「『DAYBREAK』『TIME ZONE』は嫌いだった」男闘呼組・成田昭次が明かす若き日の本音…再始動ライブで初めて理解した“歌詞の意味”
「『DAYBREAK』『TIME ZONE』は嫌いだった」男闘呼組・成田昭次が明かす若き日の本音…再始動ライブで初めて理解した“歌詞の意味”

2022年に再始動し、大きな話題を呼んだロックバンド・男闘呼組。東京ガーデンシアターで行われた復活ライブには、松岡昌宏櫻井翔らも駆けつけ、長年待ち続けたファンとともに感動の時間を共有した。

ステージを終えた成田昭次は、歌声の復活への手応えを語る一方で、若き日に抱いていた代表曲『DAYBREAK』『TIME ZONE』への意外な本音も明かした。

『人生はとんとんー成田昭次自叙伝―』より一部を抜粋、編集してお届けする。

「この年になって、成長できるんですね」

復活ライブ2日目には松岡昌宏、櫻井翔、戸塚祥太らがライブに足を運んでいる。のファンだった昭次の母は、櫻井と会えたことに舞い上がった。そのことを「今まででいちばんの親孝行」と言われた昭次もまたうれしそうだった。

東京での生活にようやく慣れ始めた母が言う。

「ファンの人、本当にありがたいですね。SNSを習って、皆さんから昭次へのコメントを読みました。いろいろ心配してくださって。あぁ、親の気持ちと一緒なんだな。『体に気をつけてね』『大変だったね』……。私が思ってること、伝えたいことと同じことを、ファンの方たちが全部がおっしゃってくれた。ファンの心は親心なんだなって。



こういう方たちだから、こんなにも待たせたのに、ずっとついてきてくださったんだなって。よく待っていてくれたなあって」

男闘呼組、再始動。
ひとりで叶えるには大きすぎる夢だった。
メンバー4人と谷川、5人で見たから実現した夢だった。

昭次は東京ガーデンシアターの2日間4公演を終えた翌朝、Instagramにグレッチをかき鳴らす画像とともに、こんなキャプションを投稿している。

「夜明けの光景は 夢のようでした 奇跡でした この先も生命を燃やしてROCKします」

昭次は確かな手応えを摑んでいた。

「昔以上の声が出てる。音楽活動を再開した時、最初はまったく声が出なかったのが、練習を重ねて少しずつ声が戻ってきた。

ソロ活動をしていた30代、BASS ADVENTUREに所属させてもらっていた時、有名なボイストレーナーの方に正式に腹式呼吸を習って。それから、歌っていない時間も長かったんですけど、忘れてないんですよね。

10代、20代、男闘呼組だった時代、多分メンバーで僕がいちばん声が出なかった。レコーディングだけじゃない、ライブやテレビで歌う時も。

高音に届かなかったり、低いところも届かなかった。和也は常に安定してる。僕以外の3人は舞台をやってるから声量がやっぱりすごいんです。僕は声量っていう意味でもいちばん劣ってた。

再始動のための準備が始まり、腹式呼吸を活用して練習を繰り返した今、昔よりキーが出るようになったんです。昔出なかった低いところも。

10代の頃、どうしたらもっと上手く歌えるんだろうなんて考えたことさえなかった。あまりに意識が低かった。まあいいやって適当に考えてたんじゃないですか。ひどいですよね。でも、あきらめなくてよかった。この年になって、成長できるんですね」

「今、歌詞の意味をようやく理解できる」

昭次の眼前に年齢を重ねたからこそ見える世界が広がっていた。
声量だけではない。

歌詞の理解も昔より深くなった。

「あの頃、認められたいという承認欲求が肥大して、自分たちで曲作りをしたいって意欲が強すぎて。欲求の高まりとともに、メジャーなシングル曲をライブでやることがしんどくなって。

こんなこと言ったら、もうファンの人に怒られちゃうと思うんですけど。当時はね、嫌いだったんですよ。もう嫌で嫌でしょうがなかった。『DAYBREAK』『TIME ZONE』のことが。こんなの俺たちの曲じゃねえって。歌っていて歌詞が恥ずかしいくらいに感じてた。どんな歌詞かなのか深く理解しようともせずに。

今、歌詞の意味をようやく理解できる。『DAYBREAK』『TIME ZONE』の詞の世界観、素晴らしいですよね。
深みがあって、どちらもすごい素敵な詞です。大津あきらさん、すごく尊敬する作詞家です。

10代、20代では、この詞の世界観がわからなかった。あの頃の僕らが歌うには若すぎたのかな。今、歌っていて、これが俺たちの代表曲なんだって誇らしく感じます。年を取るって悪いことばかりじゃないんですね」

復活ライブから数日後、『とんとん』に東山紀之と男闘呼組4人の姿があった。東山が健一に谷川を紹介したことから、男闘呼組再始動の物語は始まったと言っても過言ではない。
そんな東山が男闘呼組メンバーとライブ映像を見ながらの会食。
「ライブ、すごいよかったよ」
東山はそう絶賛した。
「美味いね」
トンカツに舌鼓を打ってくれたことも、昭次には誇らしかった。

構成/水野光博 写真/井村邦章

人生はとんとん ―成田昭次自叙伝―

成田 昭次
「『DAYBREAK』『TIME ZONE』は嫌いだった」男闘呼組・成田昭次が明かす若き日の本音…再始動ライブで初めて理解した“歌詞の意味”
人生はとんとん ―成田昭次自叙伝―
2026年1月15日発売2,200円(税込)四六判/264ページISBN: 978-4-08-790209-9

伝説のロックバンド男闘呼組のボーカル&ギター・成田昭次、初の自叙伝が発売!
50歳を超えて精力的に活動しチャレンジを続ける成田が語る、男闘呼組活動休止、逮捕、芸能界引退、そして奇跡の復活。舞台裏にあった熱き想いと涙。

すべての成田昭次ファンに贈る著者渾身の一冊!

引っ込み思案だった幼少期、兄の背中を見て飛び込んだ芸能界、男闘呼組デビューの裏側、突然の活動休止、2009年大麻所持で逮捕。愛する兄の自死。
地元・名古屋の工場で働きながら、ようやく築いた平穏な毎日。そして、2019年男闘呼組メンバーとの運命の再会。
安定した生活を捨て、2022年男闘呼組再始動…。知られざる半生のすべてを赤裸々に語る。
男闘呼組メンバーである岡本健一高橋和也前田耕陽のコメントも収録。

Myojo10000字インタビューのスタッフが集結。本書の口絵には、『明星(Myojo)』でデビュー前から成田昭次を撮り続けてきたカメラマン井村邦章による撮り下ろしカットを掲載。

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