「本当に欲しいモノは1分1秒でも早く買って」インフレ時代にリセットすべきお金の感覚〈外資系金融ママが警鐘〉
「本当に欲しいモノは1分1秒でも早く買って」インフレ時代にリセットすべきお金の感覚〈外資系金融ママが警鐘〉

食品や日用品の価格高騰が止まらないインフレにおいては、お金の価値は目減りし続けるばかりだ。だが、そもそもなぜ日本はこんなにもインフレになってしまったのか。

今さら聞けない3つの理由について解説する。

河村真木子氏の書籍『自由にあきらめずに生きる 外資系金融ママがわが子へ伝えたい 人生とお金の本質』より一部を抜粋・再構成し、子どもの将来を守るため、まずは親がリセットすべきお金の感覚についてお届けする。

インフレになったのはなぜか

私たちは今、「インフレ」の時代に生きています。

「インフレ(Inflation:物価上昇)」とは、簡単に言うと、モノやサービスの需要が供給を上回り、物価が上がること」です。

この記事を読まれているあなたは現在、モノやサービスの値段がどんどん上がっていくことを、日々体感していると思います。

ちなみにもともとInflationは「風船などがふくらむ」という意味。Deflationは「風船などがしぼむ」という意味で、わかりやすさから経済用語になった……子どもが英語を習っているなら、そんな説明とともに教えてあげてもいいかもしれません。

では、なぜこんなにもインフレになっているのでしょう。

簡単にご説明していきます。

インフレになった理由1 円安ドル高

インフレになった原因といえば、まずは「円安」です。

これまたご存じの方がほとんどだと思いますが、「子どもに教える」ために整理しておきましょう。

日本の金利がずっと低いままなのに対して、アメリカの金利が大きく上がったため、世界のお金が「円よりドル」に流れました。

「日本の銀行にお金を預けておいても、全然増えない」

そう思った世界の投資機関や富裕層のマネーは、アメリカに預けられました。

つまりドルが多く買われて円が売られた結果、円安ドル高になったのです。

「円安」になると、輸出に有利です。たとえば、1ドルが100円から150円の円安になった場合、1ドルで100円のモノしか買えなかったのが、150円のモノが買えるようになるからです。

日本のモノを輸出する際には、外国が「安いから買おう」となってくれるので有利になります。

ところが、逆に輸入する際には不利になります。

日本は、何をするにも海外からのモノに頼っていることが多い国です。必要な石油などのエネルギーも輸入に頼っていますし、食料自給率は国内生産の割合が6割程度にとどまり、ここ10年ほど変わっていません。

活動するのも、食べるのも、輸入なしでは立ちゆかないのです。

円安になると、海外から輸入していたモノが軒並み値上がりになるので、物価が上がり、インフレになります。

インフレになった理由2 輸送費・燃料費の高騰

外国から多くのモノを輸入しなければいけないのに、円安になったのでなんでも値上がりする。そんな状況で、さらに新型コロナを境に世界の輸送費が値上がりし、資源や原材料がびっくりするほど上がりました。

そこにロシア・ウクライナ戦争が追い打ちをかけ、エネルギー価格が上昇します(ロシアはエネルギー大国)。

エネルギーの多くを輸入に頼っている日本は大打撃を受けます。

電気やガス、ガソリンなど多方面に大きな影響を受け、原材料費や輸送費が高くなっていったのです。

円安が進んで物価が上がったところに、エネルギーの値上げで原材料費や輸送費の値上がりも上乗せされたら、さらに価格は上昇します。

「チョコレート、コーヒー、チーズなど、輸入品がみんな高くなった」

多くの人が実感しているのは、このような仕組みだからです。

インフレになった理由3 人件費の上昇

これからは少子高齢化で、人口が減り、働き手が不足します。コンビニやスーパーの自動レジも、ファミレスの猫ちゃんロボットも、「人が足りない」からやむをえず、テクノロジーで補っているのです。

