「歯磨きしない方が健康?」常識を覆した“旧石器食”のヤバすぎる結果「4週間歯を磨かなかったにもかかわらず、口腔内環境全体が改善された」
「歯磨きしない方が健康?」常識を覆した“旧石器食”のヤバすぎる結果「4週間歯を磨かなかったにもかかわらず、口腔内環境全体が改善された」

肥満や虫歯になる原因は“生活習慣の乱れ”がその一つとされているが、本当にそれだけなのだろうか。ある研究では、歯磨きをやめても口腔環境が改善するという意外な結果が報告されている。

鍵を握っていたのは、意外にも「食事」そのものだった。

『なぜヒトは脂質で痩せるのか』より一部抜粋、再構成してお届けする。

典型的なメタボ体型が短期間で改善した

贅肉でパンパンに膨らんだ顔に眼鏡のツルが食い込み、ぽっこりと膨らんだお腹のせいで靴下を一人で脱ぐことも難しい―ほんの数年前まで、僕は典型的な肥満体型でした。

原因は明らか。食生活です。当時の僕は身長170cmに満たないのに体重は90kgオーバー。好きなときに好きなものを好きなだけ食べ、会食の後には必ず締めのラーメンをすする。乱れきった食生活を送っていたため、太るのは当然でした。

そんな僕に転機が訪れたのは2016年の年末。

歯科クリニックを経営していた僕は、ある研究論文に出会いました。その内容に驚きと強い関心を抱いたのです。

研究では「4週間、歯を磨かない代わりに旧石器時代食だけで生活する」という実験が行われていました。肉や魚を食べ、小麦やイモ類、乳製品は一切ナシという条件です。

結果は衝撃的でした。

被験者たちは4週間歯を磨かなかったにもかかわらず、食事の変更だけで歯茎からの出血が減少し、歯周ポケットがキュッと縮小。口腔内環境全体が改善されたのです。

プライス博士の慧眼―「人類は農業によって退化した」

糖質と歯の関係で言うと、特に印象的なのが、ウェストン・A・プライス博士の『食生活と身体の退化』です。

1930年代、歯科医師だった博士は世界各地を旅し、「農耕文明以前の狩猟採集生活と虫歯の関係」に切り込みました。まだ文明と接触していない先住民がいたため、比較研究が可能だったのです。

調査の結果は衝撃的なものでした。彼らは非常に健康で体格も良く、歯列はピシッと整い、虫歯はほとんどゼロ。

プライス博士は先住民が食す「伝統食」に注目し、その栄養価を分析しました。

すると、当時のアメリカ人の食事に比べてビタミンやミネラルは少なくとも4倍、さらに動物の脂身に含まれるビタミンAやDは最低でも10倍。それは現代人の必要とされる1日の推奨摂取量とはまるで違ったのです。

人類が農業を始める以前、旧石器時代の人間は米や小麦なんて食べていませんでした。糖質はほとんど摂らず、肉や魚がメイン。

だから虫歯も歯周病もなく、親知らずも一生残っていたと報告されています。

この傾向は北極圏に住む先住民、イヌイットにも見られました。彼らはアザラシやカリブーの肉、アザラシの脂に漬けた鮭を食べる生活。糖質はほぼゼロで「歯医者いらず」でした。

編集者:「アザラシの脂に漬けた鮭って、すごい料理ですね」
僕:「でも健康にはバッチリだったんだよ」

一方、近代化で精製小麦や砂糖が広まると、重症の虫歯や口腔の問題が急増。歯列は狭まり乱杭歯が増え、舌がんの発症率も若年層で上昇。さらに歯周病や関節炎など退化的な症状も。プライス博士は「人類は農業によって退化した」と結論づけました。

糖質の過剰摂取が体を蝕むことは、現代でもあちこちで見られる課題です。軽視できない問題なのです。

人の主食は長らく「骨髄」だった

では、旧石器時代の人類が何を主要な栄養源としていたのか。

そのヒントが2019年、イスラエルのケセム洞窟から発見されました。ケセム洞窟は前期旧石器時代(約42万~22万年前)の遺物がたくさん見つかった場所。

そこから「動物の骨を保存し、後から骨髄を食べていた可能性」を示す痕跡が確認されたのです。

つまり旧石器人は、骨髄を食糧備蓄として缶詰めのように大事にストックしていたんですね。

この仮説は霊長類研究者・島泰三氏の著書『親指はなぜ太いのか』でも紹介されています。

島氏はマダガスカルの猿・アイアイを長年研究する中で、霊長類の口や手の形態が資源利用の様式(ニッチ)によって決まることを見出しました。

そこから導かれる結論はこうです。

一本だけ離れて生えた太く短い親指、硬いものを噛み砕ける歯を持つ初期人類は、拇指対向性の手で石を握り、ガンッと骨を割り、臼歯でゴリゴリすり潰し、骨髄や脳を主要な栄養源としていたのではないか――というものです。

僕たち現代人は赤身肉を主な可食部としていますが、もともとは大型肉食獣が食べ残した骨を洞窟に持ち帰り、骨に付着した肉からタンパク質と脂質を摂取。さらに骨髄からビタミン、鉄、カルシウム、マグネシウムを得ていた。

つまり「骨を割る音こそ、旧石器人の食卓のBGM」だったのです。

文/金森重樹

『なぜヒトは脂質で痩せるのか』(扶桑社新書)

金森重樹
「歯磨きしない方が健康?」常識を覆した“旧石器食”のヤバすぎる結果「4週間歯を磨かなかったにもかかわらず、口腔内環境全体が改善された」
『なぜヒトは脂質で痩せるのか』(扶桑社新書)
2026/2/281,100 円(税込)192ページISBN: 978-4594102210

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