〈新宿・コンカフェ返金トラブル〉「愛してるって言われたのに」「しつこく何十通もDMきた」食い違う主張と“色恋営業”の顛末
〈新宿・コンカフェ返金トラブル〉「愛してるって言われたのに」「しつこく何十通もDMきた」食い違う主張と“色恋営業”の顛末

歌舞伎町の某コンセプトカフェ(通称コンカフェ)の常連男性が「(従業員女性に)色恋営業された! 支払った15000円を返金しないと新宿署に通報します」と店側をけん制した投稿がSNS上で話題を呼んでいる。男性を取材すると「店からは返金されたんで不満はないけど、女性従業員には騙されたのでムカついてます」と、いまだ怒り心頭だ。

一体何があったのか。男性と女性従業員双方に話を聞いた。

「コンカフェ従業員に色恋営業された!」と訴える男性の言い分とは

「色恋営業だ!」と訴える男性は横浜市在住の鬼塚英吉さん(48歳)。映画化もされた人気漫画『GTO』『湘南純愛組!』の主人公と同じ名前で、もちろん本名ではないが、この名前で「YouTube」や「ツイキャス」どで配信活動もしている。

人気漫画の主人公の名をつけたのにも理由があるが、それは後ほど触れるとして、コンカフェ歴は6年で、かつて「26歳のコンカフェ嬢と交際したこともある」という強者だ。元々は秋葉原のコンカフェ常連客だったが、「アキバより歌舞伎町の店の方が安いことに気づきここ2年ほど歌舞伎町の店をうろうろしてます」という。

今回、男性が返金をするよう訴えたのは歌舞伎町にあるコンカフェ『D』。そこについ数日前まで在籍していた従業員Aさん(20歳)に「色恋営業を仕掛けられた」とご立腹だ。本人に話を聞いた。

――“色恋営業”といいますが、どのように仕掛けられたと思っているんですか?

「好き」とか「愛してる」とか言ってきた。

――それはAさんの方から言ったんですか? 目の前で?

いや、お互いにどちらともなくそんなことを言ってた。言い合ってたのはXのDMです。それでちゃんと交際してました。

――交際したということはキスしたり抱き合ったりしたということでしょうか。

いえ、2月14日のバレンタインに店でサプライズパーティしようって話してて。だからAが体調不良で休んでる時に店外から遠隔で注文できるボトルを入れた。そのパーティのあと、結ばれようねって話してました。

――20歳の女性と、パーティイベント後に結ばれようと。結ばれるって、なんですか?

結ばれるっていうのは肉体関係。そうやって話してたのに、Aの奴、店辞めて飛んだんです。だから俺『D』の公式Xに「色恋された。これまで使った金を返してくれ」とDMしたんです。その一発で15000円返してくれたから、まあ不満はないんだけどね。でも、コンカフェキャストは嘘つきばっかり。こんなんばっかですよ!

「ちょっと目を離した隙に40通くらい来てて怖かった」

――これまでAさん以外にも嘘をつかれたんですか?

主にアキバだね。あそこは酷い。

「ボトル入れてくれたら付き合う」って言うからフィリコっていう75000円のボトルとか36000円のオリシャン(オリジナルシャンパン)を入れたのに、その翌日に店辞めてトンズラとか。もう6人くらいそんな感じ。エンジェルっていう16万円のボトルを入れるって話をしたキャストなんて「先にPayPayで入金してくれ」と言うから16万円PayPayしたらその後バックレですよ。ありえない!

――そんなに騙されて、なぜコンカフェ通いをやめないんですか?

それは過去に恵比寿の別の26歳のコンカフェキャストと付き合ってデートもしたし肉体関係も結んだという成功体験があるからさあ。それに何回も騙されてばかりで切り替えられるようになって痛みに強くなったってのもある。

――その26歳のコンカフェ嬢とはなんで別れちゃったんですか?

体の相性ってあるじゃない。なんかちょっとその子に興奮しなくて。2ヶ月で俺の方から「別れよう」と言いました。

――ちなみに、ご結婚は?

