18歳の初婚から28歳までの10年間で、3回の結婚と離婚を経験してきた都内在住のえりなさん(仮名、35歳女性)。お相手は「12歳で一目惚れしたバスケコーチ」からはじまり、ホスト、とび職と多様だ。
いずれも2年スパンという超スピード感あふれる結婚・離婚劇に「時間は財産なんで」と言い切る彼女の壮絶な半生に迫った。(前後編の前編)
バスケ会場で「運命」を見つけた小6の夏
最初の結婚相手となる男性との出会いは、えりなさんが12歳のときだった。地元の三重でバスケットボールに打ち込んでいた彼女は、試合会場で審判をしていた一人の男性に目を奪われる。
「嵐の櫻井翔くん似のイケメンで、当時彼は21歳の大学生。一瞬で恋に落ちました」(えりなさん、以下同)
そこからの行動は早かった。中学に入学すると、彼がコーチを務めるバスケ教室に迷わず入会。彼は男子チームのコーチだったため、えりなさんは女子チームに参加しつつ、同じ体育館で遠くから眺める日々を送った。
「私が彼にガチ恋してることはみんな知ってました。彼も気付いてはいたんでしょうけど、生徒とコーチという関係性もあり、そのときは全く恋愛に発展しませんでした。私は遠くから眺めているだけで大満足だったし」
ところが中学3年のとき、転機が訪れた。彼が女子チームのコーチに就任することになったのだ。「これはチャンス」と思いきや、えりなさんの心情は複雑だった。
「当時はすごく乙女で…。
乙女心ゆえに、「受験なんで」と嘘をついて教室をやめてしまったえりなさん。しかし、この行動が意外な形で功を奏すことに。
「彼は国立大出身で頭も良かったので、教室をやめてから『勉強教えて』ってメールしてみたんです。コーチと生徒という枠が外れたことで、一気に距離が縮まりました」
高校進学前に交際をスタートさせ、17歳のころにはお互いの親に同棲の挨拶をするまでに発展した。すると彼の両親から「それならもう結婚しなさい」とまさかの逆提案を受け、18歳で入籍、19歳で第一子出産とトントン拍子で事が進んだ。まさに初恋を完璧に成就させた瞬間だった。
しかし、結婚生活は甘くはなかった。
「彼はバスケ教室のメインコーチとして超多忙で、私は『もっと家にいてよ!』と不満が爆発しました。私は焼き肉店のアルバイトとキャバ嬢の両輪で働きながらワンオペ育児をこなす日々に、ついに限界を迎えたんです」
育児ノイローゼ気味になった彼女を待ち受けていたのは、残酷な家族会議だった。20歳で離婚となり、親権は夫側へ。「子どもには、母親(えりなさん)は死んだと伝えます」という非情な一言も浴びせられた。
「20歳の1年間は毎日泣いてました。
親権奪われ…どん底からホスト遊び、そして2度目の結婚へ
20歳でバツ1となったえりなさんが向かったのは、名古屋の夜の街だった。キャバ嬢として働きながら、親権を取り戻すべく弁護士を訪ねるが、「一度手放した親権を取り戻すのは難しい」と現実を突きつけられることになった。
「当時は日常的に涙があふれるぐらい、精神的にも限界でした」。そんな寂しさを埋めてくれたのが、ホストクラブだった。そこで出会った同い年のホストに猛アタックされ、22歳で“デキ婚”。
23歳で出産したえりなさんは、夫の地元・岐阜に移り住んだ。ここから穏やかな生活が始まるかに見えたが、夫はまだ23歳の遊び盛りの元ホストである…。
「夫が地元の未婚の友達とつるみ始めたことで“遊びたい欲”に火が付いてしまったんです。でも私は2回目の結婚だったし、『いいよ、遊んできなよ』って許したんですけど、夫のほうが『離婚して自由になりたい』って思いが強かったんです」
24歳で2度目の離婚。えりなさんは1歳の息子を抱えるシングルマザーとなった。
「顔がタイプ」の代償…3度目の結婚は“ヒモ”と警察沙汰
3度目の結婚は26歳のとき。キャバクラの客として訪れた2歳下のとび職の男性と恋に落ちた。理由は「ドンピシャに顔がタイプだった」から。
「少年院に4回も入るような血の気が多い人でしたけど、育児には一生懸命で、子どもも懐いていました。だから『子どものために結婚しよう』という彼の言葉を信じたんです」
しかし、蓋を開けてみると、地獄のような日々が待っていた。「エアコンの温度設定」という些細なことが理由で、本気の殴り合いが勃発。何度も警察沙汰になった。
「彼は女性に手をあげることに抵抗がない人でした。それに結婚後は仕事を辞めて完全に“ヒモ”状態になっちゃって。もう『お前、なんのためにここにいんだよ!』って、顔がタイプなだけじゃ許せなくなりました」
28歳、3度目の離婚が成立した。
18歳から28歳までの10年間、2年スパンで結婚と離婚を経験した。そんなあまりに濃厚すぎる20代について、彼女はこう振り返る。
「私は幼少期に父を病気で亡くしているから、人一倍『理想の家庭像』が強かった。でも、どの結婚もその理想にたどり着かない。だから見切りをつけるのが早いんです。
プラスにならない相手と一緒にいるのは、人生の時間の無駄じゃないですか。離婚するかしないかで、もめてる時間すらもったいないから、即、次にいきます」
過去を引きずらず、未来に希望をもって次なる一歩を踏み出したえりなさん。こうして波乱の20代は幕を閉じた。しかし、そんな彼女のスピード感ある爆速人生は、30代に入り意外な局面を迎えることになる。
後編へつづく
取材・文/集英社オンライン編集部特集班

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