卒業証書の提出拒否…田久保元市長「要請があれば捜査協力」も嘘ですか?それでも「学歴詐称はしていません!」で押し通す理由
卒業証書の提出拒否…田久保元市長「要請があれば捜査協力」も嘘ですか?それでも「学歴詐称はしていません!」で押し通す理由

静岡県伊東市の田久保眞紀前市長(56)をめぐる学歴詐称疑惑が、新たな局面を迎えている。地方自治法違反などの疑いで刑事告発された田久保氏側が、学歴の証明として不可欠な「卒業証書」などの書類について、静岡県警への任意提出を拒否していたことが13日に発覚した。

かつては「捜査にお任せし、要請があれば協力して粛々と進めます」と語っていたはずの彼女は、なぜ一転して、自らの潔白を証明する最大の証拠であるはずの書類を頑なに隠し続けるのか。これまでのインタビュー記事から振り返る。

頑なに「卒業証書」の提出を拒否

警察の求めに対し田久保氏側は、刑事訴訟法が定める「押収拒否権」などを理由に、提出を拒否する考えを記した回答書を県警に提出したという。

昨年、4度にわたり「集英社オンライン」がおこなってきた単独インタビューで、「チラみせした卒業証書を出せば全てがはっきりするのではないか?」と取材班は何度も聞いてきた。だが彼女はこう突っぱねていた。

「ずっと言っているように今捜査中で出せる状況ではありませんので」

疑惑の根幹にある東洋大学の学歴について、彼女が語る弁明は一貫して「悪意のない認識不足」というものだ。彼女はインタビューで、当時の自身の内面をこう振り返った。

「大学に行ってない時期もありましたがまったく行ってなかったというわけではなかったので、自分の中では何か問題があるという意識は本当になかったんです」

「これまで一度も卒業証明書を取ったことがありませんでしたし、卒業に関して問題はないだろうと思っていました。そういう意味では私の確認不足、認識不足でありますし、本当に申し訳なかったのですが……」

30年以上もの間、自分が本当に卒業したのかを一度も確認せず、その不確かな記憶を基に公的な選挙に臨んだ。彼女にとって学歴は、「自分でもPRしたいという思いもなく重要視してなかった」事項であり、あくまで事務的なミスに過ぎなかったと主張した。

「確認不足で最終的に事実と違ってこのような状態になってしまっているので本当に申し訳なかったとしか言いようがありません」

と彼女は弁明する。

「不気味な除籍」と「はめられた自分」

そもそもの疑惑が昨年6月に「怪文書」によって明るみに出た際、彼女が抱いたのは言葉にできない「不気味さ」だった。

「『除籍』という言葉はあまり聞き慣れない言葉だったので、不気味なものを感じました。

さらに怪文書には※印で(卒業証書の)偽造には注意とまで書かれていて。『これは何だろう』『何かあるのか』『私って除籍という処遇だったのか?』など危機感も感じました」

実際に大学の窓口へ足を運んだ。そこで「卒業証書はお出しできません。除籍になっています」 と宣告された際も、田久保氏は「陰謀論」的な思考へと向かう。

「何かが動いていて自分がどんどんはめ込まれていくのかなという不安」があったという。

田久保氏に対し本誌記者は幾度も卒業証書の実物を開示することを打診してきた。だが常に「捜査中なので出せる状況ではない」という回答を盾に、鉄壁のガードを敷き続けてきた。当局による捜査状況についても、以前はこう語っていた。

「進んでいると思います。今のところまだ私の聴取はありません。ちょっと件数は多いですけど刑事告発されましたから、あとは捜査にお任せし、要請があれば協力して粛々と進めます」

だが実際には、今年2月までに2回の任意聴取を受けながら、最重要書類の提出は拒否し続けている。自らを刑事告発した相手や議会に対しては「警察の捜査にお任せする」とポーズを取りつつ、実際には法的な権利を行使して当局の追及をかわしていた。

不信任案を突きつけられ、市政が停滞する中、再びおこなわれた市長選でも惨敗した田久保氏。12月15日、田久保氏の元を訪ねると、彼女は落ち込んでいる様子もなく、静かにこう言い放った。

「これで終わりですとはいかない」

「相手候補と戦っているというより、報道と戦っていた」

市長の椅子を追われ、刑事捜査の網が狭まる中、彼女が崩していなかったのは「自分は学歴詐称をしていない」という頑ななまでの自画像だ。

「だから学歴詐称はしていません!」

それを証明する手段となる「卒業証書」が県警の手に渡る日は来るのか。伊東市政を大混乱に陥れた学歴詐称疑惑は、今後どのような結末を迎えるのだろう。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

編集部おすすめ