つまり、人件費はこれからますます上がっていきます。

ただでさえ数が少ない若い社員は、どの会社もつなぎ止めておきたい。しかし人件費をかなり抑えている会社だと、「それしかくれないなら、もっと高い給料の会社に行きます」と、若い人はあっさり転職してしまいます。

そこで給与を上げざるをえないのです。

そうなると、人件費がかさんで原価が上がり、モノやサービスの値段に転嫁したため、さらに物価が上がったのです。

会社員の初任給や大企業の給与はたしかに増えていますが、全体で見ればそれほど上がっているとは言えません。中小企業の多くは相変わらず人件費を抑えていますし、賃上げが期待できない非正規雇用者もたくさんいます。

そして、給料が上がる以上に物価が猛スピードで上がっている……つまり、「所得が上がっても、多くの人の暮らしは苦しい」のが現在です。

シャネルのマトラッセが会社員には買えなくなった

2025年秋、「ちょっと前まで100円だったハンバーガー」が190円。今までの倍のお金を出さないと買えません。



これは言い換えると、ざっくり言って100円の価値が半分になってしまった、ということです。

20年前には15万円~20万円、ごく普通の会社員でもちょっと背伸びをすれば買えたシャネルのマトラッセは、今は約180万円にもなります。仮に「数年間、コツコツ貯金をして、憧れのバッグを買う」と考えていた人がいたならば、その時間をドブに捨てたようなものです。

もしも買いたいモノがあるなら、私からのアドバイスはたった一つ。

「1分1秒でも早く買ったほうがいい!」

それがどんどん物価が上昇するインフレへの対策です。

さて、こうしたインフレ時代に、貯金信仰をもったままだとどうなるでしょうか。

「今まで100円で買えたものが200円になる」とは、「お金の価値が下がった」ということです。

もしもまだ「なんとなく貯金」をしているのなら、とても危ういことです。貯めておいたら増えないどころか、お金の価値が下がって「減ってしまう」のです。

70年代~バブル時代までの「とりあえず郵便局か銀行に入れておけば増える」という貯金信仰は完全に崩れ、バブル以降の「たいして増えなくても、貯金しておけば安心」という感覚もボロボロになりました。

デフレの中でのんびりしていられた時代は終わりました。

私たちは今、「貯金しておくとどんどんお金の価値が下がって、お金が目減りする」というマインドセットに切り替えなければなりません。


これからインフレ経済のなかでどうやって生きていくのか?

それを知るためには、お金について知ることが大切です。

お金の感覚・考え方を、親がまずリセットしなければなりません。

そして、子どもが自分の望む道を選択できる自由な人生を送るようにするためには、「お金との付き合い方」を教えておくことが大切です。

自由にあきらめずに生きる 外資系金融ママがわが子へ伝えたい 人生とお金の本質

河村真木子
「本当に欲しいモノは1分1秒でも早く買って」インフレ時代にリセットすべきお金の感覚〈外資系金融ママが警鐘〉
自由にあきらめずに生きる 外資系金融ママがわが子へ伝えたい 人生とお金の本質
2026/1/231,870円(税込)240ページISBN: 978-4799332412

日本最大級・会員数2.3万人のオンラインコミュニティを運営する起業家
河村真木子による「お金に困らない自由な人生を手にする方法」とは?

20年以上にわたり世界の金融市場で圧倒的な結果を出し続けてきた河村真木子氏による、本質的な「お金の知識や哲学」を凝縮した本。

自分の子どもや次世代の若い人たちにも伝わるよう、「やさしく・シンプルに・具体的に」書いています。

子どもをもつママはもちろんのこと、実践的な金融教育に興味のある学生、お金の不安をもつすべてのビジネスパーソン必読の1冊です。

【目次】
Prologue
第1章 お金の「感覚」や「考え方」を育てる
第2章 「自分に投資」するお金の「使い方」
第3章 資本主義のルールを知って「稼ぐ」
第4章 グローバル時代にお金を「増やす」ために大切なこと
Epilogue

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