「錦糸町は子育ての街」「ないお店を探す方が難しい」Xで話題…街が再評価される理由 築20年タワマンは1.8億ションに
「錦糸町は子育ての街」「ないお店を探す方が難しい」Xで話題…街が再評価される理由 築20年タワマンは1.8億ションに

かつては飲み屋街や歓楽街のイメージが強かった東京・錦糸町。しかし近年は、ベビー用品店や子ども向けショップ、大型公園、映画館、習い事施設まで駅周辺に集まり、子育て世帯にとって便利な街として存在感を高めている。

Xで話題になった投稿をきっかけに、錦糸町の“もう一つの顔”を見てみた。

「錦糸町にないものを探す方が難しい」

いま、ある子育て世代のXユーザーの投稿が話題を集めている。

「今日錦糸町駅に降り立ったんだけど、デカい遊具のある公園、アカホン・西松屋・ベビーザらス、DAISO、ユニクロ、映画館、フードコート、習い事系まで全部駅周辺にすべて揃っていてワイの妄想が具現化したのかと思った…」

これに対し、「治安が気になる」というコメントもかなりついていたものの、

「錦糸町は本当に子育て世帯のオアシスです」

「おまけに盆踊りとか町内会っぽいイベントも多いから子供も楽しめる街ですね」

「地元ですがまじで全てがあるのでこの街を出る気なくしてます。もはや供給の暴力」

という賛同コメントも多くついている。

錦糸町は東京メトロ半蔵門線とJR総武線、そしてバス路線が集まる東の交通の要衝だ。実は新宿や渋谷とも並ぶ、東京の副都心のひとつとして定義されている街だ。

関東大震災の後、昭和3年に神田から製菓産業と関連産業が錦糸町に移転し、「菓子の街」や工場の街として発展してきた歴史を持つ。1934年に工場の跡地を東宝が買い取り、江東劇場と本所映画館を中心にした「江東楽天地」を開業させた。こうして「娯楽の街」として発展を遂げていく。そうして、夜のお店やホテルなどが南口側を中心に増えていった。

そんな歴史的背景もあり、飲み屋街や歓楽街のイメージを持つ人も少なくないだろう。

しかし実際に駅周辺を歩いてみると、いまの錦糸町は“子育て世帯にとって非常に便利な街”という別の顔を持っていることに気づく。

商業施設、遊び場、フードコート、レストラン、習い事まで、ファミリーに必要なものが駅周辺にかなり高い密度で集まっているのだ。

その象徴が大型商業施設の充実ぶりだ。錦糸町にはマルイ、パルコ、アルカキット、オリナス、そして駅直結のテルミナと、徒歩圏に商業施設がなんと5つもある。そのどれもがかなりの大規模だ。

まず北口側のアルカキットには、アカチャンホンポ、ダイソー、ユニクロ、マクドナルド、サーティワンなどが入る。日用品や子ども用品を一気にそろえやすく、食事や休憩もしやすい。子どもの成長は早く、服や日用品をこまめに買い替える必要があるだけに、こうした店がまとまっているメリットは大きい。

同じく北口側のオリナスには、トイザらス、ベビーザらス、セリア、ニトリ、マクドナルド、サーティワンに加え、体操教室や幼児教室のドラキッズもある。通路も広く、歩きやすい。夏場に子どもを歩かせたい時にもぴったりだ。

そしてオリナスに直結しているタワーマンションの「ブリリアタワー東京」は築20年にもかかわらず、80㎡弱で1.8億を超える額で売り出されている。

しかも向かいには錦糸公園が広がり、大型遊具もあって子どもに人気だ。しかもこの公園は地下鉄の錦糸町駅の出口直結である。

買い物をして、食事をして、子どもを遊ばせて、習い事にも通える。親子のお出かけ先として、これ以上ないほど機能が集約されている。

南口側も負けていない。パルコ(楽天地)には西松屋、無印良品、小児科、サイゼリヤなどがあり、無印にはキッズスペース「木育広場」もある。特に土日は子どもで大賑わいの施設だ。

マルイには、子供靴のゲンキキッズ、GAP、セリア、デコホーム、ミスタードーナツ、サーティワン、ドラキッズなどがそろう。子どもの靴、生活用品を見ながら、休憩もできる。施設ごとに役割が少しずつ違うため、複数を回遊しやすいのも錦糸町の特徴だ。

駅ビルであるテルミナには、ヨドバシカメラのほか、充実したレストラン街がある。

「錦糸町にないものを探す方が難しい」とXで言われるのも納得だろう。実際に頭に浮かんだチェーン店を検索してみると、たいていはある。マックもモスも、ケンタッキーも吉野家も松屋もデニーズもゴンチャもある。

スタバにいたっては5店舗もある。

南口側のちょっと気になるエリア

こうして見ると、錦糸町は単に「店が多い街」ではない。様々なお店が、駅周辺でひとまとまりになっている。親子連れの行動導線として非常に完成度が高いのである。

もっとも、前述の通り、街のすべてが“子育て仕様”になったわけではない。南口には大きな喫煙所があり、南側のエリアには昔ながらの飲み屋街やラブホテル街も健在だ。家族連れにとっては気になる点かもしれない。商業機能の充実が進み街の雰囲気が変わる一方で、従来の歓楽街的な空気もなお共存している。

ただ、この「大人向けのエリア」はひとつの地域に固まっており、「ファミリー向けのエリア」とははっきり分かれていた。

清澄白河在住で2歳の子どもを持つ父親はこう話す。

「錦糸町は地下鉄で2駅なのでよく行きます。何でもでもそろうので、買い物は錦糸町に行きますが、南口の歓楽街エリアに足を踏み入れることは全くないですね。

なのでその存在は気になりません。ただ、マルイに行くときだけ駅前広場にある喫煙所の前を通るので、それはちょっと嫌ですね……かなり臭いです」

しかし錦糸町の魅力については、こう続けた。

「アカチャンホンポ、西松屋、ベビーザらスという3大子供向けショップがそろっているのって、都内では錦糸町だけではないでしょうか。錦糸町がこんなにファミリーフレンドリーだなんて、来るまで知りませんでした」

また、錦糸町に住む5歳児の父親は街の変化を実感している。

「住む前は錦糸町ってラブホとキャバクラの街というイメージでした。ここ10年くらいでガラッと変わりましたね。家族連れも増えているし、久しぶりに来る人はちょっとびっくりするんじゃないでしょうか。映画館も2つあって最強です」

江戸川区に住む1歳児の母親も、満足度が高い街だと話す。

「ドラキッズに通わせているのでほぼ毎週錦糸町のオリナスにきています。買い物の利便性も高いですし、チェーン店が充実しているのも良いです。帰りはいつも錦糸公園の遊具で遊ばせますよ。混んではいますが、子どもがたくさん集まっていて、少子化なんて嘘みたいな光景です(笑)」

かつての印象を知る人ほど、いまの錦糸町の変化には驚くのかもしれない。

“何でもそろう”という言葉は便利な街に対してよく使われるが、錦糸町の場合、親子に必要なものが徒歩圏に詰まっている。Xの投稿に共感が広がったのも納得だ。

子どもとのお出かけ先に迷ったとき、あるいは「都内で子育てしやすい街ってどこだろう」と考えたとき、錦糸町は一度歩いてみる価値のある街になっている。

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