してない。したことない。2008年まで俺、会社員だったの。でもリーマンショックで手取り12万に減給されて、ホームヘルパー2級の免許取って介護職に就くようになってマジメにやってきたの。

でもこの歳になって結婚してないと寂しいんだよ。だから俺、Aには「寂しがりで親から愛情も薄く感じていて母親の愛情に飢えてるから、Aに依存しちゃうよ、それでもいいの?」って聞いたの。そしたら「いーよ」って言ったからね、あいつ。

――でも20歳の女性に母親の愛を求めたら、それは重荷かもしれませんね。

だからって色恋営業したらダメでしょうよ。法律違反でしょ。それに色恋ではなく本当に愛し合っていたんです。

男性は「Aとは愛し合っていた」という。ではAさん本人はどうなのか。すでに『D』を退店し別店舗での面接を控えていたAさんに、率直に「交際関係にあったのか」と聞いた。

「交際するわけないです。もともと鬼塚さんは別のキャストの子が営業メールして店に来た人で、そのキャストが『もう無理だわ』と言ってきたから私が引き継いで相手したって感じで。

そしたら1月22日頃からもう毎日毎秒とんでもない量のDMが送られてくるんですよ。『好き』『愛してる』以外にも、何を意味してるかわからないんですけど『…』が何行も送られてきて。朝起きたりちょっと目を離した隙に40通くらい来てて。全部読めないし。怖かった」

女性は「身が危険だと思ったから店を辞めた」

Aさんに「男性はAさんから『好き』とか『愛してる』とか『一緒に暮らそう』と言ってきたと証言している」と伝えると驚いていた。

「私から? 言うと思いますか? 言うわけないです! 絶対に言ってません。向こうが何十通もDMを送ってくるから、オウム返しのように『好き』『愛してる』ってコピペしただけ。言わないと無数の『…』が来るから。それに私が休んでた時に入れてきた遠隔ボトルも私が頼んだわけじゃありません。向こうがお見舞いとか言って勝手に入れてきただけ。ほんと怖かったです」

また、バレンタインの日のパーティについても聞くと「そんなパーティしたら身が危険だと思ったからやめた」と言う。

「彼のしつこいDMとか接客から逃げるためというのもあるし、店との折り合いがつかないこともあり辞めました。でも、店だって色恋営業だと認めたから返金したんじゃなくて、単に彼の相手するのが面倒くさいから返金しただけだと思います…」

『D』の近隣でコンカフェを経営するオーナーにも話を聞いた。

「最近、ホストの取り締まりも厳しいし警察署に駆け込まれたら面倒なことになるから、1万5000円くらい返金した方がいいって判断しただけだと思います。1時間飲み放題で3000円からとか、チャージ制は1000円からとか、リーズナブルな金額で経営してるし、コンカフェはキャストの給料もそんなに良いわけじゃないので、粘着してキャストを疲弊させないでいただきたいです…」

いっぽうで別のガールズバー経営者は「お客が味をしめて同じような難癖をウチでつけられたらたまらない、店側も何やってるのか…」と呆れていた。

法律の専門家は今回のトラブルをどうみるか?

改めて男性にAさんの言葉を伝えると「でも、俺が愛してるって言ってそれに愛してるって返したら、それはもう恋人同士の会話でしょう」と一歩も譲らなかった。最後に男性に「なぜ鬼塚を名乗っているのか」と聞いた。

「俺、平塚出身で若い頃はヤンチャしてて。17歳の時はキンパツ。当時は暴走族にも入ってて。大型バイクの免許もあるし、いつか俺も『湘南純愛組!』の鬼塚みたいに伝説を打ち立てたいなって…」

今回のコンカフェトラブル、法的にはどうなのか。ナイトビジネスのトラブルに詳しいグラディアトル法律事務所の若林翔弁護士は言う。

「この事案はコンカフェ嬢による色恋営業には該当しませんね。風営法に違反する色恋営業に該当するためには、関係性の破綻か自己の業務上の不利益を告げて客を困惑させる必要がある。本件で、これらの行為がなければ、風営法が規制する色恋営業には該当しない。

しつこい客との関係を切るという意味ではAさんがお店を辞めたのは合理的ともいえるかと。逆にAさんが拒絶の意思を示していたにもかかわらずメールを送り続けているのであれば、ストーカー規制法に違反する可能性さえあります」

 また、若林弁護士によれば、実は今回の男性のような「色恋営業だ」と店にクレームを入れる客の事案は「増えている」そうだ。

「お店は正しい風営法の知識を身につけて、違反していないのであれば毅然とした対応を取るべきです」(同前)

男性は今後どのような“恋の伝説”をつくるのか…くれぐれも、暴走することがないよう祈りたい。

※「集英社オンライン」では、今回の記事関する情報、ご意見を募集しています。下記のメールアドレスかX(旧Twitter)まで情報をお寄せください。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

X(旧Twitter)
@shuon_news 

取材・文/河合桃子 集英社オンライン編集部ニュース班

編集部おすすめ