「電気を消すと“ケダモノ扱い”される…」空気階段・水川かたまりが明かす娘の豹変と、父になって変わった“下ネタのライン”
「電気を消すと“ケダモノ扱い”される…」空気階段・水川かたまりが明かす娘の豹変と、父になって変わった“下ネタのライン”

男性が育児参加することが当たり前になった時代。パパになった著名人たちに日々の育児や将来子どもたちに残しておきたい、パパからの便りを語ってもらう連載「パパより~拝啓 大人になった君へ」。

第2回は、お笑いコンビ・空気階段の水川かたまりさんに登場してもらった。

 

芸人として独特の存在感を放つ水川さんが、第一子誕生を自身のラジオ番組「空気階段の踊り場」(TBSラジオ)で、号泣しながら報告したことはファンの間で話題を呼んだが、水川さんは子育てについて、そして愛娘にどんな人間に成長して欲しいと考えているのか。(前後編の前編)

この環境を変えるには家族を作るしかない

――ラジオでの発言から子煩悩なことが伺えますが、家族を作りたい思いは昔からあったのでしょうか。

水川かたまり(以下、同) 18歳のときからありました。大学進学のために上京して、1人暮らしを始めるんですけど、その頃はかなり辛い時期で。

岡山で生まれ育ったんですが、特に反抗期もなく、家の居心地がすごく良かったんです。そんな中で急に1人暮らしを始めて、“なんてツラいんだ”と。

大学に馴染めず、人と関わる機会はほぼなかったですし、バイトもろくにしていなかったので、この環境を変えるには家族を作るしかないという心境でした。

――“遊びたい”という欲求もなく?

なかったです。“遊ぶ”ということが頭に思い浮かびませんでした。東京に出てくるまでの期間は願望としてあったと思うんですけど、大学に行っても友だちもできないし、馴染めもしなかったので。

ただ、家族と一緒にいる居心地の良さは知っていたので、だったら家族を作りたいという感覚でした。

――そこから今の奥様と入籍したのが2022年11月。

そして2024年、33歳のときに第一子が誕生しています。大分、期間が空きましたね。

子どもを作るとなると、やはり金銭面のことが頭によぎりました。当時は、もちろん経済的に余裕がなかったし、現実的ではないというか。

芸人になってからも収入は安定しないし、食べられるようになるのにも時間が掛かったので。

――奥様が妊娠しているとわかった時はどんな気持ちでしたか。

“自分に子どもができたら”という想像はずっとしていたので、めちゃくちゃうれしかったです。

ただ、どこかでちょっと不思議な感覚もありました。男なので、自分のお腹の中に子どもがいるわけではないですし、実感が湧かない部分はありました。

――妊娠が分かったときから、かたまりさんの芸人としての意識の変化はありましたか?

子どもが生まれるので、仕事を頑張ろうという気持ちが強まりましたね。一方で、お笑い芸人という職業柄か、“仕事”という感覚があんまりないのも確かで。

“これをやったらみんなが笑うんじゃないか”みたいなことを考えて、台本を作って、変な格好して、お金を貰う仕事でどう考えても特殊というか。

「仕事をしてます」と胸張って言うのとはまたちょっと違う感覚なんです。ただ娘がせめて成人するまでは頑張って働きます。

電気を消す前はすごい楽しかったじゃん

――子育ては楽しめていますか?

僕は今のところ「楽しい」という感覚です。その気持ちが占めてますね。夜泣きがそんなになかったのが良かったのかもしれないです。

生まれた頃は2~3時間間隔で起きて、ミルクをあげたりはしたんですけど、“永遠に泣き止まない”みたいなことはなかったですね。

もちろん奥さんはずっと一緒に家にいて、ご飯を作ったりしていますし、今はイヤイヤ期に入っているので、大変だと思うんですけど、僕は97~98%くらいの割合で楽しんでいます。

――コント台本やアンケートを書くのに集中ができなくて、「今日は勘弁して欲しい」みたいな瞬間もない?

家で仕事をすること自体やめました。元々、自宅だと、集中できないんです。書き仕事をやるとなったら喫茶店などに行って作業をしています。

――「楽しい」という一方で、「子育て向いてない」と思ったことは? 奥様の存在の大きさは感じますか?

めちゃくちゃ感じます。寝かしつけの時とか、お母さんに腕枕されたら、すぐに泣き止んで寝ていましたし……僕が寝させようとすると、余計に泣くんです。その時は無力さを感じますね。

日中の元気な時間は「パパ!」と寄ってきてくれて、遊んでいるんですけど、いざ寝る時間になり電気を消したら、急に僕のことをケダモノみたいな扱いをしてきて……。

それでも寝かしつけようとするんですけど、その時の反発力がものすごいんです。「嫌!」と言いながら、大暴れしますし、顔も叩かれますから。

――その時のカタマリさんの心境は?

かなり悲しいです。日中はずっと「パパ!パパ!」という感じなので、なんで夜になるとこんなに豹変するんだろうと。思考が気になるというか、電気を消す前はすごい楽しかったじゃんって……急に拒絶されるので、それには面食らいますね。

下ネタが好きなんですけど、使用するワードのラインは変わった」

――シュールなコントも魅力の空気階段ですが、お子さんが生まれたことでネタ作りに変化は訪れましたか?

ちょっとはあると思います。下ネタが好きなんですけど、使用するワードのラインは変わったんじゃないかな、と。

今までは、“自分の父親が引かない”というのを基準として設けていたんですけど、娘が生まれてからは娘の存在が大きくなりました。

なので今は娘が大人になった時に引かないように、という塩梅でネタを作っていると思います。

――軽蔑されないように、というか。

その怯えはもしかしたらあるのかもしれないです。

とはいえ、娘が生まれてからも、別に上品にもなっていないというか。

100ある下ネタワードのうち、“90までは使っていいや”だったのが、“82ぐらいまでで留めておこう”くらいの感じに変化したと思います。

――子どもの姿を見て、コントの内容などにインスパイアを受けた部分はありますか?

それはありますね。まさに去年の単独公演でやった「神奈川11区」は、コンビでおたがい子どもが出来ていなかったら、こういうネタにはならなかったんだろうな、と。僕らの中での“赤ちゃんあるある”がものすごく入っていると思います。

〈後編へ続く『「娘が芸人を連れてきたら嫌です」空気階段・水川かたまりが断言する理由』

取材・文/中山洋平 撮影/井上たろう

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