「好きぴはヒミツ」9歳の普通の小学生が“盛り髪が命”になった原点《令和の小学生ギャル・ゆなち》
「好きぴはヒミツ」9歳の普通の小学生が“盛り髪が命”になった原点《令和の小学生ギャル・ゆなち》

ツートンカラーの派手な盛り髪に、1990年代のギャルを彷彿とさせる厚底ブーツ。そして背中には、ラインストーンなどでデコられたランドセル。

小学生ギャルメディア『KOGYARU(コギャル)』でカリスマ的存在のゆなち(12歳)は、現役の小学6年生だ。

 

栃木県から片道3時間をかけて都内の撮影現場に通い、SNSで自身のライフスタイルを積極的に発信している。Instagramのフォロワー数は35.8万人を誇るが、普段は友だちと好きぴ(好きな人)の話で盛り上がる、ごく普通の小学生だ。そんなゆなちは、いかにして小学生ギャルとして多くの人に知られる存在になったのか。(前後編の前編)

深夜1時に起き、6時間かけて準備「盛り髪が命。だって気分上がるもん」

栃木県にある自宅から都内の撮影現場までは、片道3時間ほど。ゆなちの芸能活動を支えているのは、現場に帯同するお母さんと車の運転や日々の食事をサポートするお父さんだ。ゆなちファミリーは、ゆなちが小学3年生のときから、早朝のまだ夜が明けていない時間に東京へ車を走らせる生活を続けている。

「撮影があるときは、だいたい深夜の1時から2時くらいに起きて、メイクを始めます。メイクは自分でしつつ、まだ難しいので最後はママが仕上げてくれます。メイクに3時間、プロに頼むヘアセットに3時間かけて、合計6時間くらいかけて準備をします。だから、パパが運転してくれる車の中が大事な睡眠時間です」

なぜ、そこまでしてギャルスタイルを貫くのか。

ゆなちにとって、メイクや盛り髪は単なるおしゃれではなく、大切な“仕事のスイッチ”だという。

「実はもともと人見知りだったんですが、メイクや盛り髪をしたら、『イエーイ!』って、元気になります。特に盛り髪は、私にとって命なんです。その日の気分や着ているお洋服に合わせて、髪型をツインテールにしたり編み込みのブレイズにしたりなど、色々と工夫するのが本当に楽しいんです」

みりちゃむに憧れ……コギャル世代のお母さんとギャル研究

今や小学生ギャルの筆頭として活躍するゆなちだが、きっかけはデジタルネイティブ世代らしいものだった。

「小学3年生のとき、お母さんが隣でギャルメディア『egg』のYouTubeを見ていたんです。専属モデルのみりちゃむちゃんやゆうちゃみちゃんはもちろんかわいいのですが、小学生ギャルモデルも出ていたことに気づきました。

それを見て、『え!? 小学生でもギャルになれるの?』って衝撃を受けて。ギャルは自分の好きなものを堂々と表現している感じがすごくかっこよくて、私もこうなりたいって思ったのが始まりです。それまでもおしゃれは大好きだったけど、自分のスタイルを見つけた瞬間でした」

ゆなちが特に惹かれたのは、1990年代のコギャル文化や黒ギャルスタイルだ。元コギャルだったお母さんにアドバイスをもらいながら、ルーズソックスやデコデコした小物など、当時のエッセンスを現代風にアップデートして取り入れるようになった。

ゆなちのこだわりはピンクと金のツートーンカラー。この髪色にしている同世代のギャルが周りにいなかったため、より目立つためにお母さんと考えた戦略だ。そして2023年、『egg』の妹メディア『KOGYARU』がスタートする際、「初期メンバーにならないか?」と編集部から声がかかり、9歳のときギャルモデルとしてデビューした。

小学校で夢中なこと。学校で見せる「12歳の素顔」

ギャルモデルとして活躍するだけでなく、2026年1月には、経済誌 『Forbes JAPAN』の企画「100 PEOPLE TO WATCH IN 2026(2026年に注目すべき100人)」において、30歳未満のフロントランナー50人が選ぶ『2026年に注目すべき100人』の1人に選ばれ、KOGYARUとして2023年12月にアーティストデビューし、活躍の場を広げているゆなち。一方、小学校では、どこにでもいる小学6年生なのだそう。

「中身は普通の小学生です(笑)。友だちとは『このTikTok見た?』って話すし、バレンタインのときは『好きぴにあげた?』って好きぴの話や恋バナで盛り上がるのが楽しかったです。ゆなちの好きぴ? もちろん、ヒミツですよ。学校は本当に大好きで、仕事があってもなるべく休みたくないんです」

ちなみに、小学生の間では今、シール帳の進化系、“お菓子帳”が流行っているのだとか。

「放課後、お菓子帳を持ち寄って遊んでいます。お菓子帳交換は、クリアファイルにお菓子のパッケージを切り抜いて可愛く保存したり、小分けにしたお菓子を入れて、それをシール帳みたいに交換するんです。友だちの持っているものを見て、『え、こんなレアなお菓子持ってるの?』って盛り上がります。

通っている小学校に、私のように髪を染めているギャルはほとんどいないし、クラスにはゼロ。でも誰にも否定されないし、何か嫌なことを言われることもなく、自分らしく過ごせています」

後編「夢は倖田來未さんみたいな時代を代表する歌手」へつづく

取材・文/橋本岬 撮影/平川友絵

 

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