〈江戸川・18歳女性殺害〉「遺体を弄び被害者の尊厳すら奪った…」パンチパーマ男(33)に“異常かつ悪質”と懲役22年の判決「小さな頃から悪ガキだった」
〈江戸川・18歳女性殺害〉「遺体を弄び被害者の尊厳すら奪った…」パンチパーマ男(33)に“異常かつ悪質”と懲役22年の判決「小さな頃から悪ガキだった」

2023年6月、交際していた当時18歳の女性を殺害したとして殺人や死体遺棄などの罪に問われた防水工・渥美遼馬被告(33)の裁判員裁判で、東京地裁(島戸純裁判長)は3月16日、懲役22年(求刑懲役25年)の実刑判決を言い渡した。死体遺棄罪を認めながら殺人罪については物証がないと無罪を主張していた被告側に対し、島戸裁判長は被告が救命行為をしなかったことなどを理由にこれを退け、「被害者に落ち度はなく、被告の身勝手な犯行だ」と断罪した。

死後も被害者の尊厳を何重にも傷つけていた

判決などによると渥美被告は2023年6月7日ごろ、都内またはその周辺に駐車していた乗用車内で、交際相手の女性Aさん(当時18歳)の胸などを刺して殺害。その後、高校時代の同級生だった男(死体遺棄罪で有罪確定)と共謀して遺体を山梨県小菅村の山中に遺棄した。

裁判員裁判では検察側が冒頭陳述で、渥美被告は交際していたAさんと同年5月ごろから関係が悪化し、2人きりの車内でナイフで複数回刺して殺害、その後に同級生を呼び出してAさんの遺体をブルーシートで包み、一緒に遺棄したと述べた。

また、渥美被告は車内で血のついたシャツを着た遺体をスマートフォンで撮影しており、その動画が保存されていることも指摘した。

一方、弁護側は冒頭陳述で、Aさん生存時には車内には渥美被告と同級生の男もおり、Aさんが刃物を取り出して渥美被告を刺そうとしたため、男が止めに入った際、刃物が刺さったなどと訴えていた。

社会部デスクがこう解説する。

「そもそも渥美被告は死体遺棄容疑で逮捕、取り調べの際には警視庁捜査1課に『Aさんを刺した』と殺害をほのめかしていた。しかし殺人容疑で再逮捕されてからは『ノーコメント』などと殺人罪を免れようとしていた。

しかし、捜査段階で警視庁はAさんが渥美被告に対して『しつこい男。別れたい』と周囲に相談していたことを突き止めており、執着していた渥美被告が別れ話に応じずに犯行に及んだとみて裏付けを進めていた。

さらに遺体を司法解剖した結果などから、渥美被告がAさん殺害後に何度も遺体を弄び、死後も被害者の尊厳を何重にも傷つけていたことを突き止めていた。

また、Aさんのスマホから殺害翌日に職場に「仕事を休む」というメッセージが送られていたり、10月下旬まで家族らに無料通信アプリの連絡が入ったりするなど生存の偽装工作を繰り返していたことも手伝い、裁判員や判事の被告に対する心証は『異常かつ悪質』と形成されていったのです」

イタズラや暴力沙汰の問題をよく起こしていた

こうした渥美被告の「異常性」を裏付けるような言動は、2023年の事件発生当初から、取材で浮かび上がっていた。東京都江戸川区内で生まれ育った渥美被告は、子供のころから問題行動を繰り返しており、同級生の母親は取材にこう証言していた。

「渥美くんは小学校でもイタズラや暴力沙汰の問題をよく起こしていたし、お父さんがかなり怖い人だということで保護者の間では有名でしたよ。

多分、お父さんに手をあげられてたから、家では怒られないようにお手伝いもする“いい子ちゃん”をしてた反動だったんでしょうね。頻繁に問題を起こすので、先生が親を学校に呼び出したけど、まったく来ないんですよ。それで先生が仕方なく家庭訪問したら居留守を使われたそうです」

業を煮やした被害児童の親が家にのり込んでも、話が通じなかったという。渥美被告は小学校の同級生たちと同じ中学に進学したが、卒業名簿には名前が載っていない。同級生の母親はその理由をこう語る。

「渥美くんは中学3年のころは施設に入ってたみたいなんですよ。当時、ウチの子供から聞いた話によると、ライターで火遊びをして警察沙汰になったんだとか。それのせいで卒業時期にはいなかったようですよ」

中学時代に同級生だったという女性の印象もこれと近しいものだった。

「中学時代はいい印象もまったくないし、よく学校もサボってました。5~6人のヤンチャなグループにいたけど、親分格ではなかった。そいつらのリーダーが金属バットを持って他校に乗り込んだりするヤバい人で、渥美もその後ろにくっついて、誰も関わろうとはしてなかったですね。そういうグループだからいろいろと怒られるようなこともしてたみたいで、先生から渥美の親に何度も苦情がいってたようです」

「あの子を高いところから突き落としたらどうなるんだろう」

渥美被告のエキセントリックな性格と言動は、大人になってからも垣間見えることがあった。

パンチパーマをあて、身体を鍛え“コワモテ”だった渥美被告が足繁く通った地元の飲食店の店主は、こう証言していた。

「リョーマはちょっとね、たまに怖くなることを言い出す子だったから。『生きてる犬を洗濯機に放り込んだらどうなるんだろう?』とか、友達のことを見て『あの子を高いところから突き落としたらどうなるんだろう』とか言い出すことがあって……。酔っ払ってはいるとは思うんだけど。だけどそれでも怖いじゃない。それが20代の前半のころよ」

渥美被告は論告求刑公判で裁判長に「何か言いたいことは」と問われ、こう答えていた。

「どこをどう考えても自分のせい。申し訳ないとしか表現できない」

判決を受けたいま、被告は何を考えているのか。被害者に向き合うことはできる日は訪れるのだろうか。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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