「ケンカ売ってる?」JRの運賃改定のタイミングで京王線が“超攻撃的”と話題に…吉祥寺駅の広告の狙いを本社に聞いた「JRさんからの反応は届いておりません」
「ケンカ売ってる?」JRの運賃改定のタイミングで京王線が“超攻撃的”と話題に…吉祥寺駅の広告の狙いを本社に聞いた「JRさんからの反応は届いておりません」

JR東日本は、3月14日に運賃改定を実施する。民営化後およそ40年ぶりとなる大幅な改定となり、利用者からは負担増を懸念する声や不満の声も上がっている。

そうした中、ある駅に掲出された広告の写真がSNSに投稿され、「超攻撃的」と話題になった。投稿者に話を聞くとともに、広告を出した京王電鉄の見解を聞いた。

「JRにぶつけてきた?」“超攻撃的”と話題の吉祥寺駅の広告とは

「噂の『超攻撃的』な吉祥寺駅を見て来ました。」

3月上旬、Xに投稿された写真が注目を集めた。JRと京王井の頭線が接続する東京・吉祥寺駅で撮影されたもので、JR線から井の頭線ホームにつながるエリアに掲出された巨大なフラッグ広告やデジタルサイネージには、次のようなコピーが並んでいる。

「いつもの運賃、見直しどきかも? 安いのも、京王。」
「吉祥寺駅をご利用のあなたへ! 井の頭線なら、吉祥寺⇔渋谷 急行で最速16分 ICカード きっぷ(片道)230円」

JR線の改札を前に、挑発的とも言えるコピーとともに京王線の運賃の安さをアピールする内容が大きく掲げられており、この投稿に対して「JRにぶつけてきた?」「喧嘩うってる?」「こんなに攻めていーのかしら」「これは京王らしくない攻めの姿勢」といった反応が寄せられている。なお、この広告は3月8日に掲出を終了している。

この投稿をした男性(@k5otsuzu9k1213)は今回の広告について次のように話す。

「JRは、昨年の新幹線分離をはじめ人命を奪いかねない重大事故が近年多発しています。サービス向上を名目とした率の高い値上げに納得していない方が非常に多い印象を受けます」

このようにJRの運賃改定に対して懸念を示したうえで、京王線について次のように見解を示した。

「京王は競合相手がJRだけではなく他の民鉄です。例えば多摩センター付近の小田急との競合もあるので値上げの判断が難しいと思うのですが、今回のように値上げではなく大々的に運賃の優位性をアピールし、輸送人員の増加で増収を図るというのは良い試みではないでしょうか。

ただ普通運賃ではなく定期運賃の場合はこれからもJRの方が優位の場合があるので、利用者はよく調べた方が良さそうです」

最後に、今回の広告の効果については「現時点としては、思い切った広告を出した結果SNSでバズり、高い宣伝効果を得ている京王の戦略が上手くいっているのではないでしょうか」と話した。

「周辺のショッピングセンター等をご利用のお客さまの目にも触れる場所」

この男性が話すように、今回の運賃改定をめぐっては、できるだけ損をしないための“裏技”がSNSで共有されるなど、運賃や定期券の買い方に関心が集まっている。

こうした動きもあり、通勤・通学にかかる交通費を改めて見直す人も多いとみられる。

こうした背景のもと、吉祥寺駅で「運賃の安さ」を前面に出した広告を掲出した狙いとは何か。京王電鉄広報部の担当者は次のように話した。

「今回のプロモーションは、4月は新生活を開始し、通勤・通学などで京王線・井の頭線を初めてご利用になるお客さまが多くいらっしゃる時期であることを踏まえたものとなります。当社線をご利用いただく際に必要な情報のほか、当社が推進している安全性・サービス向上に向けた取り組みをまとめたサイトも開設しております。

新生活を迎える方をはじめすべてのお客さまに当社線の安全性・快適性・利便性について知っていただけることをコンセプトにプロモーションを実施しております」

また、吉祥寺駅という場所を選んだ経緯については次のように説明。

「今回広告掲出をした箇所は、改札外という媒体立地特性上、周辺のショッピングセンター等をご利用のお客さまの目にも触れる場所であるため選定いたしました。吉祥寺駅以外ではサイトを開設し、当社線をご利用いただく際に必要な情報のほか当社が推進している安全性・サービス向上に向けた取り組みを発信しています」

では、近年の京王線の利用者数はどのように推移しているのか。また他社線からの「乗り換え」はどのような状況なのか。

「コロナ禍で大きく落ち込み、現在も以前の水準には戻っておりませんが、2021年度以降は毎年前年を上回る水準で推移しています。なお、お客さまの他社路線での利用状況は把握できません」

担当者によれば、JR東日本側からは特に反応は届いていないと言うが、少なくとも駅利用者に強い印象を与えた広告だったことは間違いないだろう。吉祥寺駅始発の井の頭線に乗り換える人がどれだけ現れるのか。

春以降、その動きにも注目が集まりそうだ。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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