糖質オフ、グルテンフリー、単品ダイエットに飛びつく人がハマる挫折…食習慣の改善に必要なのは“頑張り”ではない
糖質オフ、グルテンフリー、単品ダイエットに飛びつく人がハマる挫折…食習慣の改善に必要なのは“頑張り”ではない

食習慣の改善が続かない人には、いくつか共通するつまずき方がある。さらに厄介なのは、原因を見誤ったまま「健康食品を足す」といった表層的な行動だけを積み重ね、結局何も変わらずに終わってしまうことだ。

だが、食習慣を変える鍵は、意志や根性ではなく、理想的な選択が自然に続く「仕組み」をどう作るかにあるという。

 

『予防医療の医師が教える 最小の努力で最大の効果を得る食事学』より一部抜粋、再編集してお届けする。〈全3回のうち3回目〉

食習慣改善に失敗する理由を知る

なぜ食習慣の改善が難しいのでしょうか。これは徹底的に研究されています。まず、よくある「食習慣改善に失敗する理由」をいくつか見ていきましょう。

失敗する理由① そもそも目指している食事法に科学的根拠がない

・「〇〇ダイエットは最強だ!」「人間が狩猟民族だった時は1日1回、肉をメインに食べていたから、それが最も自然な食事だ」「やせるなら白米は絶対食べてはいけない」などの科学的に証明されていない食事法を信じていないでしょうか。

どんな食事論でも、栄養素などをベースにそれっぽく説明することができますが、それは科学的根拠からかけ離れてしまう恐れがあります。このような食事法は極端なものも多く、あまりに自分の食習慣から遠いと続けるのは困難です。

失敗する理由② 「健康的な食事は美味しくない」と思い込んでいる

・「健康的な食事は美味しくない、不健康な食事は美味しい」という思い込みがある方もいます(意識している、していないにかかわらず)。実際の食行動は「快・不快」に基づく自由意志で決定されるので、美味しくないという思い込みがあると、なかなか食習慣を変えられません。

変えるポイントは、「自分が美味しくて続けられると思う(健康的な)食習慣を自分が好んで選択する」というところにあります。

失敗する理由③ 健康ではなく、体重減少や検査値の改善を目的としている

・食事に対する過度な期待は、逆効果となる可能性があります。体重やコレステロール値改善への効果は期待されすぎてしまう傾向にあります。

特に体重を減らすことを最大唯一の目的として食習慣改善を試みる方はたくさんいますが、そこまでの効果が得られず、結局ほとんどの方が諦めてしまいます。

食習慣改善の目的は、長期的に健康、幸福であることです。食習慣改善にあたり「〇〇日で5キログラム減らす!」といった短期的な目標を掲げることには注意が必要です。

失敗する理由④ 忙しいから無理だと思い込む

・「忙しい」「他の優先事項がある」というのもよくある「できない理由」ですが、誤解があります。「忙しいと食習慣改善ができない」「食習慣改善を優先事項としなければいけない」という考えをもつ方の多くは、思い込みかもしれません。

食習慣改善は意志の力に頼るのではなく、その仕組みを整えることこそが目標です。実際、時間をかけずに仕組みを変えることは可能です。

本当の「食習慣改善を阻む原因」

食事の捉え方、考え方というのは、それによって行動変容が難しくなってしまう、非常に大事なものです。実際の食習慣改善は、まずあなたがどのような(潜在的な)認識をしているか、そして何が本当の「食習慣改善を阻む原因」なのか、把握することから始まります(始まるべきです)。それら根本的な原因へ介入することでこそ、大きく食習慣を改善させる可能性があります。

「健康食品を食べる」ような、ある意味表層的な食行動を行っても、食習慣改善において念頭に置いている「原因」が的外れだと、何も変わらずに終わってしまいます。

これらを前提とし、実際に食習慣改善を行う上で最も重要なポイントとなるのが、環境です。「環境」といっても物理的なものだけでなく、社会文化的な環境が特に重要だと言われています。



物理的な環境とは、24時間開いているコンビニが近くにあるか、会社の食堂でどのような食事が提供されているか、常にお菓子や甘いジュースが周りにあるか、といったことを指します。

社会文化的な環境とは、毎晩飲み会に誘われるか、健康に気をつかう同僚や友人がどれほどいるか、一人暮らしか、といった内容です。

また、前述のようなミクロな環境だけでなく、自治体や政策、企業のマーケティングといったマクロな環境も重要です。これらは無意識的に自分の食行動に非常に大きな影響を及ぼしているため、それをまずはっきりと認識することで初めて、本質的な食習慣改善が行えるようになります。

大事なことは「頑張り」では食習慣は変えられないということであり、理想的な食習慣が続く「仕組み」をどうやって作っていけるかということです。

文/濱谷陸太 写真/Shutterstock

予防医療の医師が教える 最小の努力で最大の効果を得る食事学

濱谷陸太
糖質オフ、グルテンフリー、単品ダイエットに飛びつく人がハマる挫折…食習慣の改善に必要なのは“頑張り”ではない
予防医療の医師が教える 最小の努力で最大の効果を得る食事学
2025/9/101,650円(税込)220ページISBN: 978-4492048139

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