「冬の富士山をなめてる」とまた大炎上…外国人男女が閉山中に“スキー目的”で登頂し滑落、一人は重体 県警は「登山計画書の提出はなかった」
「冬の富士山をなめてる」とまた大炎上…外国人男女が閉山中に“スキー目的”で登頂し滑落、一人は重体 県警は「登山計画書の提出はなかった」

3月9日午後3時ごろ、富士山を登山していた外国人3人のうち2人が滑落し、1人が重体となった。3人が富士山を訪れた目的は「スキー」。

山頂からスキーで下山し、7合目でスキー板を外す際にバランスを崩し滑落したという。

富士山には「スキー目的だった」と県警に話しているという

「2人が行方不明になった」

3月9日午後3時ごろ、閉山中の富士山へ登山していた外国人3人のパーティーのうちスウェーデン国籍の女性(23)とニュージーランド国籍の男性(51)の2人が滑落、県警に通報があり山岳遭難救助隊員が出動した。緊迫した捜索現場の様子を地元紙記者が解説する

「14時54分、3人パーティーのうち数名が滑落した様子を同行者が目撃し、友人を通じて通報しました。そして午後10時40分頃、ついに遭難者が発見されたのです。場所は富士山『宝永第一火口』付近。暗闇の中での捜索でしたが、救助隊がなんとか行方不明者を見つけ出しました。急を要するため2人は県の防災ヘリで病院へ搬送されました」

登山していた3人は会社の同僚で、富士山には「スキー目的だった」と県警に話しているという。言うまでもなく現在、富士山は閉山中で、富士登山オフィシャルサイトでも立ち入らないよう強く警告されている。それでも3人は9日未明に徒歩で富士山に登り、山頂からスキーで下山を始めた。途中岩場で滑ることができなくなり23歳女性がスキー板を外す際にバランスを崩し滑落、止めようとした51歳男性もともに数百メートル滑落したという。

「重体の23歳のスウェーデン人女性は、救助当時は呼びかけに応じたりもしていたそうだが、意識そのものは不鮮明で、会話ができる状態ではなかったらしい。呼吸はあるものの、搬送当時は意識なしに近い危険な状態でした。

一方、51歳のニュージーランド人男性は全身の痛みを訴えていて、骨折の疑いがある重傷。

自力歩行は全くできない状態で、救助隊が現場で『パッケージング(固定・収容)』して大急ぎで運び出しました。滑落したポイントは正確には特定できていませんが、通報があった標高3000メートル付近から一気に落ちたと見られています。この3人は、登山計画書を提出していませんでした」(県警関係者)

『登山禁止』とは書かれているが… 

静岡県警地域課によると、閉鎖された登山道を使用した場合、6カ月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金に処される可能性がある。

今回の3人組のように冬季閉鎖中の山岳に入山しても法的責任を問われないのだろうか。

今年2月、静岡県警の関係者は別の外国人遭難者の取材の際、こう答えている。

「遭難者が閉鎖中の登山道を通ったかどうかは、積雪や氷で道が判別できないため、法律違反などに問われることはないでしょう。

登山道は「閉鎖」されていますが、富士山全体は法的に「入山禁止」ではないんです(登山道は道交法で通行禁止)。登山道という『線』は閉鎖できても、山全体という『面』への立ち入りを禁止する法律や条例はないんですよ。だから、勝手に入った人間を強制的に排除したり、入った瞬間に罰則を適用したりするような法的根拠は、現状ゼロなんです」

主要な登山口はベニヤ板などで頑丈に封鎖されているものの、“抜け道”はいくらでもある。民間の捜索・救助チーム「山岳遭難捜索ネットワーク」も同様に、今年2月の取材に対して、「入山禁止」の法的効力の弱さを感じていると答えた。

「いわゆる富士山に関しては、一応『登山禁止』とは書かれてはいますが、法的に入山を禁止する権限はないのが現状です。林道は通行止めであっても、そこに強制的に入った瞬間に逮捕されるような条例は存在しませんから。

近年、海外の方々から見ても、日本の象徴として『富士山を登ってみたい』という外国人は非常に多いです。

歩いて登り下りする人もいれば、下山時は滑り降りたいという人もいて、楽しみ方はさまざまです。エベレストのような記録的な標高や難易度はないものの、登山未経験者にとっては十分に難しい山と言えます。

さらに富士登山で厄介なのは、途中までは意外に簡単に登れてしまう点です。5合目までは比較的容易に行けてしまうが、そこから先で環境が急変する。登りは体力でカバーできても、下りになると地面が凍結しているので、とても危険なんです」

静岡県知事は「一定の受益者負担が必要だ」

これまで静岡県警は、国籍を問わず事故防止に向けた啓発活動を強化してきた。県警公式SNSやホームページでの映像・情報発信に加え、インバウンド需要の回復を受けて外国人向けの対策も拡充した。

具体的には、登山道が閉鎖中であることを伝え、入山自粛を求めるチラシを少なくとも6カ国語で作成し、インターネット上で公開している。

滑落事故を受け、SNS上では閉山中にもかかわらずルールに従わない外国人登山客に対して、「閉山中の富士山登るな」「冬の富士山をなめてる」と厳しい声が多数投稿された。

また10日、静岡県の鈴木康友知事は定例記者会見にて「危険だから閉山していると認識してもらいたい。無理な登山を控えるよう注意を呼びかけていく」と述べた。さらに、「無謀な登山をして遭難したケースは一定の受益者負担が必要だろう」といった認識を示しており、今後の県の対応が注目される。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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