「えっぐ」「本当にヤバい」日経平均が一時4200円超の暴落…それでも“NISA損切り民”が落ち着くべき理由
「えっぐ」「本当にヤバい」日経平均が一時4200円超の暴落…それでも“NISA損切り民”が落ち着くべき理由

9日の東京株式市場で日経平均株価は急落、一時は前週末比4200円超安まで売られた。終値は52728円で、前日比-2892円(5.2%安)。

相場は全面安の様相を強め、悲観の色に染まった。特にNISAで投資を始めたばかりの人の間で悲鳴があがっている。

イラン情勢悪化の「トリプル安」で市場は阿鼻叫喚

9日の日経平均の終値は52728円で、前日比-2892円(5.2%安)で引けた。

株価暴落の背景にあるのは、中東情勢の一段の悪化だ。イランをめぐる紛争が長期化するとの見方が強まり、株安に加えて債券安、そして円安まで同時に進む「トリプル安」の展開となり、投資家のリスク回避姿勢が一気に強まった。

市場に衝撃を与えたのは、イランの新たな最高指導者に、故ハメネイ師の次男モジタバ師が選ばれたとの報道だ。強硬派色の強い体制が維持されるとの見方から、米国・イスラエルとの対立が早期に収束する期待は大きく後退した。

ロイターは、モジタバ師の選出について「反米」路線の継承と受け止められ、早期終戦が遠のいたと伝えている。原油先物は1バレル=110ドルを突破し、エネルギー高が企業収益と個人消費の双方を圧迫するとの警戒が、世界同時株安につながった。

こうした急変に、個人投資家の間には動揺が広がった。X上では「パニック売り」がトレンド入りし、含み益が一気に消えた、あるいは含み損に転落したとの声も目立つ。人気投資家のちょる子氏は金融資産の評価額が前日比で4412万円下がったことを公表して話題を呼んでいる。

まだ含み益があるというちょる子氏はともかく、今年に入って新NISAで投資を始めたばかりの層には衝撃が大きい。日経平均は今年の安値である5万0995円は割っていないものの、その水準が改めて意識されるなか、買い付け時期や投資対象によっては、すでに評価損を抱えた人も少なくないとみられる。

ただ、急落局面でこそ冷静さが求められる。昨年のトランプ関税ショック局面でも、SNSでは「NISA損切り民」という言葉が飛び交った。株式投資に慣れておらず、長期投資前提だったのに狼狽売りをした人を揶揄するニュアンスを含む言葉だ。しかし、実際に怖くなって売ってしまった人も多いだろう。

NISAは本来、短期売買ではなく長期・積立・分散投資を後押しする制度だ。金融庁も、資産形成の基本として「長期・積立・分散投資」を掲げており、短期的な上げ下げにこだわらない投資を紹介している。

確かに、イラン情勢が不透明な以上、株価の動きが今後どうなるかは誰にも分からない。しかし、値動きに耐えきれず安値で手放せば、その後の戻り局面の恩恵を自ら放棄することにもなりかねない。特にインデックス投資を続けている人ほど、狼狽売りの代償は大きい。

実際にインデックス投資の場合、市場にいつづけることが大切だ。

いわゆる「稲妻が輝く瞬間」というものがある。これは、株価が大幅上昇する瞬間が市場にはたびたび訪れるということを表した言葉だ。この瞬間に市場にいないとその恩恵を受けられない。

インデックス投資家の間でバイブルとなっている『敗者のゲーム』(チャールズ・エリス著)によると、「過去72年間のうち、ベストの5日を逃すと、利益は半減してしまう」という。暴落が来るたびに売っていては、この瞬間を逃し、せっかくのNISAでの長期投資が無意味なものとなってしまう。

東京都に住むある長期投資家もこう語る。

「インデックス投資のように長期投資を目的としているのなら、パニックになって売るのはやめたほうがいい。もちろん株価はこれから下がるかもしれないし、逆に上がるかもしれない。こればかりは誰にも分からないが、長いスパンで見れば暴落は何度も来る。長期投資だと自分で決めたのなら、いったん落ち着くことが大切だ」

暴落は確かに痛い。だが、長期投資を選んだ以上、問われているのは相場観よりも、むしろ動揺に飲まれない姿勢なのかもしれない。

取材・文/集英社オンライン編集部

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