中道惨敗で立憲系議員の厳しすぎる懐事情…職員も「給与2割カットを覚悟」落選者は「結婚も無理」
中道惨敗で立憲系議員の厳しすぎる懐事情…職員も「給与2割カットを覚悟」落選者は「結婚も無理」

衆院選での惨敗を経て、小川淳也新代表を選出した中道改革連合。党幹部の顔ぶれも決まり、49人での新たな船出となったが、党を待ち受けるのが資金難だ。

議員数の大幅減により、政党交付金も数十億円の規模で減る見通し。落選者や職員からは諦めにも似た声が上がり始めた。

「総支部長に選ばれるのか…」疑心暗鬼の落選者たち

「この先、どうなっていくのか。3年くらいは解散もないだろうし、長い浪人生活。やっぱりとてもじゃないけどこんな不安定な生活じゃ、結婚できないな。せっかく時間はあるし、1人で旅行にでも行こうかな」

立憲出身、独身の落選者男性は落選から少し経ち、今後に思いをはせてため息をついた。

今回の衆院選で立憲系は約120人の前職が落選。こうした落選者たちは、自身の生活を維持することが喫緊の課題だ。

「私は当面は家業を頑張って食いつなぐ。政治資金パーティーも自粛ムードだったから、カネ集めもできなかった。捲土重来を期すとなると、活動費がかかってしょうがない。だから早く総支部長に選ばれたいのだが……」(立憲出身落選者)

「総支部長に選ばれる」とは、次期衆院選の公認内定を意味する。もともと立憲では、選挙区の総支部長に選ばれれば、活動資金として月50万円、年間にして600万円が支給されてきた。

事務所の運営費や交通費、通信費などで消えていくとはいえ、活動資金が支給されるのとされないのでは大違いだ。

ただ、総支部長の選定もすんなりとはいかなさそうだ。

「議員数の大幅減によって政党交付金は数十億円規模で減るとみられ、落選者の活動を支援する余裕がなくなってくる。ただでさえ立憲系からは『次の衆院選では、公明系も立憲系と同じ条件で、比例単独ではなく小選挙区で戦ってほしい』との声も上がっており、選挙区調整や総支部長の選定は立憲だけのときより時間がかかりそうだ」(立憲関係者)

「給料は2割以上カット?」不安にかられる党職員たち

さらに、党を支える100人規模の立憲系職員にも影響は及んでいる。

党職員は役員専属の秘書、選挙対策、広報などを担い、さまざまな面から議員の政治活動を支える、党には欠かせない存在だ。

立憲は2020年、国民民主や社民の一部と合流したことで、他党からの党職員も受け入れて職員が増えた経緯がある。

ある立憲系職員は「党職員の雇用は半分くらいしか維持できないのでは。残る職員の給料も2割以上は減ると覚悟している。家のローンがある人、家族を養っている人はとくに大変だ」と肩を落とす。

党職員の中でも雇用が続きそうな人と厳しい人がいることも、職場の雰囲気が暗くなっている要因のひとつだ。

「旧民主系の大物の親族などといった関係性があり職員になったような人物は、党としても簡単に“クビ”にできません。そうした後ろ盾のない若手職員は、必死に転職先を探していますよ」(同)

ただ、組織のスリム化を図りたい立憲としては難しい問題もありそうだ。

「立憲にとって事実上のリストラのようなことは、労働者の味方である連合の目がある以上やりにくいだろう。

だが、このままの規模では党が立ち行かなくなるので、職員を雇い続けたい気持ちと、厳しい台所事情との間で苦しんでいる」(全国紙政治部記者)

立憲落選者の頭をよぎる「ケチ」なあの人の人件費抑制

活動資金や職員の人件費カットを断行した先に待つのは、党のさらなる先細りという悪循環だ。

立憲出身の落選者は、かつて党の財政状況が厳しくなった時期を振り返り、こう語る。

「そもそも今回の惨敗も、人材育成のための経費を制限したり、落選者をなかなか総支部長に選任せず活動資金を与えなかったりして、人材に投資してこなかったツケが回ってきていると思う。選挙を戦う候補者も、職員も限界を感じていた。そのことの責任があるのは、主に岡田克也氏だ」

岡田氏は永田町ではよく言えば「倹約家」、悪く言えば「ケチ」として知られる。一時期、岡田事務所が議員会館での記者との懇談の場に200mlのペットボトルを用意しただけで「あの岡田さんが、わざわざペットボトルを用意してくれるとは」と記者から“感動”の声が上がったほどだ。

岡田氏は幹事長時代などに、党運営でもこうした倹約ぶりを発揮。

当時落選中だった立憲の元職からは「総支部長にしてくれれば活動資金を得られるのに、なかなか選任してもらえない。これじゃあ自民現職との差は広がるばかり」とぼやく声があがっていた。

岡田氏は今回の衆院選で落選したとはいえ、当時よりはるかに厳しい台所事情に置かれた今、中道の現執行部も「岡田氏並みかそれ以上」の経費カットを強いられれば党の先細りは避けられなさそうだ。

「責任ある積極財政」を掲げる高市首相率いる自民党は、今回の大勝で政党交付金を増やす見込みだ。対する中道は「緊縮財政」を強いられながら、どこまで党を立て直せるだろうか。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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