「飲み会嫌いが災い?」高市総理のカタログギフト問題、「竹島の日」大臣スルー対応で野党から大ブーイング…それでも年度内予算成立のため審議時間を短縮か
「飲み会嫌いが災い?」高市総理のカタログギフト問題、「竹島の日」大臣スルー対応で野党から大ブーイング…それでも年度内予算成立のため審議時間を短縮か

衆院選では、自民党単独で316議席を獲得する歴史的大勝に導いた高市総理。政権発足以降、高支持率をキープし、「高市1強」の情勢が続いている。

ただ、ここにきて、衆院選の当選議員に対してのカタログギフト配布問題が発覚。さらには、「竹島の日」式典への対応や来年度予算の審議などを巡る不安材料も出てきている――。

「高市総理の“飲み会嫌い”が災いしたのではないか」

「大変厳しい選挙を経て当選したことへの労いの気持ちも込め、今後の議員としての活動に役立てていただきたいと考えた」

2月25日の参院本会議の代表質問で、こう答弁した高市早苗総理(64)。衆院選で当選した高市首相を除く315人の議員に対して、1人あたり約3万円のカタログギフトを贈ったことを認めた。その上で、「(自身が代表の)政党支部から議員個人への寄付として法令上も問題はない」と説明した。

「カタログギフト問題は、複数の報道機関が取材に動いていたが、2月24日に文春オンラインがいち早く記事を出した後に、各社が報じました」(全国紙政治部記者)

昨年3月、自民党内での「プレゼント」は当時の石破茂元総理が新人議員15人と会食した際に、手土産として10万円相当の商品券を配布して批判を受けた経緯があり、イメージはよくない。

「自民党では、歴代総理と公邸で夕食会をした後、議員の事務所に商品券などが届けられることが半ば慣習化してきた。原資は、『ポケットマネーではなく、官房機密費では』と囁かれてもきた。

昨年、石破前総理の商品券配布が発覚し、国民の感覚と乖離していると批判されて、問題化したわけです。その約1年後だったわけですからカタログギフトなど配らず、新人議員と何回かに分けて食事だけすればよかった。高市総理の“飲み会嫌い”が災いしたのではないか」(自民党関係者)

「堂々と大臣が出て行ったらいいじゃないか、と言ったのはどこのどいつだ」

就任からこれまで高支持率をキープし、「高市1強」とも言われる政権の状況だが、カタログギフト問題をはじめ、綻びも見え隠れしている。その1つが、2月22日に行なわれた島根県主催の「竹島の日」記念式典をめぐる対応だ。竹島では韓国の実効支配が続いており、長きにわたって日本と韓国の領土問題となっている。

日本政府は2013年から「竹島の日」式典に内閣府政務官を派遣してきたが、日韓関係への懸念から、閣僚や副大臣の出席は見送ってきた。

これに異を唱えていたのが、高市総理である。

「竹島の日、堂々と大臣が出て行ったらいいじゃないですか。それは顔色をうかがう必要はない。日本の領土、島根県として私たちみながそれは知っていなきゃいけない話だと思いますよ」

昨年9月、自民党総裁選を巡るネット討論番組で、高市総理はこう語り、「竹島の日」式典に、閣僚を派遣すべきだと主張していた。ところが、今年の竹島の日も、政府から派遣されたのは内閣府政務官だけだった。

「韓国への刺激を避けるための現実的な対応とも言えますが、あれだけ威勢のいい発言をしてきただけに、言行不一致を指摘されても仕方ない。式典には有村治子総務会長が出席しましたが、大臣の姿がないことには変わりがない。『堂々と大臣が出て行ったらいいじゃないか、と言ったのはどこのどいつだ』といったヤジが飛んだといいます」(前出・自民党関係者)

高市総理は今後取り組むべき「重要な政策転換」として、①責任ある積極財政、②安全保障政策の抜本的強化、③インテリジェンス機能強化の3分野を掲げている。

「積極財政では、給付付き税額控除の導入と、導入するまでの時限的な食料品の消費減税に意欲を示しています。さらに、国章毀損罪(日本国旗の損壊罪)の制定や、憲法改正といった保守色の強い政策の実現も目指す。スパイ防止法、国家情報局の設置にも言及しています」(前出・全国紙政治部記者)

高市総理は予算の年度内成立をあきらめていない

また、衆院選で獲得した「数の力」をバックに、「予算を早期に成立させ、政策課題に取り組みたいのが本音」(前出・自民党関係者)との声も聞こえてくる。ただし、予算成立までには、様々な課題があるのも事実だ。

「高市総理が異例の1月解散に踏み切り、選挙を行なったことにより、日程的に充分な審議時間が確保できず、来年度予算の年度内成立は絶望的な状況になりました。暫定予算を組んで、4月初旬の予算成立を目指すしかないとみられていました」(前出・全国紙政治部記者)

ところが、高市総理は予算の年度内成立をあきらめていない。2月24日の衆院本会議でも「26年度予算の年度内の成立を目指したい」と改めて意欲を示した。

「総理の意向を受け、自民党は様々なかたちで、審議時間の短縮方法を検討しています。土日や夜間も審議する案も出ている。しかし、熟議が担保されないとして、野党は反発。自民党が衆院選で大勝したとはいえ、参院は未だ少数与党ですから、配慮も必要なのです」(前出・自民党関係者)

これには自民党の青木一彦参院議運委員長も「充実審議が本旨だ。参院軽視はあってはならない」と拙速な姿勢をいさめる発言をしていた。

「予算案が3月13日までに衆院を可決し、参院に送られれば、“30日ルール”により、4月10日には自然成立する。はみ出た10日間だけ暫定予算を組めばよくなるので、これが一番現実的だ。スピード感を持ちながらも熟議を担保するために、総理が出席するテレビ中継入りの審議時間を増やす案も出ている。総理が出席し、自ら答弁することは、他の閣僚だけの審議とは重みが違うからです。

これは総理の覚悟が問われている部分もある」(自民党幹部)

とはいえ、こんな見方もある。

「総理がやると言ったら、たとえそれが暴走気味でも、やるんでしょう。年度内成立でどうにか帳尻を合わせる。高市さんにいまは逆らえる人はいない」(自民党閣僚経験者)

衆院選期間中には「予算委員会で自分ばかり当てられる」とボヤいていた高市総理。早期の予算成立のために、覚悟を示すことはできるだろうか――。

取材・文/河野嘉誠 集英社オンライン編集部ニュース班

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