資本主義の世の中では2種類の人間がいる。「資本家」と「労働者」だ。
河村真木子氏の書籍『自由にあきらめずに生きる 外資系金融ママがわが子へ伝えたい 人生とお金の本質』より一部を抜粋・再構成し、資本家になるための3つの方法を解説する。
市場経済というゲームで、どんなプレイヤーになる?
圧倒的な前提として、資本主義というルールの中で生きている以上、「資本家」にならないと、お金持ちにはなれません。
資本主義のルールでは、「資本家」と「労働者」に分かれます。
資本家は、自分の資本を市場に投入します。
パン屋の例で言えば、資本金、小麦や塩、バターなどの原材料、工場や店舗などの会社設備、店員などの「資本」、つまり「商品を作って売る手段」をもっています。それを使って、どう生産してどう売り、利益をどうするかの「意思決定権」をもっているのです。
では、「労働者」はどうでしょう?
労働者にとっては、能力と時間をミックスした「労働力」を売るというのが、マネーを得るための唯一の選択肢です。
つまり市場経済において、意思決定権がない労働者とは、ちょっとイヤな言い方ですが、小麦やバター、塩と同じ「原材料」みたいな扱いです。
この状況を批判したのが、かの有名な19世紀のドイツの思想家、カール・マルクスです。
「資本主義社会の市場経済では、労働者は自分の労働力しかもたず、それを資本家に売らないと生活できない。
「労働者が生み出した大きな価値の一部は資本家の利益になり、労働者は賃金として一部しかもらえない。この仕組みは『搾取』で、資本主義の根本的な矛盾だ!」
……とまあ、意訳するとこんな感じです。資本主義や市場経済についてのさまざまな議論がありますので、興味がある人はチェックしてみてください。
子どもに教えるなら、ざっくりとこの2つだけ伝えればいいでしょう。
コントロールするのか使われるのか
そして翻って現代です。
「労働者」――つまり会社員やパート、非正規雇用などのワーカー――は、意思決定権をもって市場経済に参加するプレイヤーになれないのです。
ホワイトもブルーも正社員も非正規雇用の人も、自分の時間やスキルという「能力」を、会社に売っています。
「私は年収2000万円プレイヤー」という人は、たしかに「能力」を高い値段で企業に売っていますが、自分の生産手段となる資本がありません。
やはり「原材料」と言わざるをえず、ただ、高く売れているので「高級な原材料」ということになります。
■資本家:「市場をコントロールする側」
■ワーカー(労働者):「市場では原材料のように使われる側」
私がUCバークレーにいた頃、同級生たちが当たり前のように起業前提にキャリアを考えていたのは、「ワーカーよりも資本家がいい。市場をコントロールする側になって稼ぎたい」と考えていたからです。
「えーっ、一流企業に就職しても、私は原材料なの?」
これから社会に出ていく子どもに伝えるには、あまりにも残念な話かもしれません。
「それなら絶対に起業する! 資本家になる!」と、かつての私の同級生たちのようなガッツのある子には大いに頑張ってほしいですし、「まずはワーカーから始めよう」という堅実路線もいいと思います。
ただし、何も考えずに「とりあえず就職」というのは最悪で、お金も自由もそれほど手に入りません。
先ほど述べたようにワーカーは「原材料」なので、市場経済というゲームには巻き込まれますが、「課金すれば手に入る武器」みたいなものです。
どうせゲームをするなら、プレイヤーになりたいと思いませんか?
資本家になる3つの方法
「資本家(プレーヤー)」になる方法は「事業主になる」だけではありません。次の3つの方法があります。
1.事業主になる
2.株主になる
3.不動産のオーナーになる
これは資本家になる方法であると同時に、資本主義のルールで市場経済というゲームに参加する方法です。
この3つはまた、「自分を中心に置く人生」「自由に選択できる人生」を送るための方法であり、「シンプルにお金持ちになる」方法でもあります。
日本の教育は、この社会の基本ルールやゲームの参加方法について、まったく教えていないのが現状です。
その結果、高校生や大学生が「のほほんとした将来の夢」と「お金持ちになりたい夢」という、かなり矛盾する2つの未来像をもってしまいます。
これでは進路選びをしているうちに迷子になるのも無理はありません。
自分の子どもが、「お金持ちにならなくても、この仕事がしたい」という強い意志をもっているなら、尊重して応援すればいい。
しかし、子どもが「お金持ちになりたい」と願っているのなら、「絶対にこの3つのどれかにならないとダメ!」と、遅くとも高校生くらいまでに、しっかりと明確に教える必要があります。
働かずにリターンを得る
では、3つの方法について、簡単に説明しておきましょう。
「事業主」は先ほど述べた資本家そのもので、パン屋にあたります。資本金、原材料、労働力、設備など「商品を作って売る手段」をもっていて、投資や生産の決定権があります。
「株主」はパン屋の株を買う、つまり出資することで、資本金の一部を提供し、株主として経営に参加して意思決定に関わる権利や、利益の一部を得る権利を得ることができます。たとえわずかな株しか持っていなくても、それで資本家の仲間入りができるのです。
「不動産オーナー」は、店舗や設備という「自分の資産」をパン屋に提供することで、賃料という利益を得ます。物件を買う・売る・貸す・リフォームするなど、資本の使い方について意思決定権があります。
ただ、ここで大きく伝えたいポイントがあります。
それは、株主も不動産オーナーも、「自分の時間も労働力も売らずにリターンを得ている」点です。
ここが資本家と、企業に雇われて働くワーカーとの大きな違いです。
自由にあきらめずに生きる 外資系金融ママがわが子へ伝えたい 人生とお金の本質
河村真木子
日本最大級・会員数2.3万人のオンラインコミュニティを運営する起業家
河村真木子による「お金に困らない自由な人生を手にする方法」とは?
20年以上にわたり世界の金融市場で圧倒的な結果を出し続けてきた河村真木子氏による、本質的な「お金の知識や哲学」を凝縮した本。
自分の子どもや次世代の若い人たちにも伝わるよう、「やさしく・シンプルに・具体的に」書いています。
子どもをもつママはもちろんのこと、実践的な金融教育に興味のある学生、お金の不安をもつすべてのビジネスパーソン必読の1冊です。
【目次】
Prologue
第1章 お金の「感覚」や「考え方」を育てる
第2章 「自分に投資」するお金の「使い方」
第3章 資本主義のルールを知って「稼ぐ」
第4章 グローバル時代にお金を「増やす」ために大切なこと
Epilogue

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