〈国民民主・除籍処分〉会社はバーチャルオフィス、国民陣営は「存在も知らない」逮捕された“キラキラコンサル社長”と元フジ社員候補の関係
〈国民民主・除籍処分〉会社はバーチャルオフィス、国民陣営は「存在も知らない」逮捕された“キラキラコンサル社長”と元フジ社員候補の関係

衆院選東京7区(渋谷区、港区)で出馬し、落選した国民民主党公認の入江伸子容疑者(63)らが公職選挙法違反(買収)容疑で逮捕された事件で、党は24日、入江容疑者を除籍処分にしたと発表した。

 

選挙運動員の買収を直接取り仕切ったSNSマーケティング会社と入江容疑者との関係を知らなかったと主張。

東京都連幹部の辞任で「党としての責任を取る」と表明した玉木雄一郎代表は、買収という逮捕容疑は「ちょっと信じられない」と強調した。

入江容疑者は党の聞き取りに「状況についてはよくわからない」

問題の逮捕容疑は、入江容疑者が知人のSNSマーケティング会社「BuzzSell」社長の菅原京香容疑者(25)に選挙スタッフ集めを頼み、菅原容疑者の会社のインターン学生らにビラ配りの報酬として1万円の日当を払ったというもの。

20日、別の1人を含む3人を逮捕した警視庁は3人の認否を明らかにしていない。

24日朝、会見した党東京都連の川合孝典会長と礒崎哲史・選対委員長(いずれも参議院議員)は、入江容疑者が接見した弁護士を通じ離党届を出したが23日付で除籍処分にしたと発表。川合、磯崎両氏は都連会長と選対委員長をそれぞれ辞任するという。

今回の問題は「政治倫理に反し、党の名誉を傷つける行為」(川合氏)と判断し、最も重い処分にしたという。会見では「逮捕後に本人と話せていないのにどうして処分が決められるのか」との質問が出た。

川合氏は「党の処分、都連の処分というのは必ずしも刑事責任の正否とは直結するものではない」と回答。そこに礒崎氏が「補足する」と話を引き取り、入江容疑者の陣営関係者から菅原容疑者が警視庁の捜査対象になっているとの情報を事前に入手していたとう。

また礒崎氏は、

「その時点で入江さん本人と一度お話をした経緯があります。ただその時は入江さん本人もまだ警察が話を聞いてる状態ではなかったので、ご本人も『状況についてはよくわからない』ということだった。

今後何か動きがあれば密に連携取りましょうね、ということで一度その場は終わっていて。その後連絡を取ろうと思った段階では既に入江さんと連絡が取れない状況になっていた」

と説明。

入江容疑者と会ったのは逮捕4日前の16日だといい、その時点で入江容疑者は『よくわからない』と、菅原容疑者にかけられた買収容疑に関知していないといった趣旨の説明をしていたことになる。同時に捜査情報が遅くとも逮捕4日前には入江容疑者を含む党関係者に入っていたということだ。

だが会見では当時の状況を詳しくただす記者もおらず、逮捕直前の党や入江容疑者の詳しい様子はわからないまま説明は終わった。

玉木氏代表は「ちょっと信じられない運動員買収の疑い」

いっぽう川合氏らは、都連から入江容疑者の陣営に入ったり陣営と連絡を取ったりしていた者も、菅原容疑者のことは「全く存在自体を知らない」状態だったと発言。

東京都内の他の小選挙区で立候補し落選した計26人の候補者からの聞き取りでは、全員菅原容疑者との付き合いはないとの回答を得たとも述べ、菅原容疑者とは入江容疑者が個人的に関係を持っていただけで党は付き合いがないと強調した。

この会見から約1時間後、今度は玉木雄一郎代表が別の場所で会見し、冒頭で「こういった事案が我が党の公認候補で出馬した候補者から出たことについては痛恨の極み」と陳謝した。

その上で入江容疑者が昨年まで都民ファーストの東京都議会議員を2期務めたことを念頭に党の候補者選定や教育に問題はないと強調している。

「新人ではないので公職選挙をはじめとした法令については当然理解があるということで我々としても公認をした。1月22日に党本部主催のコンプライアンスの研修会を行い、都連も候補者本人と関係者に説明会、研修会を実施しております」

「極めて単純な、ちょっと信じられない運動員買収の疑いとなってますので、改めて検証を徹底したいと思いますけれども、ただ個人個人の、候補者本人のやはり自覚ということも大事だと思います」

とも述べて逮捕された候補者たちを批判した。

入江容疑者は昨年6月の都議選を前に、都民ファーストが出していた3期目出馬の公認を返上して同党を離党。元同僚らから「裏切者」と呼ばれるほどのしこりを残して国民民主党に移った人物だ。(♯1)

その入江容疑者が国民民主党から初めて出馬した東京7区は自民党と中道改革連合による激戦区で、連合が国民民主党候補に人手を出さなかった上に急な解散でスタッフを集める余裕がなかったことが運動員買収の背景にあるのではとの声も出ている。

こうした声を玉木氏は「言い訳になりません。

(他の候補者も)急いだ擁立で、その中で法令順守して問題なくやってる方もいますから」と一蹴。

都連幹部が辞任するだけで公認権を持つ党本部の幹部が責任を取らない理由は何かと聞かれても「都連の会長そして選対委員長が辞職をするというのは重い判断だと思います。我々としては再発防止やコンプライアンスの強化ということをしっかり充実させることで責任を果たしていきたい」と答え自身の責任には触れなかった。

渋谷駅近くのビルの一室はバーチャルオフィス

入江容疑者が「スタッフもいないのに選挙に出た」(党関係者)ことが問題の根にあることは確かだが、政界関係者からは

「入江容疑者がどういった経緯で都民ファーストから国民民主党に移ったのか。そして準備もないのになぜ小選挙区で立候補することになったのか。知りたいことは多い」

との声も上がっている。

さらに、逮捕容疑通りならビラ配りのスタッフを集める必要に迫られた入江容疑者がなぜSNSマーケティングを扱う菅原容疑者を頼ったのかという謎もある。

菅原容疑者はBuzzSell設立から1年を迎えた昨年6月、胡蝶蘭やシャンパンが並ぶアニバーサリーパーティーを開いたとする動画を自身のSNSに上げ、業績が好調であることをアピールしていた。(♯1)

だが会社のホームページや登記簿に所在地と記された渋谷駅近くのビルの一室はバーチャルオフィスで、「インフルエンサーマーケティング」などの業務はここでは行われていなかった可能性もある。

警視庁は会社の実際の業務場所やインターン学生らの募集、運用実態も調べ容疑の全容解明を進めている。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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