすめ